7月30日(土)幻影開化「ハイカラビジョン」の搬入に行ってきました、プロジェクションマッピングと違って建物内での設営ですので去年と比べるとかなり楽な作業となります(なんといっても千早赤坂小学校講堂はエアコンが効いてる!)今回は2台のプロジェクターを使って壁面全体を映像にしています。
インタラクションはKinectにより距離を取る事にしました、初めての事が結構多かった今回の制作、実現しようと思った事がいろいろな部分で不可能となったりで紆余曲折あり苦労がありましたが、なんとか動作するものを組み込む事ができました。
7月27日(水)この夏の「宵の明治村」で展示する幻影開化「ハイカラビジョン」の制作風景です。去年まで夏といえば「宵街映写」としてプロジェクションマッピングを手がけていましたが、あたりまえになりつつあるプロジェクションマッピングではなく別の事をやってみようという事になり、リアルタイムレンダリングを使ったコンテンツ制作に挑戦する事になりました。
過去のスイッチ作品はインタアクティブコンテンツが多いですが、マッピングの代わりにインタラクションのある参加型の映像が出来ないか?という事で、常に描画を描きなおすリアルタイムレンダリング技術を使ってインタラクティブに対応する案となりました。今までスイッチが制作してきたインタラクティブコンテンツはopenFramewaorksというプログラムで制御していましたが、今回は3DCGで制作した明治村の建物をイメージに使うためゲームエンジンのUnreal Engine 4というアプリケーションを利用する事にしました。
2ヶ月前におおよその概略を決め、3DCGゼミの学生達に11棟の明治村に実在する建物を3DCGにより制作してもらい、それをスイッチのメンバー2名がUnreal Engine 4に取り込みフィールドを作成すると言う流れです、なんとなくイメージはそんな感じでしたが、いざ制作をスタートするとわからない事だらけで苦戦の連続、まずなにより大学にあるPCでは非力でUnreal Engine 4のパフォーマンスを引き出せないので、専用PCをそろえる所からスタートです(過去記事参照)毎年そうですが明治村のコンテンツ制作は制作環境が凄い事になりますね、今回も何台モニターあるんだ?という状況ですが、随時制作しているのは2名でPCをフル稼働し、膨大な作業量をこなしていました。
結果的に連続連夜泊まり込んでの制作を続けてきましたが、およそやろうとしていた事がかなりハードルの高い事だという事もいろいろとわかりました、人のセンシングにKinectセンサーを利用しましたが、ゲーム制作と同じ要領なので大丈夫と思っていたのが大間違いですね、ゲーム制作にはそれ専用のノウハウがあって、リアルな3DCGをいかに少ない容量で動かすかの工夫などがあって、全くその辺りの知識が無かったため、やってみたら処理が重くて動かない等々が多発、とりあえず新しい事は大変ですね・・・プロジェクションマッピングと違って作品の見た目は地味ですが、制作はかなり苦労しました。
この後の研究を遂行するためにいろいろ必要になり、少し無理して機材を買いました。最近なにかとVRやARと言われるようになりましたが、そういったたぐいのものは、そのほとんどがコンピュータによるCGで再現されています、そしてそのCGを描きだすためには実はそれなりのPCが必要だというのは皆さんご存知でしょうか?
例えばPS4のようなゲーム機が実現しているリアリティあふれる3DCGは高性能なゲーム機で実現しています、同じくそれらを開発する、あるいはPS4などで動いているゲームをPCで動作させるとなると、実はPCもかなり高スペックが要求されます。
コースではVRゴーグルの代表格であるoculus riftなども研究用に導入しました、これらのビジュアルを実現するにも高いスペックが必要とされます。今年、夏の明治村で恒例となっていたプロジェクションマッピングをやめましたが、その置き換えとしてリアルタイムレンダリング技術を使ったコンテンツ導入に向け開発してきました。ある程度リアリティのある3DCGでリアルタイムレンダリングとなるとかなり高いスペックが必要で、最新のグラフィックボードを搭載したPCをコースで2台導入しました!
今後の開発に必要とされる機器をいろいろ検討し徐々にですがVRやAR、それにリアルタイムレンダリングに関する開発環境を整えています!またこれらの機材を使った実験的なコンテンツやVRゴーグルの体験などはオープンキャンパスで用意していますので、気になる方はお越し下さい。
6月23日(木)Prologue -prototype exhibitionにて3DCGゼミの発表が行なわれました。Prologue -prototype exhibitionでは各ゼミによる今後の研究内容について、ここ2ヶ月ほど進めてきた制作過程とともにプロトタイプを展示して発表する事になっています、おおよそこの時点で各自が何をテーマに何を研究・制作するかは決まっているのですが、その進行状況や問題点などをこのタイミングではかり、場合によっては再考なってこともあります。
この日は3DCGゼミ担当の岩田先生も参加しての発表となりました、3DCGゼミはおもに3DCG技術を使ったコンテンツの制作や表現方法などを研究題材にする事が多く、わかりやすいのは3DCGを用いた映像制作ですね。ただ3DCGと言ってもいろいろな作業行程があります、モデリングもあればアニメーションもあるし、マテリアルやレンダリングなど表現するコンテンツに合わせてどの技術がどのように必要かは大きく変わってきますのでそれぞれの研究テーマは様々です。
またゲームなどのインタラクティブコンテンツにも3DCGが多様されているようにリアルタイムに動作するものや、最近ではVRやMR,ARといった新たな表現技術やデバイスにも3DCGは欠かせない要素です、おそらく今後かなりの需要を占めてくる3DCG技術ですが、とにもかくにも基本から先端的な応用まで幅広い利用価値があるだけに、やる事や知っておく事、考える事は多岐にわたります、ゼミ生が在籍する2年間では到底足りないほどのボリュームがあるのも3DCGの世界ですが、その限られた時間のなかで自分にとっての3DCGは”ここ”という所を見つけて欲しいなと思います。
6月22日(水)搬入2日目、今日も熊本は雨です。前日のセンサー値がふらつく問題は原因がわからず朝を迎えましたが、会場到着すぐに起動するとなぜかセンサーが安定していました・・・ 昨日と何が違うのか??手順は?・・違うと言えばまだプロジェクターを起動していない事・・・
原因はプロジェクターとの接続でした(朝にわかったのは不幸中の幸い・・)今回自前のプロジェクターを持込んだのですが映像ケーブルを接続するとセンサー値が乱れるという怪現象が起こっていました、今までの展示でも同種のものを使ってましたが気になった事が無く、個体によるものか機種によるものかはっきりした事は結局わからないままですがとにかく今回持込んだ個体が原因という事で、会場の他の作品で使うプロジェクターと入れ替えてもらう事でなんとか解決しました。交換したのは他のメーカー製品で、そちらでは問題なく動作します(今まで気にしませんでしたが映像ケーブルを接続するとセンサー値への若干の影響はやはりあるようです)電気関係は難しいですね・・・
ということで会場設営の方の協力を得てプロジェクターを交換してもらってとりあえず動作は安定しました、あとは起動終了が手順とおり行くかどうかと長時間動作で安定するかを確認して終わりです。
魔法の美術館では搬入時にプロジェクター等の設営を専門にやってくれるプロの方がおられます、我々は今まで全て自分達でやってきたので、こういう方の存在はとてもありがたく感じます、プロジェクターの設置や天吊り、ケーブルの取り回しなど大変な作業をやっていただけるので工数も大幅に減ります、今回のプロジェクター問題もいろいろと対策して頂けてとても助かりました。作品は作家だけで完成しているのではなく、多くの方に支えられて展示が実現しているという事に感謝しなければいけませんね。
スイッチメンバーの本業は大学なので今回は2日間のみの滞在でした、飛行機の時間もあって18時に会場を後にしました。遠方という事もあってメンバーの僕達が内覧会や展示に直接参加できないのがちょっと寂しいですが、3ヶ月という長い展示期間ですので、お近くの方は是非ボール投げに熊本現代美術館へ行ってみてください!
6月21日(火)「魔法の美術館」へスイッチの作品「なげる、あてる、ひろがる」搬入のため熊本現代美術館へ行ってきました。
前日の夜、熊本市内は豪雨で警報が出ており渡航が少し心配でしたが、セントレアからの直行便は無事離陸、現地は昨晩から引き続き雨で天気が悪い状態でしたが飛行機は問題なく阿蘇熊本空港に着陸しました。
シャトルバスにて熊本市内へ移動、道中車窓からみえる家の屋根にはまだブルーシートがかけられていたりと先の震災の爪痕がまだまだ残る状況でしたが市内は普段の生活が戻ってきている感じでした。今回の「魔法の美術館」はそんな震災のあとですが、この展覧会で少しでも皆さんの希望や安らぎになればと思います。
11時ころに熊本現代美術館に到着、早速会場に搬入されている作品の組み立て開始です。前回の静岡での展示から新しいバージョンへ変えたので部品はそれぞれだいぶとスリムになりましたが、組み上げるとやはりそれなりの大きさになります。また前のバージョンよりも薄くなったぶん組み立て工数が増えていて、作業量も実質増えています。遠方での搬入という事で今回メンバー2名での設営となっていて、もろもろの条件から考えても普段よりも効率的な作業が要求されました。
あ、そうそう、全然関係ないですが、熊本現代美術館のすぐ近くにカフェ スイッチ/Cafe SWITCHというお店があって、これは是非いかなあかんやろ!ってことでランチに行ってきました(笑)本格的なオシャレカフェで美味しかったです。
とりあえずこの日は筐体の設営と動作チェックまで済ませました、トラブルも無く!と言いたい所ですが、実は何故かセンサーの値が周期的にふらつき何もしていないのに勝手に動作するという現象が発生・・・今までこのような事が無かったので全く原因がつかめず時間切れ、翌日に解決すると信じるしかないですね、まぁメディアアート系の搬入では全くいままで無かったエラーとか突然発生したりとか、あるあるな感じです・・・
1日目 たかひこん@デジタルメディアデザインコース
5月4日(水)刈谷市総合文化センターで「かりやkidsフェスティバル2016 かりやキネコ映画祭」が始まりました。デジタルメディアデザインコースのプロジェクトチーム「スイッチ」は併設するギャラリーで期間の2日間、4作品の展示を行いました。
今回持込んだ作品は従来の「まわる、うつる、ひろがる」「ころがる、ころがる、ひろがる」の2作品と、今回初発表の新作2作品の計4作品、新作2作品はまだ作品名称がありませんが、仮名で「音の輪」と「ドローイング」と読んでいます、いずれ正式名称を考える予定です。
音の輪は、投影されているフィールドで輪を作るとCGが描かれるという単純な仕組みです。腕で輪を作ったり、2〜3人で手をつないで輪を作ると波紋のような絵が出ます。親子連れが多いイベントなので、親子で手をつないで遊んでいる姿を多くみました、スタッフ達も混じって大きな輪を作ったり小さな輪をつくったりして変化を楽しんでもらいました。まだまだ習作段階で、とりあえず今回は動作させるところまででしたが、意外と好評でした、特に「手をつないで」というところが評価良くて、CGの緻密さとかシステムの複雑さとは別に、能動的に参加する行為そのものを皆さん楽しんでる印象を受けました。システムはスイッチの過去の作品Motionとほぼ同じものなのですが、少し変化を加える事で新たなコンテンツが産まれるものですね。会期中に改良も加え、最終的に輪の大きさで色が変化するインタラクションを追加、今後はCG部分の変化の度合いや音の変化など細かいチューニングを加え、習作から作品として昇華させたいと思います。
ドローイングは、当初ハンドトラッキング(手のひらの動きをとる)で制作しようとした作品ですが、いろいろ紆余曲折あって光るデバイスの軌跡を追うものへと変更しました、3色の光るデバイスを操作する事で投影されている画面に線を描く事ができます。今回のコンテンツは降ってくる星を線で受け止めると音が出るという単純なもので、こちらも習作としての出展です。光るデバイスは単にカラーLEDが光っているだけのものでしたが、今後はこれに無線装置やジャイロセンサーなどを組み込んで複雑なコンテンツに成長させたいと考えています、いずれの作品もまだまだ習作ですが、動作している状態をたくさんのお客さんに体験していただき、課題もみえて来たのでとてもいい機会となりました。
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