



















東京へ〜 たかひこん@デジタルメディアデザインコース
2012年にデジタルメディアデザインコースを卒業し東京藝術大学先端芸術表現科の修士課程へ進んだ平野さんが、2年間の修了期間をへて修了作品を「東京藝術大学卒業・修了作品展」に出展しているという事で、展覧会場のある上野へ行ってきました。
デジタルメディアデザインコース在籍中、ゼミでの制作活動を通じてデザインからアート表現へ転身、現代美術を学びながら自身の制作活動を続け、当時の学部卒業制作でも表現の実現に向けた作品制作を行い発表しました。そしてさらに表現活動の高みを目指すため名古屋造形大学を卒業後、東京藝術大学先端芸術表現科の修士過程へ進み、2年間の集大成として今回の卒業制作展にて新作を発表しました。
今回の彼女の作品は2年間の制作活動を通じて作られた2つから構成されていました。一つはLEDをまとったスカルヘッド、粗いLEDのドットには私たちの姿が映し出され、機械化されたメモリーに保存され永遠に生き続けると彼女は言います、身体から切り離された記憶や記録はデータとしてメモリーされ身体を失った人格がデジタルデータという形に置き換え生き続けるのかもしれません、配線むき出しの機械化されたようなオブジェにも関わらず人骨を模した人間臭い形状との比較や比喩が彼女なりの表現だったのかなと思いました。
そしてもう一つは彼女が飼っている犬。最愛なるペットはいずれ命を全うしこの世を去る時が来るけれど、その時のための心の準備をしているかのように最愛のペットを模したもう一つのペットを作ってしまった彼女は、自らの愛おしいさの副産物としてもう一つの”最愛”を作ってしまったのかもしれません・・・骨格を作り、皮をかぶせ、毛をまとい、コンプレッサーから送られる空気は電磁便によって制御され、その”犬”は布の上に横たわって生かされている。本物と見間違う人たちが、偽物だと気がつくのに少しの時間がかかり、そして静かに息をするその”犬”の姿に一体なにを見るのでしょうか? 凄く私的で傲慢なその作品は、ともすれば命を我々がどう扱うべきかをそれぞれの視点から再考する切っ掛けを与えてくれる、至極私的な愛しさが形として横たわっているけれど、誰しもに何かを訴えている感じのする静かな力のある作品だと感じました。
東京藝術大学卒業・修了作品展は31日まで開催、若い芸術家達の息吹を感じてみてください。
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