出来ない事が出来るようになる、その瞬間のために失敗も必要だし遠回りも必要。
デジタルメディアデザインコース@たかひこんです。
文字をレイアウトする事、それはデザインの仕事においては必須とも言える作業の一つです、紙面においてはもちろんですがWEBなどインターネットやPCの画面、携帯の画面に至っても必ず付いてまわる文字のレイアウトとデザイン、逆にいうとこれを無くしてデザインを学ぶというのも不可能に近い事なのかもしれません。
みなさんは日々の生活の中で文字についてどれほど注意深く観察する事があるでしょうか?普通はそんなに気にしないですよね、なんとなく自然と読んでしまっている文字も、デザインを志す者にとっては、とても注意深く観察しなければならない項目なんです、なぜなら実は文字をレイアウトしデザインして行く事はとてもスキルのいる仕事だからなのです。
先の記事で坂野先生の1年生のグラフィックデザインの基礎授業で文字について行っていると書きましたが、その成果が上がってきました、それが以下の写真です。
なんだかお分かりですか?・・・実はこれ、みなさんも良く目にしている本の「帯」です、本屋さんに並んでる本の下にだいたい巻き付いてる一枚の紙で、その本についての紹介などがキャッチなコピーとともにデザインされている事が多いあれです。
この課題では、どんな本かは各自が設定を決め、その設定に乗っ取ったキャッチコピーや必要な情報を取捨選択し「帯」という限られたスペースと、その役割を十分にふまえた上で文字を組み立てるというものです、また文字のみで1色刷りという制限が設けられていました。
ここで重要なのは設けられた制限です、つまりデザインとは自由に好きな絵を書いたりする事を求められる事よりも、むしろある制限内で必要な情報を的確に伝えられるかどうか、という事が求められがちなのです、逆に言えば制限内で最大限の情報提供が出来れば、それはデザインとして適う訳ですね。
本の設定は各自が決めているので、あとはその本がどんな内容なのか?とか、興味を引く為に何が必要なのか?などを考えながら文字を組み立てていきます、実はここで情報のヒエラルキーというものが存在していて、何もかもが主張するのでは無く、情報を差別化し、読者に何を伝えるべきか?という事を考えます、次に紙面への配置ですが、これも実はかなり経験が必要で、気にしなければ行けない項目はたくさんあります、紙面面積に対しての文字量だとか、文字と白紙のバランス、マージン、さらに文字の詰めやフォントの選択、細かいところまで言うときりが無いですが、たかが「帯」されど「帯」と言ったところで、デザイナーはそんな細かな部分に気を使いながらレイアウトを行っているのですね、本屋さんに行ったら、ちょっとそんなつもりで見てもらえると面白いかもしれません。
まだ1年生という事なのですが、最初の課題と比べると、1週間あまりで文字のレイアウトやデザインは格段にレベルが上がっていました。「出来ない事が出来るようになる」その瞬間のためにも色々な事を授業でやりながら時には失敗も必要だし遠回りも必要で、その集大成として結果が出れば最高だと思います。
今回の課題、細かい点を言えばまだまだ色々ありますが、兎に角手前味噌ではありますが、良いレベルに仕上がったと思います、全員の作品を載せれないので、幾つかピックアップしておきます。