ヤマザキマザック訪問

5月30日(金)

皆さんは、最近何かに感動しましたか?
最後に「オオッ」と声を上げたのはいつでしょうか?

私はこの月曜日(26日)に、ヤマザキマザックさんという美濃加茂にある工作機械メーカーにお邪魔した際に「ハァ〜ッ」「へェ〜」「ウヒョ〜」と1年分の感嘆詞を連発することになりました。
人工衛星の「はやぶさ」の部品にもその技術が発揮され、車、列車、飛行機等の精度を求められる部位には欠かせない部品を無垢材から削り出して造ってしまいます。

m2同社は精密な削り出し加工とレーザー加工を施す工作機械を造るメーカーで、カスタマーは一般の生活者では無く、製造業の現場です。 製品は重機の範疇ですが、その削り出しの技術は非常に繊細で精緻なものです。 日本のモノ造りの真骨頂とも言うべき技術の高さを見ることが出来ます。

 

 

 

元々は工作機械のインターフェースについての考察に端を発した見学で(確かに特殊な装置であるが故に独特のオペレーションが必要となることは想像出来ますが)まだまだ…直感的で誤操作が無くなる域に達するには、挑戦しがいのあるインターフェースでした。

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しかしながら、その筐体は洗練され近代的な工場を想像させるに足る外観で、複雑なロボットアームの動きやビットの交換、スムースで流れる様な作業工程は、意思があるかの如き力強さがあり感動的です。

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工作機械の要…ドリルや台座がスライドするレールである「ボールねじ」と呼ばれる、シャフトに螺旋ねじを切った部品の制作工程では、ラインの最後にシャフトの直線精度を出す為に、必要な部位を見極め専用の機械で打撃する職人的な作業員がいたのには再び全員が驚嘆。 「これぞモノ造り!」と唸ってしまうシーンでした。 是非、学生の皆さんにも見て頂きたい現場だと感じた次第です。 また企画しますのでお楽しみに!

PD:金澤

〜新緑 1年次生の歩み〜

造形大学の緑もすっかり濃くなり、

最近はそよ風が気持ち良い、とても過ごしやすい気候ですね。

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本日は小林啓伯先生と新一年生が普段どんな授業をしているかをご紹介します。第1タームも終了しようというところ、すでに和気あいあいでにぎやかな1年次生。

 

最初の授業は製図の授業です。

現物(椅子)を三面図へのおこしていきます。

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次の授業は木材の性質について、こちらもグループで予測しながら学んでいきます。木材とはどのような特徴があり、木の向きや種類によって得意不得意を考えます。

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そして現在は木工室で縮小サイズのレッド&ブルーチェアを制作中です。

慣れない手つきで、あれやこれやと楽しく取り組む姿に私もウズウズしながら見学しています。

一所懸命ヤスリをかけた後のスベスベ感に「美肌(ハート)」と眞鍋君。

毎回、制作手順や道具の使用方法についてグループごとにまとめ、理解を深めていきます。

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チェアも次回完成予定で、完成後はベクターワークスの授業に入ります。

日々、コツコツ前進している1年次生はとてもかっこ良く、今後も期待です。

 

研究室 宮地

STUDY展のこと…

立体空間系の春の一代イベントである「STUDY展」が18日に最終日を迎えました。
このブログを御覧になるのはコースの学生だけではありませんが、今日は学生の皆さんに向けて書きます。

プロダクトデザインコースの皆さんへ
STUDY展の無事閉幕、ご苦労様でした。

この4月から赴任した私にとって、これだけの数の作品を一同に集めた展覧会は初めての大きなイベントとなりました。
プロダクトデザインの守備範囲の広さと皆さんの着眼点の豊富さ、表現のバリエーションを改めて感じることができ、連日一生懸命に作業する皆さんの姿をワクワクする気持ちで拝見致しました。
目の前で物が出来上がっていく楽しさや喜びを感じながら、私自身が学生だった頃のことを思い出し…苦労された皆さんには申し訳ありませんが、実に楽しい毎日でした。

搬入前には、夜遅くまで…或いは連休、土日を返上して作品の制作に打ち込む皆さんの姿は素晴らしいものでした。
もちろん計画通りに進めることが何よりですが、思惑通りに進捗しない時にどれだけ諦めずに頑張れたか…そこに尊い価値があります。 上手く行かなかった時にこそ、その後どうフォローしたかで真価も問われます。 「投げ出してしまわずに、あの時頑張れた」と思う気持ちが、皆さんの財産です。
次回は更なる高みを目指しましょう!

またイベントの運営自体にも皆さんの頑張りを見ました。
各役割にアサインされた皆さんは、自身の制作以外に献身的に公の為に時間を費やし展覧会を成功させました。

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搬入時の会場設営では、梱包材や工具などで雑然・混沌としていた会場が、次第に霞が晴れていく様に美しい空間に生まれ変わる様子は感動的でした。

自らがどう動くかを考え、自分が果たせる役割を見つけ出した方も沢山いた様です。
搬出係を担当してくれた学生は、真っ暗な中、学校に戻した重い荷物をトラックから降ろしイベントを締めくくって下さいました。

最終日には、2年生・3年生の皆さんによる作品のプレゼンテーションを実施!

1年生も参加したイベントでかえって緊張したかも知れませんが、自身の作品を自信を持って説明するには、作品への強い思い入れ(「思い込み」ではありません)と、作品にどれだけ深く踏み込めたかが重要ですね。

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上級生の皆さんは、後輩に伝えていく重要な役割も担ってくれました。

私は常々…デザイナーにとって大切な資質の1つは「サービス精神」だと考えています。「喜んでくれると嬉しい…」という素朴でシンプルな気持ちが、創造活動の原点だと信じています。

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皆さんが力を合わせたチームワークで実現したSTUDY展は、展示会以上の価値と経験を得るとても素敵なイベントだったと思います。
1年生の皆さんは、来年のデビューに備え、是非とも先輩を超えるつもりで臨んで頂きたいと思います。

金澤

第20回<STUDY展>

※展示会のご案内です※

 

今年で20回目となりました。

名古屋造形大学 空間立体系合同展示会

STUDY展

 

場所:名古屋市民ギャラリー矢田3階  第2〜7展示室

期間:5月13日(月)〜18日(日)

時間:10:00〜18:00(最終日は17:00まで)

 

STUDY展とは、建築・インテリアデザインコース、プロダクトデザインコース、ジュエリーデザインコースの学生たちが、昨年度の授業で制作した作品や学んだ技術を生かし制作した作品を展示しています。

 

プドダクトデザインコースの展示は第3、第6展示室です。

第3展示室では、2〜4年次生がこれまで学んできたテーマや技法などを盛り込んだ作品が、第6展示室では以前ブログでご紹介しました減災コンペ受賞者の展示を行っています。

 

それぞれ特色が異なる3コースの学生作品が一挙にみられますので、是非みなさまに足をお運び頂ければ光栄です。お待ちしております。

 

研究室 宮地

またまた卒業生の快挙です!!

この度、2014年度卒業のプロダクトデザインコース森田裕之さんの卒業制作がイタリア主催の国際コンペティション「A’ DESIGN AWARD & COMPETITION」にてArts, Crafts and Ready-Made Design Category Silver prizeを獲得しました。

このコンペティションは世界最大の規模を誇り、カテゴリーは105項目、世界150カ国からの応募があります。今年の応募総数は約12000件。審査員は50人のデザイナー、ディレクター、ジャーナリスト、専門家がおり、全員の評価と投票で賞が決定しています。従って、評価の低いカテゴリーは受賞者がいなかったりもします。

 

順位は上からプラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズ、入賞とあり、今回はその中のシルバーを受賞したそうです。

 

8月にはイタリア・モコで行われる授賞式&受賞者展示会が控えており、今はその準備中だそうです。

 

こちらが受賞作品のリンクです。

http://www.adesignaward.com/design.php?ID=31494

 

受賞者インタビュー

http://www.design-interviews.com/design.php?ID=31494

 

コンペティションの詳細はこちらでご確認下さい。

http://www.dezainawaado.com/

 

 

卒業生の活躍がどんどんと聞こえてきてとても頼もしいです。

私も頑張らねばーぎぶあっぷ!!

研究室 宮地

エッグドロップの季節がやって来た

毎年この時期になると、1年生の悲喜交々の大歓声がアトリエの外から聞こえてきます。

先輩達は皆思うでしょう。そっかぁ、もうエッグドロップの季節か・・・

エッグドロップとは、卵を5m上から落として割れない装置をA2ケント紙1枚で作るという課題なんですが、その実験現場がアトリエの外にある階段なので先輩達にはきっとうるさいはずw

NZUのプロダクトコースでは、1年生の最初の授業の課題でこれをやっています。
最初は個人戦で翌週は団体戦。
個人戦での勝者も敗者も、実験後は気づいた点や学んだ点を真剣にまとめて、次の勝負に備えます。

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グループ間で各々自分の失敗から学んだポイントを共有して、グループ全員が割れない装置にしなければなりません。

今年は団体戦のルールを変えました。

例年1人1個の卵でメンバー分の数でしたが、今年は卵5個分の装置をA2ケント紙3枚で1つだけ作るというルール。1つでも割れたらアウト。しかも、落とすのは自分たちではなく、敵のチームが割れるだろうと思う角度で落とすという意地悪なルール。

「意地悪じゃないよ。デザイナーが求める使い方をしてくれないユーザーだっているんだからね?」

作るにあたっては、卵1個とは勝手が違います。装置の中で5つの卵同士が触れたり動いて当たったり、そんな事まで考えなければなりません。

そして一週間後。

出来上がってきたものは、とても綺麗なデザインになっていました。
5個も入るとなると、ちゃんとした考えと構造が求められるし、レイアウトもロジカルに考えることになるから、理にかなった構造やデザインにならざるを得ないという事を彼らは体得したことでしょう。

さて実験。

グループワークですから、騒ぎは先週の比ではありません。
残念ながら、皆1回目で卵は割れてしまいました。
でも、残念がる間もなく「どうして割れたんだ?」と落ちた装置に駆け寄り、無残な装置を見て考えている姿勢は頼もしい。

 

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わーわーキャーキャーと楽しみながら学ぶのは悪い事ではありません。
でも、そんな彼らを一瞬にして黙らせるのはとても簡単。

「ねぇ、もし渡した卵が将来のある有精卵だったらどうする?」

瞬く間に、彼らはデザイナーとしての責任を自覚し、目つきが変わるんです。
この瞬間が本当に面白い。

 

下尾

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美大生のための知的財産講座 4/28(月)

今回は、日本弁理士会知的財産支援センターから関昌充先生をお招きして知財に関するレクチャーをして頂きました。 本校で開講されている「ものづくりの法律」の授業の一環で企画された講演でしたが、「ものづくり」は創作活動を志す学生全員に関係する大切な視点…と言う訳で、学内に展開され300人以上に登る参加者を集めるイベントとなりました。 折しも理化学研究所の論文問題やゴーストライターによる作曲著作の問題が話題になるなど、私たちの関心が高くなっていたことからも旬なテーマとして参加された方も多かったのではないでしょうか?

「皆さんは著作権を持っていますか?」という質問から始まった今回の講座は、日頃あまり馴染みの無い「法律」と私達の創作活動を関連付けて考える…そんなきっかけになりました。
私達は毎日、芸術やデザインの分野で「新しいもの創り」を追求しています。しかし作品を創作する中で、過去の何かに似てしまうことは意図的では無くともあり得ること。 今回の講座では、思想や感情が創作的に表現されている私たちの作品は著作権法で守られており、同時に過去に創出された作品も同じ法律によって守られているという、創作者にとって大切な視点を学びました。他人の権利を侵害しない一方で私たちが苦労して作り上げた作品を自らの意識でしっかり守っていく知識も、プロの表現者を目指す人にとって大切な時代です。

本校で開講されている「ものづくりの法律」の授業では、今回のテーマであった著作権に加え、プロダクトなら意匠権、グラフィックなら商標権などに関する事例も合わせ、プロの造形作家やデザイナーにとって必要な法律の知識を「ものづくり」と一緒に学んでいます。

講座の冒頭の質問にも「私達はみんな著作権を持っている」…受講後には自信を持ってそう回答できる様になりました。

おまけ…クイズも交えながら著作権を学ぶことが出来るこんなサイトも見つけました。 子供向けの設定ですが、クイズは初心者には、そこそこ難しいです…さあ、何問正解できるかな?!

http://www.kidscric.com/index.html

(すみません…講座に夢中で写真を撮るのを忘れてしまいました…)

金澤