授業風景(木工基礎/椅子)

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こんにちは。

今回は2年次生の授業風景をご紹介します。

担当講師:小林啓伯先生

 

2年次生全員で「J39 シェーカーチェア」というを名作椅子を自分たちなりに理解し1脚制作してみました。

 

まず、部材表を元にそれぞれがパーツを作っていきます。

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各自が切ったり削ったものがそろった時、1つのものができあがります。

 

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脚の<貫>を木工旋盤で削ります。

1本1本手作りなので、同じ太さにするのが至難の技です。

 

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同じ丸棒でも4本の脚は角材を鉋で削って、面を残す事で手触りを変えています。

 

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作業はまだまだ続きます。

今度は背板を曲げ木を型に固定して作ります。

 

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パーツがすべてそろったら組みあげます。

カタチがみえると俄然テンションがあがりますね!

もうすぐもうすぐ。

 

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そして、最後に座面を編み完成です。

 

制作工程をかなり“さくっ”と書いてしまいましたが、完成までには週1回の授業で5回分ほどかかっています。

もちろん授業外もずっと作業を続けたからこそスケジュール通りに完成できたと思います。それぞれが役割を果たしできた1脚はとても座り心地も良くかっこいいものになりました。この椅子は今年の5月に矢田ギャラリーにて開催する「STUDY展」にも展示します。会場でこの椅子を見かけたら座り心地はもちろん、脚や貫にまで注目してみてくだい。

 

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研究室 宮地

3Dプリンター奮闘記

今日も水野君の作品を紹介しましょう。

彼が取り組んでいるのは、戦車のスケールモデル。 その中でも細かい部品が組み合わされる履帯と呼ばれる車輪部分を3Dプリンターで再現しようとしています。 前回は履帯を構成するパーツの再現にちょっとしたコツが必要だったことをレポートしましたが、中には原因が分からず対処方法が判らない事態にも出くわします。

履帯の構成パーツは何十という数の同じ部品を出力する必要がありますので、形状の再現がある程度担保できた時点で、一度に沢山出力できる様にしたいですよね。 複数取りできる様に、プラモデルの要領でパーツをライナーで繋ぎ、ひとつの塊の様にデータを作り出力し、後からライナー部分を切り離せば、一度に量産ができるというわけで、早速トライ!
ところが…ひとつずつ出力していた時には一定の密度でソリッドなモデルができていたのですが、10ヶ取りの量産型では樹脂の密度が粗くなり隙間ができてしまいました。

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左は1つずつ出力  右は10ヶ取りの量産型

スライスする時のモードも出力する時のモードも同じなのですが、原因が特定出来ず…かといって1ヶずつ再出力と部品取り出しを繰り返すのも非効率なので、強度的に問題無いことを確認して思い切って量産体制に移行しました。
未だに原因が分かりませんが、ひとまずは下の様に組み上げることができました。

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まだ数は足りていませんが繋ぐとこんな感じ!

PD 金澤

後期終了の雪

こんにちは。

 

本日、名古屋造形大学は雪が積もっています。

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昨日(19日)で後期の通常授業は終了し、来週は定期試験があります。

そんな小休憩気分な本日、大学が白い世界に変わりました。

 

さて、昨年お伝えした3年次生課題のソープディッシュが焼き上がりました☆

こちらもキレイな白色がでました。

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この作品は5月に矢田ギャラリーで開催する「STUDY展」に展示します。

ソープディッシュは本来の課題である「水回りのデザイン」の一部です。

会場では「だからこのカタチなのか!」など、発見してみてください。

 

本年度もあと少しですが、2月の卒業展示会などまだまだイベントをご紹介していきますので楽しみにしていてください。

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 題「大学へ続く足跡」

 

研究室 宮地

3Dプリンター奮闘記

santec 株式会社様との産学連携…3Dプリンターの用途開発!

前回はデジタルメディアデザインコースの水野君の作品を紹介しましたが、この作品は小さな凹凸や細い合わせ部品を含む数多くの種類のパーツで構成されています。
例えば、履帯(キャタピラ)を構成する1つのピースは画像(図1)の様なディテールを持つ形で、シャフトを介してお互い隣のパーツと繋がります。(図2)

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図1

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図2

本当は、ピンクの部分と肌色のパーツも分かれていて、可動するジョイントとなるのですが、ピースが細かくなり過ぎますので、ここは一体に。
苦労したのは、部品中央にそびえ立つ細長い突起部。 この突起はホイールのリム幅中央に設けられた溝にはまり、履帯がホイールから外れない様にする重要な部分。
4つ並んだ試作品の一番右側が初期品です。(図3)

図3

図3

中央の突起部が潰れてしまっていることが判ります。(赤丸)

3Dプリンターは等高線を…年輪を描く様に熱した細いフィラメント(熱可塑性樹脂)を出力し積み上げていきます。

出力の様子を観察していると、部品が小さいため、出力したフィラメントが冷えて固まる前にどんどん次の高さを出力してしまうことから、しっかり積み上がっていかないことが判明。出力速度の調整してみても改善が見られませんでした。

後期の試作(図3左2つ)では、最後には切ってしまうダミーの柱(青丸)を2本設け出力。 するとダミーの柱を出力する間にメインの柱が冷え、しっかり上の層が積み上がって行くことが分かりました。
当初はジョイントの為のシャフトも一体成形してしまおう(黄丸)と試みたのですが、剛性と精度が必要となることから断念。 そのお陰で、後で切断しやすい部分にダミー柱を立てるエリアを確保できました。

小さなパーツですが、ひとつの形状を再現する為に、色々なアイデアと試行錯誤が詰まった水野君の力作です。

つづく

PD 金澤