卒業生の皆さん、おめでとう御座います。

あ〜随分、サボってしまった (+_+)
前回のブログから、1ヶ月以上放置状態でした…済みません  m(_  _)m
3月14日の卒業式では、9名の学生が無事に社会に羽ばたきました。
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4年生は並行して就活もあり卒制としての出足は少し鈍く、後半もかなり追い込まれた日程での進捗となりましたが、10月以降の学生の頑張りは素晴らしく、どれもが見応えのある作品に仕上がったと思います。
卒業生の皆さんに届くかどうか心配ですが、新しいスタートを切る皆さんへの「はなむけ」として、作品を紹介がてらコメントを残しておきます。
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小池君
中間審査から紆余曲折はありましたが、最後まで諦めずに自分がトライしたいテーマに取り組みました。 会場では、天板を回した時の面白さを伝えることが難しかった様ですが、モアレだけでは無く、外周にLEDを仕込んだ天板そのものの存在感が美しかった。 テーブルを舞台に見立てて想像すると、上に置かれるモノの存在感がまた違って見えたことと思います。 モノを置いた時の楽しさまで演出できると更に面白かった。 座卓の高さでは無く、立食時に一時的にモノが乗る様な高さ設定でも面白いシーンがイメージ出来たと思います。
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小嶋さん
実際の作成工程に入ると陶芸の工房に籠もりっ放しとなり、なかなか適切なタイミングでコメントすることが出来ず申し訳ありませんでした。 新しい「さしすせそ」は覚えるのが大変でしたが、会場であなたに代わり来場者に説明する際、形状デザインと中身の関係に触れると、多くの人から大変共感を得ることができ、特に女性来場者からは「カワイイ」「面白ーい!」と大人気でした。 プロダクトはとかく大量生産をベースにしたIDチックなモノが主流の様にも思えますが、敢えて温かみのあるクラフト的な存在感が会場の雰囲気さえ優しいものに変えました。
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小寺君
車好きの貴兄らしい作品になりました。 モバイルについては、どうしても少し厳しい目で見てしまいますが、制作途上でも触れたパッケージングについては、日程に追われたとは言え、もっとしっかり検証をさせてあげれば良かったと反省しています。 しかしながら、コンセプトモデル、イメージモデルとしては、貴兄が必死に取り組んだ世界感がカラリングも含めトータルに表現され、モデルの存在感としては…私の中では可愛くて仕方が無い作品になりました。 また「ナニコレ」の動画編集での素晴らしい活躍に感謝しています。
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高林君
モビリティーのデザインには、表側と裏側という概念がありません。水平360度全方位からの「美」を求められるプロダクトです。車であれば内側からの「美」さえ求められます。 モーターサイクルに内側はありませんが、乗員とのインターフェースが剥き出しになる、とても難しい造形に果敢に挑戦しました。 スケール感の表現や全体のバランスに苦労しましたが、非常にユニークな存在感のある立体へのヒントが多く含まれています。機能だけでは無く…スタイリングにヒューズを切る様な「カッコイイ」という情緒的な価値が問われるモビリティーデザインの側面を感じることが出来たなら、この作品は成功だったと思います。
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中川君
最後まで心配だった作品でした。 後半は、モデルメーカーでの作業となり、搬入間際まで全貌が見えませんでしたが、シンプルな造形と清潔感のあるカラースキームは貴兄の性格を映し出すかの様に優しいプロダクトイメージとなりました。 シンプルな中で穴から覗く「波紋の美しさ」がひとつの見せ場ですから、水をイメージしたモデルでは無く、モデルあのままの透明樹脂をパーツとした照明としてのスタイリングでまとめても美しいと感じました。給水時期を知らせるインターフェース機能がひとつのテーマでしたが、実際に水だといつも綺麗に波紋が出る訳でもありませんし、こぼれる危険もありますので、照明の光量などで情報を伝えるのも良いかも知れません。
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長谷川君
JIDAの最優秀賞、おめでとう!
私の中では…最もIDチックで、作者と等身大の視点からライフスタイルを捉えようとしていた作品です。 デザイナーは色々な視点で「未来」を見ていますが、スケール感が身の丈に合っていて「すぐそこにある未来」をリアルにイメージ出来た点が面白かった。 とかく形や仕掛けのインパクトに走りがちな中、逆に「従来の機能・装置が存在感を消す」という視点には、プロダクトの捉え方としての新しさを感じました。 途中まで進めていたワゴン型多機能家具から大化けした作品となりました。
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林君
桃美会賞、JIDA優秀賞、おめでとう!
着眼点、解決方法、スタイリングと、それぞれに来場者の共感を得た様です。 公共物として、現状の問題点を捉えてきましたが、出来上がりを見て感じたのは、パーソナルな使用シーンでも大変魅力的だと言う点です。実際に店舗などで何十本もの収容能力を求められる場面よりも、本数に制約があっても大丈夫な家庭での使用にこそ、この美しさと非使用時のコンパクトさが生きる気がします。 また、店舗であれば…傘屋さんのディスプレーとして、このプロダクトが使われるのも非常にお洒落で美しいと感じます。
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三浦君
最近の言葉で言うと、C.M.F.(カラー、マテリアル、フィニッシュ)での新しさにトライした作品と感じました。 黒い和紙畳、オイルフィニッシュのベンガラ、ゴールドの蝶番…和風でありながら、モダンで落ち着きのある不思議なビジュアルに仕上がりました。 折り畳みの機構については、週を追う毎に工夫が進み、どんどん薄くなっていく様子に、貴兄のこだわりと執念を感じ、その取り組み自体が感動的でした。 卒展会場では、来場者に最も頻繁に作品の説明をしていたのも印象に残っています。 最後のJIDAへの説明では、すっかり言葉が自分のものになっていた様で、素晴らしいプレゼンテーションでした。
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金君
言葉の壁を乗り越え、最後まで諦めずにやり抜きました。 モデルは間際まで全貌が見えませんでしたが、驚いたのはプレゼンに用意した動画でした。 ライノ、フラミンゴ、プレミアといったモデリング、レンダリング、動画編集ソフトを使いこなし自ら作成したPVは一定のクオリティーを維持しており、今後もデザインをプロモートしていく手段のひとつとして、技術の向上を目指して欲しい。 展示では、亀甲船という起源からの流れや意味など、コンセプトに関わるストーリーが伝われば更に理解が深まったと感じました。
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私には初めての卒業式…教え子…というには、おこがましい1年目の私にとっても、皆さんの頑張りは何よりのエネルギー源でした。 これからも「ものづくり」という共通の喜びを根拠に私達は「同志」であり「戦友」であり「好敵手」です。
いつでも懐かしい初心を取り戻しに、そして議論しに母校を訪ねて下さる日を楽しみにしています。
みんな、元気でガンバレ!
プロダクトデザイン 金澤