7月25日、プロダクトコース3年生が授業にてシヤチハタ株式会社様との産学共同の最終発表会を行いました。
学内で行われた発表会では、前回の中間報告会にもお越し頂いたシヤチハタ株式会社様の清水氏をお迎えし、講評して頂きました。
シヤチハタ株式会社様との産学共同は3年生の授業の一環として行い、商品化を目指した文房具の提案を課題としています。
前回の中間報告会では、良いデザインだけではユーザーの求めるものには繋がらない、ということを理解しました。当初は現実的な範囲での展開が目標でしたが、中間報告会を終え、当初目標としていた“現実的なレベルでの商品展開”から、実際に“ニーズの出る商品のデザイン・開発”にレベルが上がってきました。
今回は発表の様子を何人かをプックアップしてご紹介します。
まずは福岡れい奈さん。
子どもと一緒にぬりえを楽しみたい親をターゲットユーザーに設定した、子ども向けの文具『ぬりえメーカー』を提案しました。
iPhoneの絵画アプリを利用し、同じ絵をもう一度塗りたい場合も対応できるシステムを考案しました。
清水さんからはユーザーが何度も同じぬりえを楽しみたいと思うか?また手間がかかるのでは?というご指摘をされました。
アイディアに面白みがあるので、挙げられた指摘を上手くプラスに取り入れたいですね。
お次は中井俊樹くん。
幼稚園から小学校低学年までの子どもを持つ親をターゲットユーザーとして設定し、使いながらテーブルマナーを学べる『ままごと文具』を提案しました。
この文具は1人で食べることができるようになった子どもが、楽しみながらフォークやナイフの使い方を学ぶことができる要素を文具に盛り込みました。切ったり着色したり、といった文具の機能を果すことを前提にままごとができるような商品を考案しました。
このアイディアに対し、清水さんからは“考え方は良いが、本当に親が買いたいと思うのは市場に出てから”という、現場でも挙る問題点をご指摘頂きました。
またユーザーとしてはフォークやナイフよりも箸などといった使用頻度が多い和風バージョンにしてみては?といった画期的なご意見も頂きました。
さて、中井君は今後どう展開させるのでしょうか。楽しみですね。
発表中は他の学生も真剣に聴講しています。
他の学生に出た指摘も各自自分のアイディアと照らし合わせて検討して行って下さいね。
最後は渡辺愛子さん。
彼女はでんぷんのりのデザインを行いました。
でんぷんのりを使いそうな年齢の子どもをもった母親をターゲットユーザーに設定し、中身は従来からある“誤ってなめても大丈夫”な点に加え、使用感を“ベタベタからサラサラへ”をモットーとしたでんぷんのりに、外見はキャップとサーバーが一体化した使いやすさと化粧品の入れ物に似たパッケージのデザインを提案しました。
清水さんからは開発当初から変わらないデザインであり、他にはない文具を提案するには良い目の付け所とのこと。
その反面、学校側としての受け入れやユーザーの受け入れといった、馴染みすぎたデザインだからこその問題点を指摘されました。
ユーザーのニーズとは私たちが想像につかないところにあるのかもしれないですね。
今回の最終発表会では全体的に『アイディア+ベネフィット』の2点を持ち合わせた商品になっているかが問われました。清水さんから頂いたご指摘を参考にし、夏休み明けの発表には更に良いアイディアとなって提案したいですね。
また次回の最終発表会はシヤチハタ株式会社本社にて行います。
シヤチハタ株式会社様の舟橋社長様をはじめ、開発に携わる5名の役員の方々と広報課長様といった豪華なメンバーに講評して頂きます。
発表の中では優秀賞を受賞した学生には表彰状の授与と、提案した商品の開発を考えて下さっているそうです。
この夏休みを利用し、今回指摘されたポイントについて熟考してよりよりアイディアを提案しましょう!