師走の研究室

年明けの1月に、プロダクトデザインコースでは学内ギャラリーで展示会を行います。それに向けて、ここのところ研究室はバタバタ。
いいものになりますように。
写真は学生、教員、職員みんなでギャラリーでの展示計画を考えているところ。

会期は1月12日(水)〜14日(金)まで。開場時間は9:20〜17:00(最終日は16:00まで)
名古屋造形大学のD2、D3ギャラリーにて開催致します。
同日、D1ギャラリーでは工芸コースの展示会も開催しています。
今回は会期が短めですが、学内・学外問わず是非お立寄り下さい。

アイディアが出てくるので形にしたくなる。

前回、1年生が自動車のコンペで入賞した話題がありましたが、4年生にここのところコンペで連戦連勝している強者がいる事が分かりましたので、ご紹介したいと思います。

パソコンに向かっているのは、4年生の原 昌之くん
彼は2010年度、出すコンペ出すコンペ入賞しているらしい。しかも、商品化の可能性があるから、応募した作品についての詳細は言えないというから、もはやプロの風格ですね。


まずはiPhoneケースのコンペ
これについては、大学Webサイトのトップページでも紹介されていますが、とっても可愛いデザインです。個人の感想ですが、最優秀賞も含めて他のどの作品よりも「売れそうな」デザインだと思いました。

他には、
ダンボールを使ったアイデアのデザインコンペ

これも応募作品を見せてもらったときは、思わずほしくなりました。
でもこれは非公開です。いつか店頭で目にすることができるかもしれませんね。

プロダクトデザインの勉強をしていると、パッケージのデザインやプレゼンテーションの必要性などから、2次元グラフィックの技能も求められ、また身に付いていきます。
これは、そんなグラフィックのコンペティション。未来の氷屋さんという難しいテーマですけど、一番「未来」という感じがでているのではないでしょうか。

原くんに、どうやってアイデアを出すの?と聞いてみたところ、「自分がこんなのあったらいいな」というモノを考えるという答えが返ってきました。やはり、スタートはそこが基本だと思います。でも、彼がすごいのは、どうしてコンペに応募するのか?という質問に対して、「アイディアがどんどん出てくるから、それを形にしてみたくなる」と答えてくれたところです。これは日々の観察力や、想像力のなせる技で、誰にでも出来る事ではないと思います。
そしてもう一つすごいなと思った事は、1つのコンペに対して、何点も何点も応募しているという事です。質より量で量産しているわけでもなく、普通ならそれを1つまとめたら満足してしまいそうな作品が完成しても、次々と全く違うアプローチから作品を生み出して、応募しています。
そのモチベーションの高さと、限られた時間の中でいくつも提案できるだけのスピード感がある事がすごいと思いました。

そんな原くんが得たものは、栄誉や賞金だけではありません。もっと大切なデザイナーとしての気づきも得たようです。それは何かというと、1つのコンペにいくつもの作品を応募した時に、自分が一番自信があると思っていたもの以外のものが受賞された事で、自分がいいと思うものが必ずしも他人もいいと思うわけではないし、また「売れるデザイン」というわけでもないという事です。

実は、まだいくつか応募して発表待ちのコンペがあるそうなので、卒業までにあといくつの朗報が聞けるのか楽しみですね!

プロデザイナーを目指すレンダリング講座

先日、本コース客員教授の内田邦博先生による授業が行われました。

内田先生はトヨタ自動車株式会社のカーデザイナーとして、第一線で活躍されてこられ、また米国アートセンターカレッジへの留学経験もあり、グローバルな視点での授業をして下さっています。

今回は、プロデザイナーを目指す学生へのレンダリング講座という事で、先生がこれまでに描きためたデザイン画やスケッチを見せて頂きながら、今後身につけるべき技術や学習方法について教えて頂きました。

(クリックすると写真が大きくなります。)


授業を終えられた内田先生に今回の授業の目的と想いについて伺いました。

 プロダクトデザインの世界は日進月歩。特にコンピューターを使う開発システムによって、デザイナーに要求される基礎能力が変わってきた。結果、以前のデザイン教育の重点であったデッサン力、レンダリング力の不足が目立ってきた。特にプロダクトデザイナーには立体構築力が必要だが、CADが普及した現在は3D化はコンピューターが行うので、増々個人の立体構成力が衰えている。
 そこで、基礎デッサン力、レンダリング力を向上するために、私がかつてロサンゼルスのアートセンターカレッジオブデザインで修得したスケッチ、レンダリングの作品と教育法を、2、3年生にプレゼンテーションして、世界一流のデザイナー教育の一部を紹介した。
 今後もアートセンターでのデザイナー育成システムと理念の一部でも課題として与え、学生の資質向上につなげていきたい。

鉛筆画から大きな着色デザイン画まで、並べきれない量の作品は、20代の頃の地道な努力の痕跡でもあると思います。自分のアイディアを誰かに伝えるためには目に見える形で表現しなくてはなりません。「とにかくうまくなりたいから描いた」とおっしゃっていた先生の言葉からも、とにかく何度も何度も練習する事が大切だと思いました。授業後も自分の作品を持って、先生に講評を頂いていた学生達の、5年後、10年後が楽しみです。

高齢者にやさしい自動車

先日行われた高齢者にやさしい自動車開発推進知事連合事務局主催のデザインコンペティションにおいて、本コースの1年生、栗谷本くんの作品が佳作に選ばれました。

http://www.pref.fukuoka.lg.jp/d01/next-generation-car-project2.html

以前はWeb上にあった作品へのリンクが切れてしまっていたので、直接本人に受賞作品を見せてもらいました!

「ひとつの結果として残すことが出来たのでよかったです。今後の作品作りの糧にしたいと思います。」

と受賞の喜びを語ってくれる彼の机の後ろの壁には、様々な自動車メーカーのコンセプトカーの写真やグラフィックが貼られています。ほんとに車が大好きなんですね。
夢に向かって、頑張れ!!!

入賞できても、できなくても、実際に自分が出してみたコンペの受賞作品を見るのは、ただ漠然と人の作品を眺めるよりも勉強になるもの。「自分が悩んだポイントに対して、他の人がどういう答えを見つけたのか」という視点で作品を見る事ができるから。
コンペは審査員によって結果が左右される要素が大きく、入賞する事がすべてではないけれど、1つの学習方法、自己分析の為の物差しとして、プロダクトデザインコースの学生達はうまくコンペを利用していると思います。

友達の受賞を、自分の事のように喜ぶ長谷川くん。


2月締切りの照明器具のデザインコンペに取り組む川村くん。
「今度は俺が!?」ライバル意識も大事です。
お互いに刺激を受け合いながら切磋琢磨する1年生でした。

三菱自動車会社説明会

12月2日、三菱自動車工業株式会社の会社説明会が本大学で行われました。
プロダクトデザインコースの学生はほとんど出席し、企業にとって求められている人材について、説明して頂きました。

また、本校卒業生で現在三菱自動車で活躍中のデザイナーによる、レンダリングの実演もして頂きました。
将来自動車業界への就職を希望する学生も、そうでない学生も、プロの描くスケッチを見つめる目は真剣。積極的に質問して、情報収集していました。

プロダクトデザインコースでは、企業で活躍している現役デザイナーの方と接する機会もしばしばありますので、是非こういう場を活かして視野を広げてほしいと思います。