今、プロダクトデザインコースでは、学校のすぐそばにある「santec株式会社」様と、ちょっと変わった産学連携に取り組んでいます。
この11月4日から同社が扱われているスキャナー付き3Dプリンター「ZEUS」をお借りしての取り組みです。
今回は、この機械を使って様々な授業課題その他に取り組み、3Dプリンターの可能性を探っていこうと思います。
「ZEUS」が得意とする造形は勿論、使い勝手の善し悪しや改善点、失敗例とその対策案などもレポートしながら、これからの教育現場での新しい「ものづくり」のヒントに繋がることを狙います。
まず1回目の今回は、「ZEUS」の魅力から…。
オールインワンでコンパクトな上、gcode(出力用パスデータ)に変換するスライスソフトまでが内蔵されているので、アプリケーションをインストールした別のPCを繋ぐ必要もなく、USBメモリーに入れたSLTデータ(ポリゴンデータ)さえあれば出力出来る「1台完結型」の便利な機械です。
先ずは、インターフェース。
作業の流れはシンプルで、きれいなカラー液晶の画面に沿って進めていくことで、データに問題の無い標準的な出力なら、いたって簡単な手順です。
この1ヶ月間、この「ZEUS」に貼り付いて、試行錯誤にチャレンジしてくれたデジタルメディアデザインコースの水野君の作品から紹介していきましょう!
この12/15〜12/20から大曽根にあるギャラリー矢田で開催された「Digital Media Design Exhibition 2015」に出品する為に、ほぼ毎日プロダクトデザインコースの研究室に通い続け作り上げたのは、戦車のスケールモデルに使用するキャタピラ(キャタピラは米国キャタピラー社の登録商標だそうで、日本語では「履帯」や「無限軌道」と呼ばれるそうです)
作品では、この履帯を構成するピースとこれを駆動するギア付きのホイール、中に収まるホイール、車軸など複雑で細かいパーツの数々を3Dソフトで作成し、丹念に組み上げた実際に稼働する力作です。
部品には組み上げる為の細かい凹凸や中抜き構造があり、最初は中々安定した形状に出力することが出来ませんでした。 上手くいかない原因を考え、データ修正のトライ&エラーを何度も繰り返し、一定の形状を出力することに成功しました。
次回からは、そのノウハウも少しずつ紹介していきますのでお楽しみに!
PD 金澤