平野さんを御紹介します。

こんにちは。

随分、ブログの更新をサボってしまいました。

最近、「こんにちは。助手です!」の書き出しで始まるブログに気が付かれた方もおられると思いますが、今日は、この4月からライフデザインコースとジュエリーデザインコースの助手を勤めてくれている平野さんを紹介します。

彼女は本学の、現メディアデザインコースを卒業した後、東京藝術大学大学院の先端藝術表現の道に進み、現在はアーティストとしても活躍してる才女です。
デザインコースの助手の仕事をこなしながら、時折BSやラジオにも顔(声)を出しながら、自身の創作活動を進めています。

つい先日(7月22日)も、岐阜県立美術館で行われた彼女のワークショップに参加してきました。
題して「蘇生するユニコーンと物語る」
延命処置を受けているユニコーンが静かにテーブルに身を横たえ、その傍に白衣を着た御本人が佇み手当をしている…少しハレーションし気味に白いユニコーンと白衣が浮かび上がる空間を囲み、そこを訪れた人達が自分達の物語を鉛筆で原稿用紙に綴っていく…というもので、来場者は、なんとかユニコーンの息遣いを聞こうと…静かな空間に耳を澄ませます。

その場所に入ると…ユニコーンというチョイスに共感し、丁寧なユニコーンの存在に驚き、シュールな設定…空間に不思議な非日常を感じます。

普段、遠のいてしまった鉛筆での手書き作文では、減っていく芯の向きに気を配りながら、丁寧にひと文字ひと文字をしたためる確かさを感じ、勢い余って紙を破らない様に慎重に消しゴムを使う力加減には懐かしささえ覚えます。

懐かしい気持ちは、そのまま…自分を、自由に色々なことを空想した子供の頃に連れていってくれる様で、気が付くと無心に鉛筆を動かす自分に出会います。

畢竟、彼女の作品は「リアリティーとは何か?」とか「存在の意味」を問う様な哲学的なテーマに行き着くのかと思い込んでいましたが、今回、体験してみると…そんな難しいことは置いておいて…「束の間、童心に戻れるスイッチ」なのだと感じました。

そこには…デザインとは異なり、如何様にも受け止め解釈出来る自由があり、いつも焦点を合わせ仕組みを見抜こうとする観察ではない曖昧さがあり、それを心地良いと感じる自分に嬉しくなる…そんな不思議な時間がありました。

彼女は、岐阜県美術館のアーティストインミュージアムという企画の一環で、岐阜の盲学校での制作プロジェクトなども進めています。

参照:http://www.kenbi.pref.gifu.lg.jp/page5538.php

これからも興味深い作品がとても楽しみなアーティストのおひとりです。
とても面白い不思議な体験を請け合います。

イベントなども紹介していきますので、機会があれば是非足をお運び下さい!

ライフ 金澤