プロデザイナーを目指すレンダリング講座

先日、本コース客員教授の内田邦博先生による授業が行われました。

内田先生はトヨタ自動車株式会社のカーデザイナーとして、第一線で活躍されてこられ、また米国アートセンターカレッジへの留学経験もあり、グローバルな視点での授業をして下さっています。

今回は、プロデザイナーを目指す学生へのレンダリング講座という事で、先生がこれまでに描きためたデザイン画やスケッチを見せて頂きながら、今後身につけるべき技術や学習方法について教えて頂きました。

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授業を終えられた内田先生に今回の授業の目的と想いについて伺いました。

 プロダクトデザインの世界は日進月歩。特にコンピューターを使う開発システムによって、デザイナーに要求される基礎能力が変わってきた。結果、以前のデザイン教育の重点であったデッサン力、レンダリング力の不足が目立ってきた。特にプロダクトデザイナーには立体構築力が必要だが、CADが普及した現在は3D化はコンピューターが行うので、増々個人の立体構成力が衰えている。
 そこで、基礎デッサン力、レンダリング力を向上するために、私がかつてロサンゼルスのアートセンターカレッジオブデザインで修得したスケッチ、レンダリングの作品と教育法を、2、3年生にプレゼンテーションして、世界一流のデザイナー教育の一部を紹介した。
 今後もアートセンターでのデザイナー育成システムと理念の一部でも課題として与え、学生の資質向上につなげていきたい。

鉛筆画から大きな着色デザイン画まで、並べきれない量の作品は、20代の頃の地道な努力の痕跡でもあると思います。自分のアイディアを誰かに伝えるためには目に見える形で表現しなくてはなりません。「とにかくうまくなりたいから描いた」とおっしゃっていた先生の言葉からも、とにかく何度も何度も練習する事が大切だと思いました。授業後も自分の作品を持って、先生に講評を頂いていた学生達の、5年後、10年後が楽しみです。