名古屋造形大学プロダクト卒業制作なう!!

紅葉も深まり肌寒くなってきましたが、4年生のアトリエ、テラス、工房は俄然熱くなってきています。

来年2月14日から開催される名古屋造形大学卒業制作展に向けて作業が佳境を迎えているのです。

まずは小中さんの作業風景。今回の撮影テーマは「穴」。穴は周りに素材が無ければ出来ません。つまりある程度作業が進んでいないと「穴」は出来ないのです。そういう意味では「穴」が出来てきたというのはひとつの進歩の証。

木工室で加工、組み立てに一生懸命。詳細は卒展でお楽しみに。

現4年生は新生プロダクトデザインコースの一期生であり、一年生からプロダクトデザインの専門教育を受けてきました。トヨタ自動車やシャープ、パナソニック、三菱自動車、企業のデザイナーの方々の授業を受けながら、1年生では2名がLG Electronicのコンペで銀賞銅賞をダブル受賞したり、女子2名が川崎産業コンペでもダブル受賞したり、学年が上がるにつれ企業との産学協同、原田車両設計との粉体造形、岐阜大垣の升の商品企画、提案、クリエイターズマーケットへの参加、などなど数え上げればきりがないほど、この四年間で社会に貢献出来る人間として様々なトライを重ねてきました。

立石くんは、まさに1年でLGコンペにて福田君と共に銀賞を受賞した学生です。実は作品の詳細は、あまりバラされたくない、、、というのがあるみたいなので。

卒業制作では4年間の集大成でもあり、この1年かけて製作を行います。ひとりのデザイナーとして自立し、自分自身見つめ直し、授業でも出来なかった、そしてこれから社会に出てからも出来ない、”自分”を極めたプロダクトを一生懸命制作しています。

岡野くんは九州から名古屋造形に来て4年間頑張ってきました。

4年生全員、強烈な個性の塊が出来上がってきています。ともすると、企業的観点から見れば「量産性は、コストパフォーマンスは、実用性は、、、」と切り捨てられるアイデアかもしれませんが、逆に言えば全ての作品が世界で唯一、卒展でしか見れない貴重なプロダクトばかりです。

上野くんは4年間アトリエで徹夜した数なら誰にも負けないかもしれません。

生涯一、とも思える造形魂で塊を削り出しています。こちらも作品の”穴”から撮影。

松野さんは木工室で作業中。美味しそうな木工ビスケットジョイントを見ているとお腹がすいてくるとか。

服部くんはアルミ削り出しで作業中。素材感たっぷりな作業風景。プロダクトでは木材から金属、プラスチック、何でもござれです。

舟渡くんは何でしょうか?もの凄く大きい??

こちらは布の素材のようです。しかし、カメラで撮影すると何故か物凄いコントラストでしか撮れません。

本人曰く、そういう写真が好きらしいので狙い通りだとか。カタチもカラーも、写真までビビッド!

こちらは木工室で作業中の工芸コースの塩野谷さん。名古屋造形大学卒展では各コース4年生全員、様々な美術、デザインの作品が展示されます。今は学内のいたるところで、素晴らしい作品たちが産まれようとしています。プロダクトはもちろん、是非皆様御来場ください。

あかり展 in yamagiwa

前期に2年生が学内D2、D3ギャラリーで行った「あかり展」を、来年1月に名古屋市中区のyamagiwa名古屋ショールームで再びさせて頂く事になりました。

それに向けて学生達は、前回の作品をさらにグレードアップしたり、全く新しいコンセプトで作り直したりしています。

その中間講評のため、ヤマギワ株式会社のチーフデザイナー 飯塚邦一さんに特別講師として来て頂きました。

今回は1人づつ面談しながらアドバイスを頂く形をとりましたが、「準備が出来た人からどうぞ」という合図と共に真っ先に寄って来たMくんをはじめとして、制作の過程で分からない事や、迷いにぶつかっている学生達は、1人あたりの面談時間が長い、長い、、、。4限目終了のチャイムがなってもまだまだ終る気配がなく、飯塚さんのご好意で時間外にも残って指導して下さいました。ありがとうございました。他学年の学生や工芸コースの学生でも照明器具をテーマに制作している学生が来てはアドバイスを受け、気がつけば17時、18時、、、、。展示会場のレイアウトの打ち合わせなどもして、結局飯塚さんがコートを着て帰り支度ができたのは20時を回っていました。本当にありがとうございました。

試作品に光を当ててみて、どの位置に光源を置くのが一番美しいかを試行錯誤。

良いアドバイスを頂く為には、コンセプトや、今何を悩んでいて最終的にどうしたいのかを上手に伝えなくてないけません。それを一生懸命話す事で自分でも頭の中が整理されていきます。

むずかしい〜、、、。つい眉間にしわも寄ってしまいます、、、。

他の学生がアドバイスを受けている内容を聞く事も勉強。授業後に相談に来た工芸コースの学生の作品は、プロダクトコースの学生の作品とはひと味違って、技法にこだわった面白い作品でした。

展示会詳細は追ってこのブログで紹介致しますが、開催は1月中旬の予定です。来場者による人気投票も行う予定ですので、是非今後もこのブログをチェックして頂いて、お時間のある方はお立ちより下さい。世界の名品が並ぶショールームに作品が並べられるまであと1ヶ月!どこまで完成度を高められるかな???

マスプロジェクトやってマス。

9月下旬、名古屋市中区の国際デザインセンターにて「マスプロジェクト」と銘打った若手デザイナーによる新商品コンペが行われました。このプロジェクトは岐阜県大垣市の名産品である「升」の復権を目指し、大橋量器などの企業と本コース非常勤講師の鈴木光太先生などを中心とした若手デザイナーが、新たな升の商品開発を提案していくもので、名古屋造形大学からも、プロダクトデザインコース4年生の上野くん、立石くん、土井さん、2年生の森田くん、工芸コース3年生の川村くんが参加し、10月25日(火)の日本経済新聞に紹介されました。

みんなの作品、はさみマス、奏で枡、MASS BLOCK、マスピーカー、そうじ枡、オトマス、灯し枡、などなどはマスプロジェクトホームページの左のリンクLineupから見る事ができます。

どの作品も、「測る」「飲む」といったこれまでの枡の機能にとらわれることなく、伝統的なイメージすらもくつがえすような独創的なアイディアがいっぱいです。先日ポートメッセ名古屋で行われたメッセナゴヤでも紹介され、好評を博しました。

4年生上野くん。バックの図面は上野くんが卒業制作で取り組んでいるバイクのデザイン。

中でもプロダクトデザインコース4年生の上野俊介くん(写真)が提案した、スマートフォンで音楽を楽しむ為の小型スピーカーの提案は高く評価され、すでに試作品の製作が決定し、商品化に向けてプロジェクトが進んでいます。来年2月に東京で行われる東京ギフトショーに出展され、全国の雑貨店などに並ぶ予定です。

若手デザイナーの力で、新しい枡ブームが到来するかも!? 日本が誇る伝統工芸、「枡」の未来がマスマス楽しみになりますね!

大賞受賞!

先日このブログでご紹介した、非常勤講師の小林啓伯先生が入選された、木のデザイン公募展2011の各賞が10月8日発表されました。

主催者のホームページをチェックしてびっくり!!一瞬固まってしまいました。

なんと、、、なんと、、、大賞受賞者に小林先生のお名前が!!!

すごーい!おめでとうございます!さっそく小林先生から受賞のお言葉を頂きました。

—以下小林先生のお言葉—

この度、軽井沢の脇田美術館が主催する「木のデザイン」公募展にて大賞の長野県知事賞を受賞致しました。信州のカラマツ材を用い、生活の道具を通してライフスタイルや木の文化の再考を提案するのが目的のコンペティション。現在、脇田美術館にて入選作品の展示会を開催中です。

[受賞作品「kisori」スツール]木の反ると言う、製品にする上でも障害となるこのことを、木の特徴、魅力と捉え、デザインに活かしています。木を反らせると生まれる力、それを構造体にし、この反りがまた、人の体の曲線に沿い、座り心地の良さへと繋がっています。

—以上—

今月号のCasa BRUTUSでこの公募展について取り上げられており(大賞発表前の記事なので、小林先生の作品は載っておりません)、雑誌Penのホームページでは、大賞作品として紹介されています。

小林先生が主宰されている工房スニッカのホームページで、授賞式の様子なども見られます。

「木のデザイン」公募展2011

10月5日〜11月25日まで

長野県軽井沢町旧道1570-4  

http://www.wakita-museum.com/index.html

粉体造形コンペが雑誌に掲載されまし

今年5月、原田車両設計株式会社との共同企画で行った「粉体造形コンペ」が、協賛企業のNTTデータエンジニアリングシステムズ機関誌「人とシステム」に掲載されました。

今回は第1回目という事で、対象も名古屋造形大学の学生に限って行われました。結果は、プロダクトデザインコース4年生の立石くんの圧勝!

来年は他大学からの作品も募集する予定ですので、さすがに1人の学生の圧勝という訳にはいかないと思います。他の学生には来年の第2回開催に向けて、今から構想を練ってほしいです。

今回のコンペ開催にあたっては、NTTデータエンジニアリングシステムズ様の他、スリーディーシステムズジャパン様からの協賛を頂きました。そして、原田車両設計株式会社様には、学生のつたないスケッチ、図面を元に、多大なる労力をかけて3Dデータ化、立体化して頂きました。これらの企業の皆様の協力なくしては、決してこのコンペは実現しませんでした。本当にありがとうございました。

今回、粉体造形機にかける為のデザインの3D化作業を原田車両設計株式会社の設計の方にお願いしたのは、単に学生の力量不足で自前で3D化するのが難しかったからに過ぎないのですが、おかげで学生達は貴重な経験をする事ができました。

普段、自分でデザインしたものを自分で立体化するという作業は多く経験してきましたが、自分以外の人に立体化してもらうという経験はあまりなく、しかも企業で活躍している現役の設計者の方に自分のデザイン主旨を、あーしてほしい、こーしてほしいと学生が伝えるのは、とても難しかったと思います。

職人ではなく、プロダクトデザイナーになる場合、自分でデザインして自分で完成品まで造るという事は少なく、作り手に「伝える」という能力がどうしても必要になります。それはボキャブラリーであったり、自分で作図する能力だったり、職人さんが耳を傾けたくなるようなキャラクターであったり、、、。私は今回のコンペで一番ありがたかったのは、学生達がその片鱗を体験できた事だと思っています。

ただ、3D化の作業は設計者の方にあまりにもご負担が大きいので、来年は自前3D化ができるように、スキルアップする事が必要だと思っています。そうでないと、他大学も参戦してくると3D化できる学生が有利になってくると思いますし。

記事にもあるように、今後粉体造形は学生にとっても普通の技術になっていくと思います。そうなると、このコンペもますます盛り上がっていくでしょうし、来年はもっともっと思いもつかないようなアイディアがたくさん集まる事を期待します。

[改訂] 小林先生が木のデザイン公募展に入選されました。

非常勤講師の小林啓伯先生が、 [木のデザイン公募展2011]に入選されました。

10月8日に軽井沢の脇田美術館にて公開授与式が行われ、大賞他各賞が発表されました。

小林先生の作品はどうなったのでしょうか、、、。審査の結果は次回のブログで!!乞うご期待。

展覧会は11月25日(金)まで開催されておりますので、会場で実物を見る事ができます。

小林先生の授業では、以前もこのブログで紹介致しましたスツールの他、木を使った各種プロダクトを製作しております。以下は授業で製作された学生の作品です。

小林先生の授業では、具体的なターゲットユーザーを設定して、実際に学生が自分達の手で物を作るところまでを行います。
この作品は、長く使う、便利に使う、シンプルに暮らすという消費者のニーズに対しての、収納家具の提案です。
学生は数人のグループに分かれ、物を収めやすいという機能面に加えて、「収めたくなる」ような家具を考えました。
上の写真の作品は、Tシャツなどの洋服を、部屋の中に飾るように収納する事ができるという家具です。
「収めたくなる」という条件をユニークに実現していると思います。また、棚の高さを自由に変えられたり、分解してコンパクトにする事もできたりと、長く便利に使う事ができます。
下記の写真は以前ご紹介したスツール製作の際の作品です。
この時よりも、木の特性や道具の使い方への理解が深まっていて、上記の作品のような意外な構造の作品を作る事ができたと思います。

この授業は3年生を対象に行われました。彼らも来年の今頃は卒業制作中!

その時には小林先生の授業で学んだ事がきっと役に立つと思います。

台風15号の接近について

本日は朝から愛知県全域に暴風警報が発令しております。学則は下記のように取り決めております。

1)午前7時現在において「暴風」を含んだ警報が愛知県に発令中のときは、午前中の授業(第1・2時限)が休講となります。
2)午前11時現在において「暴風」を含んだ警報が愛知県に発令中のときは、午後の授業(第3・4・5時限)が休講となります。
3)授業中に「暴風」を含んだ警報が愛知県に発令されたときには、直ちに授業を打ち切り、帰宅していただきます。

名古屋造形大学 台風に対する公式情報

気象庁気象警報

上記リンクを参考にして下さい。ということで、1、2限は休講決定ですね。これからひどくなるので、気象情報には十分注意して下さい。何事もない事を祈ります。

今回の台風に付けられている名前は「ロウキー」。空駆ける牙(Running Through the Sky Fang)と称されるアメリカのプロレスラー「ブランドン・シルベストリー」のリングネーム、ロウ・キー (LOW-KI)と同じだそうな、、、。なんか強そう、、、、みなさんほんと気を付けて!!!(>_<)

後期!嵐の幕開け、、、。

今日から後期授業がスタートです。久しぶりに友達同士顔を見られて嬉しい日になるはずが、、、名古屋造形大学のある小牧市は、庄内川からもほど近く、豪雨直撃で14時頃から休講になってしまいました!

中央本線が止まってしまったので、スクールバスを急きょ名鉄小牧駅まで走らせたり、保護者の方に迎えに来て頂いたり、、、。学食2階が開放されて、一時避難場所になったりもしました。

プロダクトデザインコースも保護者待ちが2名、学校宿泊覚悟で電車復旧を待つ子が1名。

後期は波乱の幕開けとなりました。でも、雨降って地固まるって言いますし、、、。とにかくみんな怪我などしないように、大人しく嵐が過ぎ去るのを待ちましょう。

ヤマギワ新作発表会

 新栄町のヤマギワへ、新作発表会を観に、学生と一緒に行ってきました。
先日のあかり展で講評に来て下さった飯塚さんや、営業の石神さんのご説明をうけながら、学生達も世界の一流プロダクトを真剣に見ていました。

有名なデザイナーの作品だとか、値札だとかは関係なく、学生達もいいものはいいと感じたのではないでしょうか。
7月19日からレイアウト替えをして、家具なども見られるようになっているようです。この時に行けなかった人も是非時間を見つけて行ってみましょう!

http://www.yamagiwa.co.jp/professional/showroom/index.html

3年生がイスを作りました。

少し前の話題になってしまいますが、3年生の授業でイスを造りました。
プロダクトデザインコースは、名古屋造形大学の数あるコースの中でも、一番多種多様な素材に触れるコースではないでしょうか。今回は椅子造りを通して、木という素材に触れました。
 数人のグループに分かれて作業をし、グループごとに発表をしました。
このグループ作業というのは、2年生まではあまりなかったのですが、3年生になって、2つの授業で取り入れられています。


 グループでの作業は、友達の意外な一面を発見したり、お互いに学び合う事ができる良さがありますが、一方で、意見が食い違ったりしてやりにくい場面もあると思います。でも、社会に出て仕事としてデザインをする場合は、1人で作業をする事はほとんどありません。そこには必ず依頼人やエンドユーザーがいるし、設計、企画、技術、、、いろいろな役割の人が関わって、1つのプロダクトが完成します。その中で、いかに相手の意向をくみとりながら、自分のデザイン主旨を通していくかという事が、デザイナーの仕事の重要な部分を占めると思います。良いデザイナーは良いネゴシエーターであり、コーディネーターであり、ファシリテーターであると思います。(横文字ばっかりですみません、、、)
 その意味で、グループワークは是非、力を入れて取り組んで下さいね。

ちなみに、この鏡付きスツールは、私ぐらいの女性をターゲットユーザーにしてデザインしてくれた椅子です。しっかりリサーチもしてくれて、とっても可愛い椅子を造ってくれました。ありがとね〜。

本当に個性豊かな椅子がたくさんできました!小林先生、ご指導ありがとうございました。