粉体造形コンペが雑誌に掲載されまし

今年5月、原田車両設計株式会社との共同企画で行った「粉体造形コンペ」が、協賛企業のNTTデータエンジニアリングシステムズ機関誌「人とシステム」に掲載されました。

今回は第1回目という事で、対象も名古屋造形大学の学生に限って行われました。結果は、プロダクトデザインコース4年生の立石くんの圧勝!

来年は他大学からの作品も募集する予定ですので、さすがに1人の学生の圧勝という訳にはいかないと思います。他の学生には来年の第2回開催に向けて、今から構想を練ってほしいです。

今回のコンペ開催にあたっては、NTTデータエンジニアリングシステムズ様の他、スリーディーシステムズジャパン様からの協賛を頂きました。そして、原田車両設計株式会社様には、学生のつたないスケッチ、図面を元に、多大なる労力をかけて3Dデータ化、立体化して頂きました。これらの企業の皆様の協力なくしては、決してこのコンペは実現しませんでした。本当にありがとうございました。

今回、粉体造形機にかける為のデザインの3D化作業を原田車両設計株式会社の設計の方にお願いしたのは、単に学生の力量不足で自前で3D化するのが難しかったからに過ぎないのですが、おかげで学生達は貴重な経験をする事ができました。

普段、自分でデザインしたものを自分で立体化するという作業は多く経験してきましたが、自分以外の人に立体化してもらうという経験はあまりなく、しかも企業で活躍している現役の設計者の方に自分のデザイン主旨を、あーしてほしい、こーしてほしいと学生が伝えるのは、とても難しかったと思います。

職人ではなく、プロダクトデザイナーになる場合、自分でデザインして自分で完成品まで造るという事は少なく、作り手に「伝える」という能力がどうしても必要になります。それはボキャブラリーであったり、自分で作図する能力だったり、職人さんが耳を傾けたくなるようなキャラクターであったり、、、。私は今回のコンペで一番ありがたかったのは、学生達がその片鱗を体験できた事だと思っています。

ただ、3D化の作業は設計者の方にあまりにもご負担が大きいので、来年は自前3D化ができるように、スキルアップする事が必要だと思っています。そうでないと、他大学も参戦してくると3D化できる学生が有利になってくると思いますし。

記事にもあるように、今後粉体造形は学生にとっても普通の技術になっていくと思います。そうなると、このコンペもますます盛り上がっていくでしょうし、来年はもっともっと思いもつかないようなアイディアがたくさん集まる事を期待します。