会期:7/15 ー 7/18 9:30 ー 17:00(最終日は16:00まで)
その名の通り、プロダクトデザインコース4年次生による
卒業制作のコンセプトを発表する展示会です。
コーステーマは「ナニコレ」。
それぞれが思う「ナニコレ」を日々、摸索しています。
明日17日は16:40から会場にてプレゼンテーションを行いますので、
ぜひみに来て下さい。よろしくお願いします。
研究室 宮地
<搬入・講評会の様子>
今回、初めての試みとして、実際に単位を与える授業をオーキャンに合わせ振り替え、来場される皆さんに実際の授業を御覧頂ける「公開授業」を開設しました。
課題では、インダストリアルクレイと呼ばれる熱可塑性の粘土で自動車のスケール(縮尺)モデルを作ります。
指導頂く外部先生はトヨタ自動車のベテラン・クレイモデラー!
見本として作って頂いたモデルは見ているだけでワクワクする様なクオリティーです。
授業風景は・・・どうです? 楽しそうでしょ!
クレイの特性を知りながら、3次元形状を再現するのは至難の業。
図面を見ながら、基本となる断面をドラッグ(掃引)するゲージ(型板)を作り、縮尺された格子の刻まれた床面で正確な位置を確認しながら、慎重に基本面を作っていきます。
シャープなラインとスムースな面形状を作るのはベテランのモデラーでもトレーニングが必要な職人的な作業です。
学生の皆さんも悪銭苦闘しながら、様々な素材の扱いを身に付けていきます。
実際に授業を経験した学生の話も聞いてみましょう!
こんにちは、PDコース2年の中澤です。
PDコースでは、紙の上に描いて形を決めるだけでなく、実際に立体にしてみてデザインを検討します。その立体にする手法の一つとして、粘土を使ってのモデル作成(クレイモデル)を練習しています。
いまはトヨタのFJクルーザーという車を12分の1の大きさで制作しています。みんな機械ではないので(笑)、一発で正確に粘土を削ることは難しいです。しかし、クレイの利点は削りすぎてもすぐに粘土を盛って修正できること、簡単に元通りになります!
写真ではまだおおまかな形を作っているところですが、これから細かいところに手を加えていき、FJクルーザー(の模型)が完成するというわけです。
クレイモデルに限らず、自分の手のかけたものが仕上がっていく過程は、気持ちのいいことですね。
7月4日 金曜日
梅雨もピークに入り、私の髪の毛が湿気でふくれあがるなか、プロダクト4年次生の卒業制作へ向けて初めてのコース内プレゼンテーションを行いました。
今回のプレゼンテーションは7月15日から開催される「コンセプトイメージ展」を目標に卒業制作の方向性を発表します。
4年間で何度も行ってきたプレゼンテーションも、卒業制作となると一段と緊張感がありとても良い雰囲気でした。
プロダクトデザインコースでは今年から卒業制作にコース内共通のコンセプトを1つ設けることにしました。
一発目の今年は「ナニコレ」です。
展示を観にいらした方々に「ナニコレ!!\(≧∀≦)ノ” ♪♪」と感じて頂けるようなデザインを目指し、コースとしての展示にも一体感を出すのが狙いです!!
プレゼンテーション授業の一環として見学に来ていた3年次生からは厳しいコメントが続出!!
最後に非常勤講師の先生方から総評を頂きました。
「夏休みが山です。」
「君たちのお尻にはもう火がついています。」
「今まで学んできたことを出し惜しみすることなく全力で取り組んでください。」
などなど。
4年次生の目にも火がついたことでしょう。
就職活動に卒業制作と4年次生は本当にあっというまです。
卒業展示会まであと約7ヶ月、私も心を鬼にして学生のお尻をたたいて行きたいと思います。
頑張れ4年生!!
研究室 宮地
「真似をするのはいいことだ!」
「ものづくりの法律」の授業では、真似をすることの危険性と真似を許すことで失う価値について考え、これに対抗する知識を身に付けることが目的ですが、今日は「真似をするのはいいことだ?!」とインパクトのある命題からスタート!
今回は、コポキャラ株式会社の代表である藤原聖仁さんを講師に招き、「デザイナーによる未来のための知財マネジメント」というテーマで講演頂きました。
「真似することは・・・」には、一瞬、戸惑いや驚きを感じた学生も多かったのではないかと思います。
表題の「守・破・離」も藤原先生が教えて下さった大切なテーマのひとつ。
型を守り、型を破り、型から離れていくというプロセス…既存のものに学び、工夫を加え、新しいスタイルを確立する。 落語家の新弟子が師匠から口移しに落語を学び、自分のスタイルを模索し、独自の芸風で大看板になっていく…そんなプロセスをイメージしました。
正しく真似をすることで、1.基本を知り 2.自分の欠点を知り 3.引き出しを増やすことができる…私たちクリエーターを目指す人間にとって、この3つの効能は何よりも手に入れたい…まさに「三種の神器」じゃあ〜りませんか!
藤原先生は、学生が学んでおくべきものとして「技術(テクニック)」「センス(インプット)」「人間力(コミュニケーション)」の3つを挙げられました。
このセンスを磨く上で大切なことは「既存のもの」をしっかり知ること、自分の中にしっかり取り込むことだと受け止めました。 そして知的財産や権利に関する意識や知識もまた、新しい時代に私達が自分達の仕事の価値を下げない為にとても大切な武器となることを判りやすく伝えて下さいました。
これから世界も舞台に活躍を夢見るクリエーターにとって大切なのは、何を守り何を伝えていくのかをしっかり自分の意志で決めていく力。 それを援護射撃してくれるのが正しい法律の知識。
知財の話題を通して藤原先生が教えて下さったのは「クリエーターの自律」という大きなテーマだった様に私には思えました。
最後に印象に残った言葉は「何もしないという一番のリスク」…これはもうクリエーターのみならず、人としての生き方にも通じる気持ちの在り方だと感じました。
がっつり関西弁の藤原先生とは、講演の後、研究室で昼食を御一緒させて頂きながら、ざっくばらんに楽しい時間を共有させて頂きました…関西人の私にとっては至福の時で御座いました、はい。(^ ^)v
・・・皆さんは今「守・破・離」のどの段階にいますか?
金澤
このブログでは、今回から学生の皆さんのコメントも掲載していきます。
読んで頂く方には、学生の声をリアルに感じ取って頂きながら、学生の皆さんには、公の場にコースの代表として文章を書く発信者としての経験も積んで頂きたいと思います。
栄えある学生デビューは、3年生の石谷さんと柏木さんが飾ります。
それでは石谷さん、柏木さん、準備はいいですか? 張り切って参りましょう!
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はじめまして、石谷です。
今回からちょこちょこ学生もブログに登場していくということで、なぜか初回をまかされてしまいました。
どう書いていけばいいのか不安ですが、この間の工場見学について書いていきます。
拙い文ですが、よろしくお願いします。
5月29日晴れ
LIXILに行ってきました。
トイレ(陶器)をつくっているのを見せてもらいました。
まずスライドで全工程を説明してもらい、一部工程を実際に見せてもらいました。
本当にスライドの通りで「さっき見たままだ!」と当たり前のことを言ってました。
入った瞬間すごく暑い部屋があり、ここで働いている人は大変だろうな、と思っていたらロボットしか居ませんでした。
ロボットと人の手によって1つの物が完成していきました。
時代は進化しているなぁ。
完成品しか見たことのないトイレですが、原料や型まで見せてもらうことができました。
原料を見てから完成品を見るとしみじみした気分になりますね。
不良品は粉砕し、もう一度原料として再利用されるそうです。エコですね!
最後にLIXILの皆さん
お仕事中にお邪魔しました。大変勉強になりました。ありがとうございました!
運転手の浦谷さん、谷口さん
運転お疲れさまです。
先生方、2・3年生もお疲れさまです
工場見学からの5限だった人はもっとお疲れさま!
プロダクトデザイン3年 石谷菜月
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プロダクトデザイン 柏木です。
今回、LIXIL榎戸工場で衛生陶器の工場を見学しました。
工場内は陶器を使用しているため特に焼成と呼ばれる焼成炉がありコンピュータで精密に陶器を焼き上げたり、ロボットを使用した製造工程など実際に初めて目にする物ばかりで新しい機械や技術を見る事が出来ました。
その中で特に印象に残っているのが、鋳込成形・接合と呼ばれる素地を型に流し込み、それを成形し、パーツを接合する作業工程です。
素地を流すまでに型となる物の形状や寸法、13%の縮小を見込んだ技術力等細かな点まで考えられる事で製品の形になって見えてくる、この工程が一番私の中で印象に残りました。
最後に今回の見学は私にとって今後の授業や課題製作でも勉強になったうえ、物の考え方を改めて実感しました、工場見学という製品が製造される現場を見学することで普段何気なく使っているものを見学してみて身の回りの物の製作工程に一層興味がわき貴重な体験をすることが出来ました。
ありがとうございました。
プロダクトデザイン3年 柏木亮大
5月30日(金)
皆さんは、最近何かに感動しましたか?
最後に「オオッ」と声を上げたのはいつでしょうか?
私はこの月曜日(26日)に、ヤマザキマザックさんという美濃加茂にある工作機械メーカーにお邪魔した際に「ハァ〜ッ」「へェ〜」「ウヒョ〜」と1年分の感嘆詞を連発することになりました。
人工衛星の「はやぶさ」の部品にもその技術が発揮され、車、列車、飛行機等の精度を求められる部位には欠かせない部品を無垢材から削り出して造ってしまいます。
同社は精密な削り出し加工とレーザー加工を施す工作機械を造るメーカーで、カスタマーは一般の生活者では無く、製造業の現場です。 製品は重機の範疇ですが、その削り出しの技術は非常に繊細で精緻なものです。 日本のモノ造りの真骨頂とも言うべき技術の高さを見ることが出来ます。
元々は工作機械のインターフェースについての考察に端を発した見学で(確かに特殊な装置であるが故に独特のオペレーションが必要となることは想像出来ますが)まだまだ…直感的で誤操作が無くなる域に達するには、挑戦しがいのあるインターフェースでした。
しかしながら、その筐体は洗練され近代的な工場を想像させるに足る外観で、複雑なロボットアームの動きやビットの交換、スムースで流れる様な作業工程は、意思があるかの如き力強さがあり感動的です。
工作機械の要…ドリルや台座がスライドするレールである「ボールねじ」と呼ばれる、シャフトに螺旋ねじを切った部品の制作工程では、ラインの最後にシャフトの直線精度を出す為に、必要な部位を見極め専用の機械で打撃する職人的な作業員がいたのには再び全員が驚嘆。 「これぞモノ造り!」と唸ってしまうシーンでした。 是非、学生の皆さんにも見て頂きたい現場だと感じた次第です。 また企画しますのでお楽しみに!
PD:金澤
造形大学の緑もすっかり濃くなり、
最近はそよ風が気持ち良い、とても過ごしやすい気候ですね。
本日は小林啓伯先生と新一年生が普段どんな授業をしているかをご紹介します。第1タームも終了しようというところ、すでに和気あいあいでにぎやかな1年次生。
最初の授業は製図の授業です。
現物(椅子)を三面図へのおこしていきます。
次の授業は木材の性質について、こちらもグループで予測しながら学んでいきます。木材とはどのような特徴があり、木の向きや種類によって得意不得意を考えます。
そして現在は木工室で縮小サイズのレッド&ブルーチェアを制作中です。
慣れない手つきで、あれやこれやと楽しく取り組む姿に私もウズウズしながら見学しています。
一所懸命ヤスリをかけた後のスベスベ感に「美肌(ハート)」と眞鍋君。
毎回、制作手順や道具の使用方法についてグループごとにまとめ、理解を深めていきます。
チェアも次回完成予定で、完成後はベクターワークスの授業に入ります。
日々、コツコツ前進している1年次生はとてもかっこ良く、今後も期待です。
研究室 宮地
立体空間系の春の一代イベントである「STUDY展」が18日に最終日を迎えました。
このブログを御覧になるのはコースの学生だけではありませんが、今日は学生の皆さんに向けて書きます。
プロダクトデザインコースの皆さんへ
STUDY展の無事閉幕、ご苦労様でした。
この4月から赴任した私にとって、これだけの数の作品を一同に集めた展覧会は初めての大きなイベントとなりました。
プロダクトデザインの守備範囲の広さと皆さんの着眼点の豊富さ、表現のバリエーションを改めて感じることができ、連日一生懸命に作業する皆さんの姿をワクワクする気持ちで拝見致しました。
目の前で物が出来上がっていく楽しさや喜びを感じながら、私自身が学生だった頃のことを思い出し…苦労された皆さんには申し訳ありませんが、実に楽しい毎日でした。
搬入前には、夜遅くまで…或いは連休、土日を返上して作品の制作に打ち込む皆さんの姿は素晴らしいものでした。
もちろん計画通りに進めることが何よりですが、思惑通りに進捗しない時にどれだけ諦めずに頑張れたか…そこに尊い価値があります。 上手く行かなかった時にこそ、その後どうフォローしたかで真価も問われます。 「投げ出してしまわずに、あの時頑張れた」と思う気持ちが、皆さんの財産です。
次回は更なる高みを目指しましょう!
またイベントの運営自体にも皆さんの頑張りを見ました。
各役割にアサインされた皆さんは、自身の制作以外に献身的に公の為に時間を費やし展覧会を成功させました。
搬入時の会場設営では、梱包材や工具などで雑然・混沌としていた会場が、次第に霞が晴れていく様に美しい空間に生まれ変わる様子は感動的でした。
自らがどう動くかを考え、自分が果たせる役割を見つけ出した方も沢山いた様です。
搬出係を担当してくれた学生は、真っ暗な中、学校に戻した重い荷物をトラックから降ろしイベントを締めくくって下さいました。
最終日には、2年生・3年生の皆さんによる作品のプレゼンテーションを実施!
1年生も参加したイベントでかえって緊張したかも知れませんが、自身の作品を自信を持って説明するには、作品への強い思い入れ(「思い込み」ではありません)と、作品にどれだけ深く踏み込めたかが重要ですね。
上級生の皆さんは、後輩に伝えていく重要な役割も担ってくれました。
私は常々…デザイナーにとって大切な資質の1つは「サービス精神」だと考えています。「喜んでくれると嬉しい…」という素朴でシンプルな気持ちが、創造活動の原点だと信じています。
皆さんが力を合わせたチームワークで実現したSTUDY展は、展示会以上の価値と経験を得るとても素敵なイベントだったと思います。
1年生の皆さんは、来年のデビューに備え、是非とも先輩を超えるつもりで臨んで頂きたいと思います。
金澤