3Dプリンター奮闘記

卒業制作も終わり、身の周りのバタバタした感じも少しは落ち着きを取り戻し始めました。
3Dプリンター奮闘記は、前回は見たことも無い状態でノズルが固まってしまい、私も一緒に固まってしまったところ…までお伝えしました。
その後、ノズルの交換後は、「ZEUS」も特に機嫌を損ねること無く、元気に働いています。 そうそう、グラフィックデザインコースの澤木くんの作品でしたね!

最初に彼が持ち込んできたのは、怪しげな図面が2枚。

sawaki2sawaki1
寸法追いはしてあるものの、辻褄や合わないところや形状が特定出来ない部分がチラホラ。彼と何度かの打ち合わせをして形状を特定した後、データ化しましたが、最終的にどんな作品の一部になるのか判らないままの作業です。

カップの取っ手はソリッドなものと、ワイヤフレームの様な形状の2種類です。

sawaki handle solid20160108sawaki handle wire20160108

3Dプリンターでは、空中に浮いた部位を垂れずに出力するために、最終的には取り外すサポートパーツを必要に応じて出力します。 このワイヤフレーム型の取っ手は、どの向きで出力するにしても、空中に浮く部分ができてしまいますが、殆どが最終的に取り外すサポート部分になりそうで、フィラメントがもったいない!…との判断から、写真の様に2つの部品に分け、空中に浮く部分が無い設定にしました。 後から接着の手間が増えますが、サポートをキレイに取り去る手間も掛かりますので、こちらの方がきっと簡単!

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とにかく、サイズが大きく出力時間が長いので、今度は異常が発生しても分かる様に朝一でスタートし1日中稼働する作戦に変更。

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お陰様で、無事に出力を終え、巨大なマグカップの出来上がりです。 出力直後に写真を取り損ねてしまいましたので、美術館で撮った作品の画像を御覧下さい。(結構、高い位置に展示してあり、見上げる様な写真になってしまいました)

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下の鏡餅みたいなモデルも「ZEUS」による出力です。

これも出力サイズを超え、半分に切った状態でデータを作ったのですが、中身が詰まった状態で出力すると、半分で450gのフィラメントを使うことが判明!

フィラメントは1kg単位で交換するのですが、2つ作ったらフィラメントがほぼ1巻無くなってしまう計算に…仕方が無いので、中空での出力に挑戦。 結果は…残念な感じ。

水平移動が大きくなる部位はサポートが無いとフィラメントの座りが悪く、隙間だらけの仕上がりに…(T^T)

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最終的には、澤木くんがパテを盛って穴を埋め、仕上げてくれました。

水平移動が少ない下半分はまあまあですので、穴が空きそうな部分だけ自動でサポートを作る設定にしてくれると、フィラメントもセーブ出来ていいのにね…。

 

PD 金澤