学生の作品がO.L.D.に置かれます。

3年生前期の小林先生の授業で、収納家具を制作した事は、以前にもこのブログで紹介いたしました。

長く使う、便利に使う、シンプルに暮らすというテーマで制作し、各グループが完成品についてのプレゼンテーションを行い、最優秀作品を選ぶところで授業は終了、、、、となるはずでしたが、熱血講師小林先生の授業は違いました!

なんと、最優秀作品に選ばれた、矢倉くん、喜久里さん、岩田くんの作品を、置いてもらえるショップを探していてくれたのです。商品として売るのはまだ難しいので、お店の什器として一定期間使ってくれるお店を探して下さっていました。

そして、ついに小林先生が以前からお付き合いのある方で、愛知県名古屋市天白区植田三丁目1403番地にある家具、アパレル、雑貨のセレクトショップ、O.L.D.の店長、今枝さんがお話を聞いて下さる事になりました。

学生達はその日に備えて、作品の写真を撮り、作品の良さを伝える為のプレゼンシートを作り、発表の練習をし、名刺の渡し方を訓練し、 、、、、。他の学生や先生方にも協力をお願いして、プレゼンの予行練習を聞いてもらい、気になるところや改善点を指摘してもらうなど、涙ぐましい努力をしてきました。

たくさんの先生方、先輩、後輩達にプレゼンテーションを聞いて頂き、コメントを頂きました

そしていよいよプレゼン本番!

18時過ぎに大学を出て、302号線を東進して、天白区のお店に向かいます。お店が近くなってくると、回りには雰囲気の良いオシャレな洋服屋さんや、雑貨屋さんが何軒も目に入りました。O.L.D.さんに着いたのは19時半ごろでした。大きな窓から中を覗くと、店長さんらしき方と、従業員の方が話していました。暖色の照明に照らされた店内の商品はどれも素敵。こんなところに置いてもらえるなんて、、、。本当に実現するのかなあ、、、。うまく話が進むといいなあ。

いざ店内へ!

積んで来た作品を降ろして、いよいよ店内にいる店長さんに会いに行きます。学生達はみんな普段は見せないようなりりしい表情!普段からそういう顔してよ〜(笑)。

店内に入り、まず私が名刺を出してご挨拶。続けて学生3人も、一生懸命作った手作りの名刺を出してご挨拶。1人目、2人目とご挨拶して、3人目の岩田くんが差し出した名刺で、店長さんの顔がちょっと緩みました。岩田”翔馬”という名前にちなんで、羽の生えた馬のイラストを描いていた岩田くんの名刺。研究室で、職員の助けをかりながら、あれこれ試行錯誤して描いたシマウマで、ちょっと店長さんが笑ってくれたようです。少し緊張していた雰囲気がほぐれ、持参した作品を設置し、準備が整ったところで、さっそくプレゼンテーションを始めさせて頂きました。

プレゼンテーション開始!

喜久里さんが練習通りに順調に話すタイミングに合わせて、矢倉くんと岩田くんがうまく家具を動かしたり、組立てたりします。喜久里さんの「1枚目の資料をご覧下さい、、、、2枚目の資料をご覧下さい、、、、」という言葉に合わせて、店長さんが手元の資料に目を通します。この資料を作成するのにも、何度も何度もやり直して試行錯誤しました。

「それでは、是非実際に手に取ってご覧下さい。」

 

手に取ってご覧下さい。

という言葉でプレゼンテーションは終りです。さあ、店長さんは興味を示して下さるのか、、、、。店長さんがデスクの後ろから前に出て、作品に近づいて来られました。どんなリアクションかな、、、、。ドキドキしながら見守ると、「面白いね。」「この構造は自分達で考えたの?」「この構造を利用して、もっといろんなバリエーションを考えられるよね。」などなど、いろいろな意見を言って下さり、興味を示して下さったようです!良かった!

興味を持って下さった〜!

そして、もちろんOKという事で、お店で什器として使用する事を快諾して下さいました。使用期間があまり短いと人目に触れる機会も少なくなってしまうよね、という事で、こちらの好きなだけ置いて下さるという事も言って下さいました。本当にありがとうございました。

実際作品がお店で見られるようになるのは、名古屋造形大学の卒展期間と合わせた2月14日からになる予定です。いつまで展示されるかはまた後日このブログで告知致します。

プレゼンテーションは相手へのプレゼントだと思え!とはよく言われる話です。相手に贈り物を送るような気持ちで心を込めて、、、という事ですが、果たしてプレゼンテーションは贈るだけのものでしょうか?実はそうではありません。今日私達は店長さんに名刺を渡した時から、すでにもらっているものがあります。それは店長さんの大切な”時間”です。プレゼンテーションは贈るだけではなく、同時に”時間”という、相手の大切なものを既にもらってしまっているのです。だから、価値の無い贈り物、プレゼンテーションを贈ってしまうのは、”ゼロ”ではなくて”マイナス”になってしまいますね。今回店長さんからは、貴重な時間を頂いただけでなく、作品を好きなだけ店内に置いていいと言って頂いたり、改善点や新しいアイディアといった作品に対するアドバイスを頂いたり、本当にたくさんの価値あるものを頂きました。そして、何より学生にこういったチャンスを作る為に、多大な時間と労力を費やして下さった小林先生にも、贈り物を頂きっぱなしです。

それに対してどういうお返しが出来るかを考えていくのは、これからがスタートです。話を聞いて頂いた3人が、そしてプロダクトデザインコースの学生みんなが、これを励みにしてもっともっとスキルアップしていく事も恩返しの1つじゃないかな、と思います。

みんないい笑顔

ホッとした後のみんな、いい笑顔だね!