台風の後は、頭脳嵐です。

急な出張、台風、芸術祭…と想定外に3週間をスキップして、ほぼ1ヶ月振りになってしまったプロダクトデザイン論。
今週・来週は、皆さんの貴重な土曜日を拝借し、2コマ続きでアイデア開発の体験学習を実施します。
1回目の18日は、3週抜けていきなりの土曜日ですので、出席率が低かったのは残念ですが、グループワークには丁度良いボリュームだったかも知れません。
前半に一般的なアイデア開発法として知られる手法を紹介し、後半はブレーンストーミングを通してテーマに沿った理想のプロダクトをイメージします。

先ずは、ウォーミングアップ!

皆さんに前に出てきてもらい、60秒で誕生日順に並んでもらいます。 但し、一言も喋ってはいけないルールです。
戸惑いながら、誰かが指で数字を示すサインを作ってアピールし始めます。 次第にそれが伝播しながら、みんなが相手の数字のサインを読み取ろうとしながら移動が始まります。
時間が限られていますので、後半は加速度的に伝播がスピードアップします。
結果は、誕生日が10月以降の人達が若干、混乱。 これは、2桁月2桁日の人達が、指のサインでは上手く数字を特定することが難しかったからの様ですが、9月迄はほぼ見事に誕生日順に並びました。
時間に余裕があれば、紙に書いたものをアピールしたり、免許証を掲げたり、誰かが壇上に上がり交通整理をしたり…と様々なアイデアが出てきた筈です。 しかし皆さんは時間の制約を考慮した上で、最も簡便で確度の高い方法をあっという間に暗黙裏に共有し、同じ目的に向かって行動することが出来ました。
「時間の尺度」と「解決すべき問題のハードル」のバランスを取ることは、アイデアを開発していく上で、非常に重要なことです。
そばで見ていると、誰かが突破口を開くトリガーとなり、全体を導く大きな動きを生み出す様子が分かります。 とてもダイナミックで感動的な瞬間でした。

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ブレーンストーミングには幾つかのルールが紹介されていますが、基本は「絶対に(相手を)批判しない・(自分を)否定しない」に尽きるでしょう。 人の意見に「Yes, and …」で膨らませていくことで、当人達も予想していない突拍子も無いイメージが見えてくることが醍醐味ですね。 何を発言しても大丈夫という安心の上に、ポジティブなスタンスで議論に臨むことが成功の鍵!

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開発のステージにもよりますが、企業でも初期段階でアイデアを拡げるだけ拡げるフェーズでは実践しています。 三菱では通称「おやかま」(やかましく議論が白熱するから)、ホンダでは「ワイガヤ」(ワイワイ・ガヤガヤ)なんていう隠語もあるくらいです。

デザイナーに限らず、創造することを学ぶ私達は、常にアイデア創出との戦いです。 講義クラスですので、ワークショップ型の授業には少し不安がありましたが、皆さんの「ノリ」に助けてもらい、とっても楽しい授業になりました。 さすが、クリエイティブな人達の集まりです。 授業後のレポートでも沢山の方が「他の人のアイデアに刺激を受けた」「自分の考え方が広がった」「楽しかった」等のコメントを書いて下さって涙がでました(T^T)

 

プロダクトデザイン 金澤