台湾旅行 -4日目-

とうとう三日間の研修最終日となりました。

この日は朝9時に亜東技術学院(以下OIT)を訪問しました。

ホテルの近くから電車に乗り11駅。

プレゼンを発表するということもあり、移動中はいつもより静かだった気がします。

OITに到着すると、まずは広大な敷地に圧巻。

何棟もある校舎からなり、青々とした芝生のグラウンドにマラソンレール、奥にはバスケットコートがあり、学生たちはプレーを楽しんでいました。

また近隣住民も自由に使用することができ、マラソンに励む中高年の方々、散歩する親子連れなど、幅広い層が思い思いに利用していました。

校舎に入り、教職員は先生方への挨拶回りを行いました。

学生は別室に移動し、 OITの陳美枝先生ご指導のもと、組紐体験を行いました。

授業スタイルは陳先生が一から組紐を実践し、学生は先生の回りを囲んで制作を進めていきました。

初めての技法に、みなさん苦戦したと思います。

学生が組紐体験を行ってる間、教職員は学校の中を見学させて頂きました。

図書館は三階建てで、コンピュータールームやグループで鑑賞できる映像視聴室、寝転びながら読書ができるオープンスペースまで完備されていました。

自由なスタイルで利用できるせいか、私たちが伺ったときも多くの学生が利用していました。

羨ましい設備ですね。

次に案内して頂いたのは電波無響室。

簡単に言えば、電波を測定する部屋です。

他からの電波を一切遮断し、アンテナから発する電波の性能を正確に測定することができるそうです。

特に印象的だったのは、「電波吸収体」と呼ばれるトゲトゲの青いスポンジでした。

このスポンジは入射してきた電波を10万分の1にまで減衰することができるそうです。

さすがは工学も勉強している大学ですね!

見学が終わると組紐体験も終盤に差し掛かっていました。

みなさん、完成したでしょうか?

私たち教職員も陳先生から腕輪をプレゼントしていただきました。

ピンクと茶色のかわいい腕輪、大切にします。

正午。

お昼ご飯はOITの教員の方々と参加者全員で中華料理のフルコースを頂きました。

ずらりと配置されたターンテーブルに一同大興奮!

小龍包に酸白菜火鍋など代表的な料理に舌鼓しました。

昼食を終え学校に戻ると、OITの学生が自分たちの作品を展示している部屋に案内してもらいました。

日本と同様にコンセプトを書いたパネルと模型が展示してありました。

今回OITの学生達がそれぞれ制作した作品の前に立ち、来た人に説明していました。

私たちも自由に見学し、OITの学生さんから英語で説明を受けました。

皆さん本当に英語が堪能でした。

しかしここからが問題。

彼らのプレゼンを聞き、点数をつけるという課題が課せられました。

これには学生全員が苦戦。

何をもって評価すべきか?点数の基準はどこでつけたらいいのか?ましてや言葉の壁・・。

ただ、そこは学生!

自ら積極的に説明を聞きに行き、OITの学生と交流していました。

中には1人でどんどん説明を聞きに行く学生も。

人を評価するには、まずは自分たちから動かなきゃいけないですね。

頼もしいです。

普段点数をつけられる学生たちにとって、評価する側として思考したときに、新たに自分の作品の見せ方を学んだのではないでしょうか?

さあ、今度は私たちがプレゼンを行う番です。

トップバッターを努めてくれたのは、三年生の岩田君・柴田君・清家君・山奥君の四人です。

グループ全員でまとめ、プロダクトコースの紹介や[O.L.D.]で行われている三年生の岩田君・喜久里さん・矢倉君の「Slit Shelf」展で展示している作品の紹介などを行いました。

プロジェクターの投影には画像だけでなく、OITの皆さんにも分かって頂けるように英語を用いるといった工夫がなされました。

次に行われたのは二年生の中間さんです。

今年一月にヤマギワで行った「あかりてん」で展示した作品の紹介を行ってくれました。

プレゼンの場に自身の作品を持ち込んだのはとても印象的でした。

作品を実演で組み立てながらのプレゼンは、作品に対する理解が広がり言葉の壁もなくしてくれました。

言葉といえば、大学院生の李さんが大活躍してくれました。

彼女は中国からの留学生ということ、そしてなにより李さんの話す北京語が台湾での公用語となっていることが今回のプレゼンに大きく影響しました。

李さんはプレゼン発表者の日本語を中国語で通訳し、また中国語での質問を日本語で訳してくれるという大役を努めてくれました。

本当に感謝です。

さて、お次ぎは二年生の川村君。

川村君は持ち前の明るいキャラクターを上手くプレゼンに取り入れ、作品を紹介しました。

OITの学生さんにとっても川村君という人柄から作品に入り込めたのではないでしょうか?

プロダクトコースのトリを努めてくれたのは、またまた二年生の小栗君でした。

二年生の前期に学内併設のD2・D3ギャラリーでの「あかりてん」の作品を取り上げました。

展覧会の趣旨を含め、的確にまとめられた内容はシャープだったと感じさせられました。

またジュエリーコースから一人、二年生の原口さんもプレゼンに挑戦してくれました。

彼女は一年生の後期から現在までの一年半に渡る作品を取りあげました。

作品のコンセプト・モチーフなど色んな角度からの画像を踏まえて紹介してくれました。

OITの学生にとっても新鮮だったのではないでしょうか?

台湾と日本、国は違えどプロダクトする情熱は変わらないですね。

お互い刺激し合った3日間だったのではないでしょうか?