バラさん、外部先生、ありがとう御座いました。

この3月で、私達プロダクトデザインコースは2人の大切な先生を定年でお送りしなければなりません。

おひとりは、30年に渡り木工の基礎から応用まで…モデル作りを指導して下さった工房職員の榊原さん…親しみを込めて「バラさん」の方が私達にはしっくりしますね!

プロダクトデザインコースのみならず、ほとんど全てのコースの学生や教員がお世話になった筈ですが、出自の御縁か取り分けプロダクトデザインコースの学生には目を掛けて頂き、技術的な指導や相談は勿論、課題に対するアドバイス、取り組む姿勢や安全に対する配慮、時には個人的な相談に至るまで、学生達にとって、良き指導者であり、相談相手であり、駆け込み寺の様な存在であったと思います。

カリキュラム上は、最後の授業となった1月16日にPDコース全学年の出席者を工房に集め、4年生を代表して、今まさに卒制の木工作業でお世話になっている寺石さんから花束を贈らせて頂きました。

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カレンダー上の最後の授業は終わりましたが、卒展の搬入まで毎日の様に工房作業が続く4年生を相手に、いつもと変わらない厳しくも優しい指導を続けて下さっています。

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もうおひとりは、2年生の授業でクレイモデルを御担当頂いてきた外部先生です。
学生達と授業や課題について話していてよく出てくるのは、外部先生の人気振り。

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クレイモデラーという仕事は、一般的にはあまり馴染みが無いかも知れませんが、同じ自動車業界にいた私にとってクレイモデラーは、デザイナーの夢をカタチにしてくれる魔法使いの様な存在なのです。

立体的な辻褄よりもイメージを優先させたデザイナーのスケッチを見ながら、その狙いと特徴を殺さずに、時に設計要件という魔物をねじ伏せながら立体として成立させるスキルを持ったスペシャリストです。
モデルを仕上げる技術も熟練を要し、一人前になるには長い時間と経験が必要な仕事ですが、立体の考え方や面の繋がり、形の成り立ちやそれをどういう手順で立体化していくか…というクレイモデルのプロセスは、立体を扱うプロダクトデザイナーにとって、とても役に立つ視点です。

とても面倒見の良い先生として学生からの信頼も厚く、やる気を見せればトコトン付き合ってくれるその姿を何度も拝見しました。

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熟練の技と経験・知識を持つおふたりに御担当頂いたのは、いずれも「ものづくり」の現場を象徴する授業で、立体デザインを成立させる原点となるスキルです。
名残は惜しいですが、お世話になった学生達も教えて頂いたスキルを磨き、卒業制作を始め多くの課題制作に活かしていくことと思います。

是非、2月14日からの卒展にも足をお運び頂き、彼らの成果を見届けてやって頂きたいと思います。
長い間お世話になり、本当にありがとう御座いました。

PD 金澤