10月28日(日) 雨

今日は名古屋造形大学総合造形コース(現コンテンポラリーアートコース)3年生のアートフィールド展の作品を見て回るバスツアーの日だ。

「アートフィールド」について、3年生が作成したHPからの文章を引用すると…「名古屋造形大学総合造形コース3年生が、自ら制作、運営を行う展覧会プロジェクトです。このプロジェクトは、美術館の外へ飛び出し、社会のなかでインスピレーションを受け制作し、その場所で展示をします。社会を意識して作品制作をする、ということは、学内の課題制作とは異なり、現地での交渉、地域の方々との交流など、他者からの理解を必要とし、作品と社会との関係性を考える機会となります。」ということだ。

以前のブログでも紹介したが、アートフィールドは非常にハードな授業で、展覧会の企画運営と、自作の設置場所を探し、交渉し、作品を制作することを同時に行わなければならない。
卒業生がこの授業を振り返って「あんなに大変な授業はなかった。しかし、普通の授業ではできない貴重な経験をすることができた」と口々に言うのを何度も聞いたことがある。

この授業はスタートして15年近くになるが、当初から中瀬康志先生(金沢美術工芸大学教授)の指導を得ている。先生の作家としての鋭い視線と豊富な野外展企画運営の経験があってこそ、この授業が成り立つといえる。

今年のテーマは「どうとも思わないものを見続けるのか」で、彼らはこのテーマについて以下のように解説している。
「私たちは、普段生活する中で様々な物事を無意識に見ています。
反射的に見たものを見逃すことはあれど、『見続ける』という行為は何かしらの意識が伴っていなければ成立しないものです。
我々の作品を『見続けている』『意味』に気付いてほしいです。
今回のこの展示では、場所性を意識したインスタレーション作品を展示しています。」

http://artfield-2012.jimdo.com

マイクロバスで移動する。バス車中での講評もある。

宇野文人作品。公園内の遊歩道での速度制限表示。

下村優紀作品。コンテナの扉を閉めると壁面に蓄光塗料(まち針の頭に塗料を塗ったもの)による図像が浮かび上がる。

堀口葵作品。木工作業所の廃屋でのインスタレーション。現場に残っていた大量のおが屑を手で固め、オブジェとして使用している。

小口紫音作品。カフェの3階、屋根裏部屋が作品となっている。

加藤勇作作品。俗に言う”ゲイバー”に写真作品が展示されている。

田中萌子作品。地下鉄の駅構内にピラミッドの内部を描いた絵画作品などが展示されている。

羽鳥由里香作品。地下鉄の構内に”顔”が描き込まれたお菓子などのパッケージが貼られ、知人たちの”願い”が書かれたカードが掲示されている。

羽鳥さんはドイツのバウハウス大学に留学中のため、Skype経由で講評が行われた。

半日の講評が終了、みなさんお疲れさま!

展示は11月10日(土)まで行われています。詳しくは上記URLで。