1月31日(土)晴れ

信じられないことだが、もう1年の1/12が過ぎてしまった。
人生の持ち時間が猛スピードで削り取られてゆくような焦燥感に駆られる。

朝、愛知県知事選挙と小牧市長選挙の期日前投票に向かう。
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明日は入試業務で一日中大学に缶詰めとなる。

今日は敢えて大学に行くのをやめ、自宅で頭の整理。
学長室に入ると種々の業務のことで頭がいっぱいになるので、逆に整理が付かないこともある。

中国の花開くお茶を飲む。
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オオッ!花が開いた!!
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少しリラックスして午後の時間を過ごし、その後名古屋でコンサート。
今日は名古屋フィルの第420回定期演奏会。
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今期の名フィルは1という数字にこだわった定期だった(この選択は個人的には疑問)。今回のメインはワーグナーの「ニーベルンクの指輪」第1日目の「ワルキューレ」第1幕(演奏会形式)。ここでも1にこだわっているが、ハッキリ言って意図がよくつかめない。

ところで、ドイツ語読みだと「ヴァーグナー」の「ヴァルキューレ」となるのだが、なぜ「ワーグナー」の「ワルキューレ」なのだろう。ベルクの「ヴォツェック」は「ウォツェック」とは言わないのに…

まあ、ベートーヴェンはドイツ語読みだと「ベートーフェン」か「ベートホーフェン」なのに、英語読みに近いベートーヴェンというのが一般的だし…
混在しているね、音楽分野の日本語表記。

さて、今日のプログラムはリヒャルト・シュトラウスの「セレナーデ変ホ長調」、ブリテンの「シンプル・シンフォニー」、そして、ワーグナーの「ワルキューレ第1幕」だ。

考えてみると、ワーグナーはもちろんだが、リヒャルト・シュトラウスもブリテンもオペラ分野で大きな足跡を残した作曲家だ。

それに、面白い選曲だと思ったのは「セレナーデ変ホ長調」が管楽器のみのアンサンブル、「シンプル・シンフォニー」が弦楽のみのアンサンブル、そして、「ワルキューレ第1幕」がフルオーケストラ+声楽、という風にはっきりと楽器編成が違っていて、その音色の違いや編成の大小を視覚的変化を楽しみつつ聴ける仕掛けとなっていることだ。

リヒャルト・シュトラウスの「セレナーデ変ホ長調」はなんと17歳の時の作品だ。モーツァルト、ロッシーニ、メンデルスゾーンなどと並ぶ早熟の天才と言えるだろう。

この作品の楽器編成はフルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、コントラファゴットまたはテューバ(コントラバスでも可)だ。一方、モーツァルトの同じく13楽器を使ったセレナーデ、いわゆる「グランパルティータ」はオーボエ2、クラリネット2、バセットホルン2、ホルン4、ファゴット2、コントラバスという編成で、「グランパルティータ」のバセットホルン2をフルート2に置き換えたらリヒャルト・シュトラウスのセレナーデとほぼ同じとなる。あきらかにモーツァルトの作品を意識していたのだろう。
それにしても、高校2年生くらいの男の子がこんな曲を作るなんて…

そうそう、今日のメインの「ワルキューレ第1幕」は丁寧な音楽作りがなされていた。ソリストも好演、名フィルも素晴らしい演奏で、よく彫琢された音楽だった。

「指輪」は実際のオペラ劇場では序夜の「ラインの黄金」と第3夜の「神々の黄昏」しか聴いた経験がない。叶わぬ夢かもしれないがバイロイトで「指輪」を聴いてみたいものだ。

コンサートを終えて見る夜景。
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心豊かな気分で帰宅。

※ バイロイト(Bayreuth)はドイツ・バイエルン州の小都市で、祝祭劇場(Bayreuther Festspielhaus)はワーグナーが自作を上演するために自ら設計した全木造の歌劇場だ。バイロイトはいわば、ワーグナー・オペラのメッカでチケット入手は非常に難しい。