8月29日(水)曇り時々雨

午前9時に大学へ。
少し書類作成、その後11時からゼミ展のミーティング。
展覧会の搬入まで1週間を切っているので、もう、この時点に来ると、作品の若干のブラッシュアップと搬入手順などの実務的な話がメインとなる。
あとは現場のココロだ!

今日は小牧キャンパスも蒸気に包まれている感じ。

午後からは同朋学園名古屋キャンパスへ。ここで若干の打ち合わせ等があり、再び小牧キャンパスへ戻ったが、道中ところどころで土砂降りに遭遇した。

大学に戻って仕事をしながらの音楽、今日はモーツァルトの「6つのノットゥルノ」から聴き始めた。実は昨日もバスの車中でこの曲集を聴いていた。6つのノットゥルノと言う表記もあるが、正確に言うと「5つのノットゥルノと1つのカンツォネッタ」。

ノットゥルノはイタリア語(notturno,複:notturni)で夜想曲の意味。英語ではノクターン(nocturne)となる。モーツァルトのセレナード第8番ニ長調KV286は「4つの小オーケストラのためのノットゥルノ」と呼ばれているし、セレナーデ第6番ニ長調KV239は「セレナータ・ノットゥルナ」だ。自分で名付けたかどうかは知らないが、モーツァルトは「ノットゥルノ」を幾つか書いている。
一方、モーツァルトは「ナハトムジーク」と呼ばれる曲も(自分で名付けたかどうかは知らないが)書いている。ナハトムジークはドイツ語で(Nachtmusik)英語では night music、日本語では「夜曲」だ。モーツァルトのセレナーデ第12番ハ短調KV388は「ナハトムジーク」、有名なセレナーデ第13番ト長調KV525は「アイネ・クライネ・ナハトムジーク(小夜曲)」と呼ばれている。
さらにこのセレナーデ(ドイツ語:Serenade、イタリア語:serenata)、もともとは恋人に捧げるためにギターなんかをつま弾きながら歌ったものらしいが、この中にも夕方に奏でる音楽というような意味が既に入っているらしい。そのためか、日本語では「夜曲」や「小夜曲(さよきょく)」と呼ばれる。なかなか趣のある呼び名だ。

日没後の薄暮の時に静かに奏でられる音楽、ロマンチックだ。今のように明るい照明もない黄昏時に静かに歌われたりしたら深窓の令嬢もバルコニーまで出てこざるを得ない。しかも薄暗いこともあって、お互いの想像力は良い風に働き、目出度く恋は成就することとなる。

話が脱線したが、私の好きな「ノットゥルノ」はモーツァルトの6つのノットゥルノ(5つのノットゥルノと1つのカンツォネッタ)KV436, KV437, KV438, KV439, KV346(439a), KV549。最後の1曲は「カンツォネッタ」で少し他の曲と比べて曲の趣が異なるが、実は私はこの曲が一番好きだ。
これらの6曲は2人のソプラノと1人のバス、そこに伴奏として3本のバセットホルンが付くという独特な組み合わせなのだが、これが得も言われぬ鄙びた響き(良い意味で)を醸し出すのだ。本当に美しい。19~20歳の一時期ほとんど毎日聴いていたが、今でもこれらの曲を聴くと、その頃住んでいた武蔵小金井あたりの風景が浮かんでくる。これからもこの曲を聴くたびに武蔵小金井の風景が出てくるのかな、と思うとちょっと??だけど…

その頃、聴いていたのはスイスのミュージシャンによるレコードだったが、これはCD化されていないようだ。今は別の演奏を聴いているが、昔聴いていたこの演奏が今でも一番良いと思う。急に聴いてみたくなった。

帰宅したら何故かすぐに停電。周辺の家も街灯もすべて消えていて全くの暗黒。原因はよく分からないが、回復するまで闇の中で過ごすことになった。
今日は何故か「夜」を想う日だった。

それでは、おやすみ!