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芸術家・アーティスト


絵画や彫刻、陶芸作品だけでなく、映像・空間・インスタレーションなど、素材や表現方法を問わず、作品制作や発信、発表、展示を行います。制作活動を通して、物事を表現したり、自身の人間性や感性、思考、概念の漸進を試み、価値観を明示したりする仕事です。
制作活動には、1点で成立する作品をつくる、人々が参加できる場を提示する、見えないものをつくる、新しい技術を開発する、旅をする、なにもしない、など「それってアートなの?」と疑問に思うようなものまであります。アトリエやスタジオを拠点に制作し作品を流通させる、世界各地を渡り歩きながら制作する、個人で制作する、スタッフと一緒に活動する、プロジェクトごとにチームを組んで制作する、など活動スタイルも様々です。
そうして生み出した作品は、ギャラリーや美術館、芸術祭、アートフェア、コンペでの発表や、作品集などの形で公開します。このときに、作品の売買や制作費、出品料、賞金、掲載料などの形で対価を得ることができます。作品の売買はギャラリーやディーラーを通すことが一般的ですが、近年はSNSを通して世界中のコレクターに直接販売することもあるようです。
ほかにワークショップやトークイベントなどでアートを広める活動や、企業や自治体とのコミッションワークなど依頼に応える仕事もあります。
事務処理や作品管理などをギャラリーやマネージャーに任せられると、ますます制作活動に集中できます。
作品次第で、歴史に名を刻む可能性のある究極のフリーランスです。

【美術表現領域】卒業生 水戸部七絵 / コメント

―作家になるために行った方が良い事はありますか?
作家活動を行うなら、ギャラリーやアーティストトークに伺うのは必要不可欠です。どこへ行くにしてもポートフォリオを持ってアピールすることが大切です。美術業界って不確かな世界で、単純に「売れるので良し」「いい作品を描けば良し」という世界ではありません。作品の良し悪しの評価は観ている人に左右されます。美術史も誰かの評価によってそれらが残っているわけです。それも100年、1000年先には存在しているかわかりませんが。遠回りでも、やりたい事を実現するにはどうしたらいいのか、常に考えて行動しなければいけないですね。

必要な能力 TOP5

技術力 追及心 行動力 継続力 発想力
社交性 協調性 客観性 几帳面 責任感
向上心 主体性 柔軟性 計画性 自制心

大学で身に付けるべき能力

  • たくさん"失敗"する
  • 芸術・美術を好きになる
  • 多様な考え方にふれる

たくさん"失敗"する

多くのことは最初から上手くはいきません。失敗はつきものです。失敗には現在の自分がヨシとする価値観ではないものが含まれます。それゆえ失敗は豊かで次の課題につながるものが多く含まれます。学生のうちにトライアンドエラーをくりかえして、自分自身の経験にしてください。この経験が未来の自分を助けてくれます。
課題制作では課題出題者の意図をくみ取ったり批判的にとらえるだけでなく、普段から自分が考えていることと課題を照らし合わせて、自分側の問題として考えていく必要があります。受け身ではなく常に能動的な姿勢で課題に臨むことが大切です。芸術は正解がひとつではないジャンルでクライアントは自分自身です。

芸術・美術を好きになる

本学を含む美術系大学を選ぶ学生の理由の大半は「絵を描くのが好き」だからというのは、もちろんよくわかっています。ですが、そこから「美術・芸術が好き」という段階にまで是非進んでほしいと思っています。自己表現の実現のために制作し作品を作ることは当然なのですが、そこから一歩踏み出し、歴史上の作品や他者の作品、他のジャンルの作品などと自分の作品や活動を相対化していく必要があります。なぜなら、独り善がりの作品とそうでないものの違いはこういった部分にあるからです。名作の多くは作者の経験や思考が含まれています。さらに作品がその時代に作られた必然性までも含まれています。私たちは知識や経験を手がかりにすることで、それらをより深く読み取ることができます。ですから何歳になっても何処にいても作品を鑑賞することが大切になるのです。
連綿と続く美術芸術の歴史と現在の自分が地続きであると実感するためには、現在進行形の社会の出来事と向き合い、アートシーンの一員として仮定してみることが必要です。

多様な考え方にふれる

あなたが本当に大事にしていることは何でしょうか?その考え方や物事は環境外的要因や時代の空気や他人にどう思われるかに左右されていないでしょうか?何からも影響を受けず、完全にオリジナルで思考したり制作することはできません。大切なのは折に触れて検証し、頑固さと柔軟さをもって更新し続けることです。そのためには出来るだけ多様な意見やメディアに触れ、自分を揺さぶり続ける必要があります。
ネットやSNSなど、つながりやすく広がりやすい“早いメディア”に適応することも大事ですが、本をじっくり読む、長編映画を観る、1点の彫刻を触るようにみる、など“遅いメディア”を通して深められた思考は、自分の中に地層のように堆積していきます。
さらに批判と非難を混同することなく、建設的な批評に慣れておきましょう。作者の手を離れた作品は様々な言説にさらされます。必ずしも好意的な意見ばかりではありません。作者として、かつ鑑賞者として、作品や言説と適切な“間合い”を探ることは、活動を続けていく際に心身を健全に保つことへつながっていきます。多様な考えに触れ、自分とは異なる立場に想像力を働かせられることは、芸術に限らず、身につけるべき能力です。

芸術家・アーティストになるためには

美術表現領域では、卒業後に応用可能な思考と技能を修得するために、基礎力の向上とメディアへの理解をサポートします。
そして豊かな感性や人間性を育むため、鑑賞や他分野への興味を積極的に促していきます。経験則に頼りがちな実技指導の問題を解消するために、スタジオでは各分野で活躍する専門家を招聘し、「ひらかれた場」をつくっていきます。

情報表現領域では、メディアアーティストの分野に関して学ぶことができます。今注目されているインタラクティブコンテンツやエンターテインメントに近いデジタルアートを学びたい学生に向けた実践的な授業が行われます。

また、学生が将来を具体的に描くヒントになるよう多様なアーティストをモデルケースとして紹介します。正解がひとつではない芸術に真剣に取り組んでいくことは、困難な局面でも自ら思考する力を身につけることに繋がり、美術教育を通して自立した人材を社会に送り出すことが出来ると考えています。