12月24日晴れ

朝、東京のホテルを出てつくばに向かった。
昔は無かったつくばエクスプレスに実は初めて乗った。

つくばには、20年以上前になるが、半年ほど研修員として在籍したことがある。そのころは現在の大学で仕事をしながら通っていたので、車で通うことが多く、たまに新幹線とバスで通うくらいだった。

本当に便利になったものだ。

この人工的な町並みも懐かしい。
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つくば美術館で「新進芸術家育成交流作品展」を見た。全国44大学から絵画、版画、彫塑、書の分野で活躍する126名の若手作家の作品展だ。
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さすが、優秀な卒業生たちの作品展だけあって、本当によく出来た作品ばかりだ。皆さん優等生だったんだろうな…と思う。ただ、サラリと見られてしまったことに一抹の淋しさを感じたことも事実だ。「型通り」と「型破り」どちらから未来が切り拓かれるのだろう。

その後、水戸へ移動。
風は少し冷たいのだが、日差しが強く、日向は本当に暖かい。

まあ、それぞれの都市に悩みはあるものだ。
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眩しい日差しの中を歩いた。
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桜川沿いに歩く。
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ホテルはリバーサイド。
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そして、県立近代美術館へ。
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「筑波大学〈総合造形〉展」を観た。
前述したように、20年少し前には総合造形の三田村先生に随分お世話になった。また、今は名古屋造形大学の卒業生で筑波の大学院で学んだ村上史明君も助教として在職している。

総合造形で行われてきた教育は非常にユニークで実験的なものが多く、それが実に大事なところを突いていると思う。ユニークなアーティストを大勢輩出してきた背景にこれらの授業があったことは間違いないだろう。

ゆっくりと楽しみながら観させていただいた。

美術館の隣には美しい千波瑚(せんばこ)がある。
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元々はもっと大きな沼(平均水深が1m程度で沼に分類される)だったらしいが、干拓等により、現在の大きさになったとか。それにしても街の中心部からさほど遠くないところにこのような安らげる風景があることは本当にうらやましい。

その後、水戸芸術館へ。
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石川直樹の「この星の光の地図を写す」という展覧会を観た。

よい展覧会だった。

かつて指揮者のアルトゥーロ・トスカニーニが「音楽は耳の空気だ」と言ったことを何かの本で読んだことがあるが、「芸術は心の空気だ」とあらためて感じる。新鮮な空気を胸の奥まで吸った。

すっかり暮れてしまったタワー。
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夕暮れの中を
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歩いて、
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バス停に向かった。
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いつも思うが、何となくこの辺り、宇都宮に似ているように思う。

水戸駅。
おおっ、電車がホームに乗り上げている!
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・・・と思ったらキヨスクの建物だった。

夜の常磐線をマーラーの交響曲第6番を聴きながら東京に戻った。
この曲では終楽章にハンマーの一撃が二度出てくる。

ハンマーといっても、とんでもなくでかいやつを床に叩き付けるのでとてつもない音がする。この楽章では当初三ヶ所ハンマーの打撃があったのをマーラーが三度目のを削除し、今日では一般的に二度バージョンが使われる。しかし、今回聴いたのは、三度目のハンマーを生かした版で、演奏しているのはレナード・バーンスタインとニューヨークフィル(旧盤)。

マーラーの当時の状況や、後に妻のアルマが語った証言などを念頭に置いて聴いてみると、これはこれで面白い。