10月21日(水)晴れ

午前11時、豊田の斎場で故寺光彦(てら みつひこ)先生の告別式が行われた。寺先生は私の4代前の学長で名古屋造形芸術短期大学、名古屋造形芸術大学の学長を長きに亘り務められた。

私が名古屋造形芸術大学(現名古屋造形大学)に採用された1991年当時、新米教員の私が寺学長と直接お話しさせていただく機会はそれほど多くなかったが、寺先生が大学を退職され、その後豊田市美術館の初代館長の職も退かれた後、名誉教授として大学の行事にお見えになった際に親しくお声がけいただいた。先生の優しい笑顔が思い起こされる。

今日の名古屋造形大学の基盤を作ってこられた寺先生に感謝の気持ちを込めてお別れをした。

大学に戻り空を見ると、今日はやわらかな水色に白い雲が美しい。
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午後はマンガコース1年生の人体デッサン授業。
今年の学生さんたちは授業に臨む態度が総じて真面目で、それだけに上達が著しい。どこまで伸びるか楽しみだ。

休憩時間にデッサン室の石膏像を何となく眺めていると、色んなことを思い出す。
これはガッタメラータ。むかし”ガッタメ”と呼んでいた。
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ごつごつした起伏が多いので、私には比較的描きやすかった。浪人時代、ガッタメにはかなり勉強させていただいた。

大学時代、石膏室にはガッタメラータ騎馬像とコレオーニ将軍騎馬像が向かい合っていて、1年生の時に、大判の木炭氏にデッサンしたのが最初の授業だったように覚えている。そのときは、たしか”コレオーニ”の方を描いたんじゃなかったかな…??

ガッタメラータ騎馬像はドナテッロの作で、パドバのバシリカ・デル・サントの近くに設置されている。1979年にヨーロッパを旅行した際、ベネチアから北に向かう途上、パドバに寄ってこの像を見た。一方、ベネチアでコレオーニ将軍騎馬像も見た。こちらはドナテッロの弟子でもあったヴェロッキオの作。こちらはなぜか石膏の胸像にはなっていない。かっこいいんだけどね!?

授業後、学長室で仕事。
会議のため学園本部に向かったが、渋滞で時間がかかってしまい。到底間に合わなくなったので途中で断念。お断りの連絡をして戻ろうと思ったが、皮膚科の看板が眼に入ったので急遽診察を受けることにした。

実は1年くらい前から頬にできもののようなものが出来、このところ少し大きくなってきたので気になっていたのだ。少し茶色っぽい色になってきたこともあり、時間があるときに検査を受けようと思っていたところに、たまたま時間が出来て目の前に皮膚科があった。

待合室は非常に混んでいて1時間半ほど待ったのち診察を受けた。
・・・そこで聞きたくない言葉を聞いてしまったのだ。
「老人性のいぼじゃないですか?」
そこには、安心させようという優しいお言葉にも関わらず、グサッと心を傷つける”老人”という言葉が入っていたのだ。

このところ「加齢」とか「老人」とかいう言葉に過敏になっているので、この言葉には結構めげた。

結局「念のために」ということで、2カ所(もう1カ所種類が違う”いぼ”が見つかったのだ)の皮膚を直径3~4mm位の筒状の刃の付いた道具(トレパンというらしい)で採取した。結構痛かった。

採取後、こんな状態に…
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てっきりこのまま数日過ごすのかと思っていたら、数分でバンドエイドに交換され、ホッとした。

老人性のイボか・・・
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