デッサン
鉛筆デッサン 静物（卓上モチーフ）
| 問題 | 与えられたモチーフを、自由に構成し描写しなさい。 |
| 時間 | 3時間 |
| 用紙 | 画用紙（四ツ切） |
| 持参具 | 鉛筆、消し具（ねり消し含む）、削り具、紙やすり、はかり具（はかり棒、デスケル等）、定規（50cm 以下）、布、擦筆、ティッシュ |
2023年度入学者選抜 参考作品
【学外】総合型選抜・併願
モチーフ
- ペットボトル飲料（500ml）１本
- 菓子パン(袋入り）１本
- ターナー１個
- タオル(青）１本
条件
- 与えられたモチーフは全て描写すること。
- モチーフは加工をせず、そのまま描写すること。
- 菓子パン（袋入り）は袋を開ける、つぶすなど変形を加えないこと
- モチーフは自由に配置してよいが、机の上で配置した状態で描写すること。
参考作品
講評文
力強い印象のデッサンです。質感に迫ろうと苦心した鉛筆の使い方がうまく表現に繋がっています。見せ場のメロンパンの包みロゴとツヤ感、中身の描き分けも見どころになっています。また台との接地面の影も丁寧に追っているため個々の重さも感じられます。折れ曲がったタオル、メロンパンと木ベラの関係は奥行きが出にくい設置の仕方なので、それぞれのモチーフの重なり方や向きに工夫をして、手前から奥へ向かう流れを作るとさらに描きやすくなるはずです。
【学内】総合型選抜・併願／学校推薦型選抜・指定校
モチーフ
- ラップフィルム １個
- 熊手 １個
- みかん １個
- ガラス製保存瓶 １個
条件
- 与えられたモチーフは全て描写すること。
- モチーフは自由に配置してよいが、机の上で配置した状態で描写すること。
- モチーフは加工をせず、そのまま描写すること。
- ラップフィルムは箱を開けるなどの変形を加えないこと。
- みかんはつぶす、むくなど変形を加えないこと。
- ガラス製保存瓶の蓋は開けてもよい。
参考作品
講評文
ガラス瓶の形態を正確に把握し、透明感や立体感を出しています。瓶の口の部分に熊手を立てかけたり瓶のふたを立てかけることで影の表現を含めて空間をうまく演出しています。さらに瓶の背後にサランラップを重ねることで透けて見える部分を絵の中心として描写する工夫がみられます。個々のモチーフの硬さや柔らかさ、色の濃さの違いは丁寧に描き分けられています。構図的には画面上部が少し空いてしまったことが残念です。
講評文
ガラス瓶の直立している感じが出ている上にガラスの硬い質感もしっかり表現されています。サランラップにパースを付けて配置することで奥行き感を出しています。さらにサランラップのロゴがガラスを通して歪んでいる状態を丁寧に描写しており、これが絵の見せどころになっています。熊手の濃い色と硬い質感や瓶のふたの金属感など質感の観察力と高い表現力を感じさせます。構図的にはもう一回り大きく配置できればより迫力が出せたでしょう。
【前期】一般選抜
モチーフ
- にんじん １本
- グラス（ガラス製）１個
- ランチョンマット（白）１枚
- 箱入り菓子 １個
条件
- 与えられたモチーフは全て描写すること。
- モチーフは自由に配置してよいが、机の上で配置した状態で描写すること。
- モチーフは加工をせず、そのまま描写すること。
- 箱入り菓子は箱を開けるなどの変形を加えないこと
- にんじんはつぶす、むくなど変形を加えないこと。
参考作品
講評文
ガラスのコップを手前に配置することで奥に別モチーフが透けて見え、像の歪みなどを丁寧に描写することでガラスの質感と手前奥の距離感を同時に上手く表現出来ていると思います。布を折り曲げた部分にニンジンを配置している点も、布の柔らかさを伝える効果を生んでいます。台に落ちたそれぞれのモチーフの影をもう少し丁寧に、濃淡の変化を繊細に追いかけて描写すると存在感が増してより良くなったのではないかと思います。
講評文
自然物であるニンジンの質感表現が大変優れており、特徴をよく捉えていると思います。お菓子の箱のパースも自然で、ガラスのコップの回り込みもうまく表現出来ています。敷かれた布と他の３つのモチーフが接している部分の陰影の表現が丁寧なのもよいと思います。布をもう少し折り曲げたり歪ませたりして配置すると柔らかさが伝わりやすくなり、全体の構図的にも動きが出てより良くなったのではと思います。
【後期】一般選抜
モチーフ
- シャンプーボトル １本
- デニム生地 １枚
- ガラス製保存瓶 １個
- フランスパン（袋入り）１個
- 青りんご １個
条件
- 与えられたモチーフは全て描写すること。
- モチーフは自由に配置してよいが、机の上で配置した状態で描写すること。
- モチーフは加工をせず、そのまま描写すること。ただし、デニム生地は折り曲げたり、丸めたりしても良い。
- ガラス製保存瓶の蓋は開けてもよい。
- フランスパン（袋入り）は袋を開けるなどの変形を加えないこと。
- 青りんごはつぶす、むくなど変形を加えないこと。
参考作品
講評文
空間、光、モチーフの構造をそれぞれしっかり追ってかかれた素直なデッサンです。B系の柔らかい鉛筆を多用して画用紙の目をつぶさずに丁寧に描いているので力強くてすっきりした印象をうけます。コーヒーサーバーの円錐状の構造やガラスの質感の拘った描写にくらべて、取っ手の部分の希薄さ、玉ねぎの球状の構造の弱さがもったいない点です。ランチョンマットの線の模様は説明的に描かずとも強弱と明るい部分の表情が豊かなので空間に広がりを感じる仕上がりになっています。
クリエイティブチャレンジ
モチーフ
- ウォーターポット １個
- 布（赤のストライプ） １枚
- ピーマン １個
- スコップ １個
- 木製ブロック１個
条件
- 与えられたモチーフは全て描写すること。
- モチーフは自由に配置してよいが、机の上で配置した状態で描写すること。
- モチーフは加工をせず、そのまま描写すること。
- ウォーターポットの蓋は開けてもよい。
- ピーマンはつぶすなど変形を加えないこと。
参考作品
講評文
木製の立方体とガラス容器が接してしまっているところが残念ですが、ガラス容器を手前に置いたことで、ガラス容器の大きさ、ガラスの質感、厚みが描かれています。絵は光をどう表現するのかが重要なポイントです。このデッサンではガラスを描くことによって光が表現されていました。そこが他のデッサンと大きく異なったポイントでした。また、物一つ一つが存在していることが、鉛筆の黒をしっかりのせることで表されています。
講評文
画面に物がバランス良く配置されています。構図の明快さが良いです。どこに何がどのように置かれているかの図式がよくわかるデッサンです。ガラス容器がやや希薄ですが、ストライプの柄を上手く使い布を立体的に置くことによって、手前のスコップから奥へと目を誘導し、絵の中に空間を感じられます。それぞれの物の質感の違いを出せるとより良いかと思います。
昨年以前の参考作品
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年度別に各試験で出題されたものが掲載されていますので、受験対策などにお役立てください。
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