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卒業生紹介

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教員/画家 梶原飛鳥さん


Profile

梶原飛鳥さん

梶原飛鳥

中学校教員(美術)
美術表現領域(旧 日本画コース)卒業
大学院 修了

第46回京都春季創画展 入選
春季創画展賞 受賞

いつから美大に行こうと思っていましたか?

中学生の頃には美大へ行くつもりでした。それで高校の普通科に進学して、受験対策とかではなく、純粋に絵を習うために画塾にも通い始めました。普通科へ進学したのは、高校で美術を専門的に習えるということ自体を認識していなかったからです。そういう環境があるということを知ったのは、通い始めた画塾で美術系の高校に通っている友達が出来てからでした。あんまり学校にはこだわりがなくて、最終的に美大にいけるのだったら、高校はどこでも良いかな、と。

作品画像

なぜ美大に行こうと決めたのですか?

好きなことをして生きたいと思ったからです。どこの大学を卒業しても、どこかで就職して生きていくわけじゃないですか。その働いて生きていく時間って、一生においてとても長い。長いのに、想像すると…もしかしたら楽しくないかもしれない。
だから、少なくとも学生でいる間は、全力で好きなことをして、好きに生きてやろうって、当時中学生だった僕は考えました。それで、自分は絵が好きだったから、先の事はあまり考えすぎずに、美大に行って絵を描くことにしました。

絵を好きなのはいつからですか?

元々マンガが好きで、何千冊と持っているんです。小学生の頃から絵が好きで、中学でもマンガをたくさん読んでいて、その頃まではイラストレーターとかにも興味があったんですけど、画塾でデッサンを始めてから、今の描いているような絵画というジャンルを知る機会が増え、所謂イラスト系と呼ばれるテイストよりも、絵画を好きになっていきました

造形を選んだ理由は何ですか?

元々違う遠方の美大に行きたいなと考えていて、そっちを受ける気満々だったんですけど、諸事情で県外に出ることが出来なくなったんです。
それで愛知県内の美大を調べて、一番合っていたのが、造形だった。自然の中にあって、イメージしていた大学という雰囲気でした。だいぶ直感的に選びましたね。
入ってからも、先生友人も良い人達だったので、気兼ねなくコミュニケーションが取れ、自由なところが良かったです。

作品画像

日本画を選んだのはどうしてですか?

絵画を描きたかったので、選択肢は日本画か洋画(油絵)。洋画は表面のテカりや匂いがあまり好みじゃなくて。日本画は質感や発色が気に入ったので、日本画にしました。画塾の先生が日本画を描かれる方だったことも影響しています。
でも入学前までは、院展や創画といった会派も何も知らず、日本画の世界に関してまるで無知でした。なので、大学に入って間もない頃に美術館を見学して、前半に展示されていた伝統的な花鳥風月の日本画を見た時に、今でこそ美しい!と感じますが、当時は「これは描きたくない…」って落ち込んだ。本当に先行きに絶望したんですが、その展示の後半に現代の日本画を見る機会があり、それを見たら「これは描きたいぞ!日本画いいじゃん!選んで良かった!」って、やる気に満ちました。一日で考えが180度変わりましたね(笑)

大学院に進学したのはどうしてですか?

絵を描き続けたかったので、大学院には就活を考える前に、すでに進学するつもりでした。
ちょうど3年生から教職も履修し始めたので、大学院に入れば、教職の為の単位修得の時間も作れるなと思ったのも、理由の一つです。

教師になろうと思ったのはどうしてですか?

教職は元々履修する気が全くなくて、大学1年生のガイダンスの時に、先生たちが絶対取った方が良いって推していたんですけど、それでも「教師にはならないだろうな」と、当時は取りませんでした。自分が教壇に立っている姿が想像できなかったんです。
それから大学3年生になる頃に、徐々に周りが就活のことを考えて動き始めました。僕も考えないといけないなって少し悩んで、好きなことや、適正から仕事を探そうと思って浮かんだのが、教師でした。
自分は大勢とコミュニケーションをとったり、ものを教えたり、そういうことには抵抗がなく、しかも大学で学んだことが活かせて、好きな美術にも携われる。冷静に考えた時に、自分に向いてるかもしれないな、と思いました。経験ないくせに、子供ともうまくやっていける謎の自信もありました(笑)こうして、教師になろうと意思を固めたのです。
今思えば、大学1年生の頃に教職を履修しなかったのは、子供の頃から楽しみにしていた大学生活のことで頭がいっぱいで、他のことが考えられなかっただけだったんですね

実際に教師になり、どうですか?

楽しい!職場でストレスを感じたこと、ほとんどないんですよ。職場の環境が良いのもあると思うんですけど、教師は向いていました。子供好きだし、実技教科は好きな子が多いので、より好きになってもらえるように楽しそうな内容を考えて、やることができる。
今年度は、前期に石粉粘土と金属塗料を使って動物のレリーフを作り、後期は植物をテーマに、墨で骨描きをして顔彩で着色し、四曲一隻のミニ金屏風を制作する授業を行いました。なにを作っても作品には生徒それぞれの個性が表れるので、教える側も見ていておもしろいですね。

絵を描くことが、なぜそんなに好きなんですか?

絵が好きだから、です。おそらくクリエイター的な性分なんだろうね。小学生の頃、ゲームが好きだから、ゲームを作る人になりたかった。こんな面白いゲームを自分も作りたいって、好きで見るだけ、やるだけじゃなくて、作る側になってみたいと思うんです。

今後どうしていきたいですか?

日本画を続けていきたいです。今まで公募に全く興味がなくて、出してなかったんですけど、色んな縁があって、先日初めて出品し、新人賞を受賞できて、少し会派にも興味を持ち始めました。在学時代から「公募出さないの?」って言われていたんですけどね、絵のテイストとかで会派を決めたいわけじゃない。どういう人が居て、その人たちがどういうことをしていて、どういう研究会を行っているか、ちゃんと中身を知って、自分に合う会派を見つけられたら、そこに入れるよう頑張ってみようと思います。

最後に、受験をする高校生に向けメッセージを!

自分が大学に入って何をするか、曖昧でも構わないから、何かしらビジョンがあった方が良い。そのビジョンは大学に入ってから変わると思うんだけど、変わることはそれはそれで構わないから、考えてみて欲しいです。あっという間の4年間を大いに楽しむために!