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卒業生紹介

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プロダクトデザイナー 市川双葉さん


Profile

市川双葉さん

市川双葉さん

マルミツ陶器 販売職

卒業制作の作品について教えてください。

47都道府県の銘菓を乗せるお皿を作りました。甘い路とかいて”かんろ”。甘い路として日本全国に届けたいという思いから制作しました。
銘菓っていうものにはとても長い歴史があって、その地域で守り受け継がれてきたものに、日本人の美意識や職人魂を感じました。でも、自分の出身地のものは分かるけど、他の県が分からなかったり、ぱっと出てこなかったりしますよね。全てにそのお菓子ならではの物語があるし、誰かの思い出もあるし、もっと広まってもいいものだと思い、ぐしゃっと捨てることのないお皿と一緒に渡すことで、また後からお皿を見ればもらった人のことや地域やお菓子の記憶を思い出してもらえたり、お土産が人の愛に繋がるんじゃないかなと考えて、お菓子に合わせたお皿を作りました。

どのお皿も個性的で可愛いですね!

愛媛の一六タルトのお皿は、柚子を押し当てて模様を作りました。見た目だけだと分からない味をお皿にテキスタイルとして出すことで、伝わりやすくなるし、面白さが増すかなと思って作りました。奈良のきみごろもは、メレンゲの軽いお菓子。コンセプトであるハイカラ・軽さを伝えたいのでお皿もそのイメージにあわせた。きんまんには、大きすぎず小さすぎず、額縁に飾るようなお皿。八橋には、八橋をなんとなく置きたくなるようなデザインのお皿…色んなところからヒントを得てできたのは良かったかな。

販売の様子

このたくさんのお皿はどうやって作ったんですか?

正直、陶器のクオリティでは美術で専門的に陶芸を勉強していた学生にはかなわないと思いました。なので、プロダクトならではの表現方法を使って、型をレーザー加工で作り彫刻し、それを粘土に押し当てて作りました。レーザー加工機を元々よく授業で使っていて、学校にいるからこその特権を活かしたいと思いました。手では絶対彫れないけど、レーザー加工による緻密な技術を陶芸で使おうとひらめいた感じです。
この製品感がどっても好きですね。

思い入れのある作品はどれですか?

面白いなと思ったのは、宇都宮のチャットっていうお菓子です。パッケージはレトロ可愛いふつうのお菓子なのですが、お菓子を囲んでみんなでしゃべってほしいということで、チャットという名前がついているんですよ。そんな思いが込められているお菓子が、昔からあるってすごいな〜って。お皿も、いっぱいおいて、会話が飛び交っているイメージにしました。

すごくたくさんのお菓子が制作では必要になったと思いますが、そのお菓子ははどうやって集めたんですか?

お菓子は買いに行ったり、友達に買ってきてもらったり、名駅で買ったり、取り寄せたり…。旅行した時にインターで買い溜めもしましたね。お菓子として美味しかったのは、埼玉の黄色い、鬼まんじゅうみたいな、「いもこい」。冷凍で送られてくるので、家で温めて食べるんです。出来たてが家で食べられ、中身がぎっしり詰まっていて美味しかったですね。
夢でお菓子に押しつぶされる夢をみるぐらい、お菓子取り寄せるのは頑張りました。

制作で苦労したことはありますか?

デザインより、陶器を扱うということに苦労しました。やったことのない分野をやるのって、絶対最初上手くいかないし、大きさも素焼き・本焼きでサイズが変わるし、釉薬の技法、焼いた時の温度や焼く時の位置で形が変わったり、歪んだりしてしまうんですよ。それをいかに調整してお皿を作るかということに苦労しました。土を扱う陶芸は奥が深いなって感じましたね。

作品画像

4年間学んでどうでしたか?

デザインは楽しくて難しい。色んな人に意見を聞くのは大切、見に来てくれた他の人の色んな感性を聞いていくと、すごく自分の為になる。プロダクトを通して、たくさんの人の感性を学べた。だんだん本当に心の中にある自分のやりたいこと、思っていることを出せるようになってきた。

デザインを学ぶ魅力ってなんですか?

自分もどんどん成長している感じがしますね。高校からデザイン科なのですが、普通科目の勉強しているときは、頭だけが成長している感じはしますよね。でもデザインを学ぶと、頭だけじゃなくて、自分自身もデザインされているような、自分自身が磨かれているような気がします。だから私はデザインがすきですね。

デザインを学びたい高校生に対してメッセージをお願いします!

人生経験だと思っているので、思い立ったら行動、行きたい場所には行けばいい、やるときはやる、遊ぶときは遊ぶと、けじめだけちゃんとつければ、デザインはできる!