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卒業生紹介

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画家 波多野友香さん


Profile

画家 波多野友香

2009年 名古屋造形大学 日本画コース 卒業

2010年よりハートフィールドギャラリー(名古屋)での個展を皮切りに
東海中心に個展、グループ展に多数出品。香港、フランス等国外でも発表。
雑貨販売員、工作教室講師の仕事を経て

2019年よりgalerie deux deux(名古屋)のスタッフとして勤務開始。

2020年は5月に銀座、10月に亀山トリエンナーレにて展示出品を予定している。


◆SNS
twitter : @yukaratea
Instaglam : @yukaratea_pero

なぜ日本画を専攻したのですか?

私の場合は、トラディショナルな理由ではなく、岩絵の具の色が綺麗で好きで、この絵具を使って描いてみたいと思ったからですね。ですので、在学時代から日本画なのにアクリル絵具は使うし、色んな技法や素材を活用していました。

日本画や洋画というカテゴライズって明治以降にできたものなんです。だから、別にもっと自由で良いじゃんって、そんな気持ちで制作しています。

作品画像

初めての個展はどのように開催に至ったのでしょうか?

卒展の前に、ポートフォリオ持ってギャラリーに訪問しました。このまま卒業してしまったら、いくらやる気があっても体が着いていかないだろうな…という冷めた目線があったんです。それで、ずっと出てみたいと思っていたハートフィールドギャラリーさんにて個展の予定を入れさせていただきました。同じ造形卒の方が運営されているギャラリーなんですよ。

そんな感じで、まず先に予定を立てそれを成し遂げる。現在までそのような流れで活動を続けています。

そうだったのですね!
ギャラリーへの訪問もですが、かなり積極的に活動されているように感じます。

ありがとうございます。そうですね、フットワークが軽い方だと思います。もう私が卒業して10年ぐらい経っているので、当時とは少し異なるかもしれませんが、日本画は他コースに比べると外よりも内に入っていってしまう傾向が強くて、在学時はTRANSITという大学教員主催の国際交流展に参加し、なるべく外部との接触を図る展示活動をしていました。
芸術だけではないと思うのですが、分かってる人や技術が飛びぬけて上手い人だけで界隈が固まってしまうと、縮まった小さい世界がいっぱいできてしまうだけなので、一般社会まで届けるというか、届いてないところへ手を伸ばしていく力が必要だと思っています。

社会人になり、制作と生活を両立していくことは大変なことだと思いますが、なぜ作家活動を続けていくことができるのでしょうか?

制作活動って、普通に生きてたらやらなくても良いことですよね。衣食住事足りてれば生きていけるし、映画とか旅行とか、娯楽は世の中にたくさんある。私も一時は描くことがしんどくて、2・3年ぐらい絵から離れちゃってた時期がありました。
描いてない2・3年の間、確かに楽ではあったのですが、なんだか私の生きる世界はここじゃない気がしていて…。口に出すと恥ずかしいセリフですけど(笑)でも、本当にそう思ったんです。何より、描いてる方が落ち着くし、自分自身に納得がいく。
そんな時に、ただただ描くことを楽しむ気持ちで制作している人たちと出会って、私だってスタートはそんな感情だったなと改めて認識したんです。そこから再開に至りました。
今は、自分の気持ちに寄り添いつつ、無理のない範疇で活動を続けています。

作品画像

大学でこうしておけば良かったなと思うことはありますか?

めちゃくちゃ当たり前のことなんですが、もっとやっとけば良かったなって思いはありますね。エンジンかかるのが遅くて、3年生ぐらいになってやっと本腰を入れ始めたんです。
というのも、展示のやり方がわかんなかったというか、ゲームソフトとコントローラーを渡されたけど、それらの操作方法がわからなくて進めない、という感じでした。
ある程度もがいた結果、先輩方にサポートしていただき活動できるようになったのですが、もっと早く面白さや方法に気付けばより上手にスタートできたかもしれないなぁと思いますね。

作品画像

名古屋造形大学の良さを教えてください。

素敵な作品を制作される先輩方に会えたことですね。自分自身が影響を受けたなって思う、作家として濃厚な方々が多かったです。その人たちへの憧れや執着心みたいなもので、ここまでやってきたところがありますね(笑)
名古屋造形って、エリート揃いって感じではないんだけど、何かしら目指していたものがあったけど挫折した人とか、急にアートの路を志すことを決めた人とかが多い傾向があって、目標が百貨店とか画壇とかの世界ではないけれども、絵とかデザインで生きている先輩が多く、振り幅が広いんですよ。だから、自分の心地良い温度感を探るのに良い環境だと思います。「そんなことも知らないの?」っていうのを、言わない場所なんじゃないかな。
なので、高校3年生で急に芸術の路に目覚めても、「来たらいいじゃん!」って手を差し伸べることができる大学だと思います。受験で培う基礎力が大事なのは重々承知してるんですけど、それらによって過度に囲われているわけでもなく、設備とか蔵書とかは整っていますしね。

後輩たちにメッセージやアドバイスをお願いいたします。

昨日、聖路加国際病院名誉院長をされていた日野原重明さんという方の本を読んでいたんです。その中に、画家の東山魁夷さんが入院される時のエピソードがありました。
日野原さんは芸術が好きで、各病室に絵をかざっていたそうなんです。でも、東山先生は絵の先生だから、やたらとアートの文脈がある作品や名画を飾ると、「これはこういう意図があって、構図はこうで…」とかたくさん考えちゃって、入院中なのに気が休まらないんじゃないか、と考えたそうです。
そこで、アメリカでアートと治療を結び付ける仕事をしている方が描いた、一発書きのようなゆるいクマの絵を飾ったところ、「何も考えなくていい。」と、えらく気に入ってくれたらしいんです。名画だから癒されるとか、名画じゃないから癒されないとか、そんなことはないんですよね、良いエピソードだなぁと思いました。
きっと、名古屋造形大学に入って目指せるポジションはそこじゃないかな。テクニックで真っ向から太刀打ちするんじゃなくて、色んな要素に敏感になって反応していく。そういうやり方もあるんだと気付かせていく活動を、境界線を越える能力をはぐくむ場所だと思います。