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卒業生紹介

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板倉春花さん


Profile

板倉春花さん

板倉春花
アニメーションコース(現 映像文学領域)卒業
株式会社オー・エル・エムにて動画マンとして活躍。

参加作品
<TV>
ポケットモンスターサン&ムーン
ポケットモンスター
MIX
メジャー2
文豪とアルケミスト
など

<劇場>
劇場版ポケットモンスターキミにきめた!
劇場版ポケットモンスターみんなの物語
ミュウツーの逆襲EVOLUTION
二ノ国
など

Twitter

なぜ美大に、そして名古屋造形大学に進学したのですか?

私が受験をした頃は、アニメーションコースが独立してあったので、そこを選んで進学しました。
それまで私はアニメーション制作の経験はまるでなく、在学しながら学ぼうと考えてました。

実際に入学してみてどうでしたか?

全分野共通の講義で知り合った、洋画、マンガ、メディアなど他分野で学ぶ友人たちのアトリエを見せてもらえ、新鮮で刺激を受けました。

アニメーションの授業では、裸体デッサン、クロッキーが楽しかったですね!
クロッキーは授業時間外でも行っていて、お昼休みなど学年問わず交わり、数人から十数人での集まりに参加することで向上心が刺激されました。
中高美術の教師免許も取れましたが、私は実習のタイミングが4年の秋で、卒業制作のスケジュールを上手く組めずにバタバタして、精神的にかなりしんどい時期でしたね。

就活は在学中に一社、卒業後に今の会社を受けました。在学中の就活の時にアニメ業界の採用試験を受けて、現場のストイックな環境に今の自分がついて行ける仕事ではないと感じました。

卒業後、教師免許の繋がりで、母から学童を紹介されました。その年の夏、再就活し、現在の会社から採用していただきました。学童で働いた1年で心は満たされ、上京する決心がつきました。

在学時代の思い出について教えてください。

大学2年の頃に先輩の卒業制作を手伝えたことは、私にとってターニングポイントでしたね。
一つの作品を複数人で分担して一緒に作ることや、不慣れでも完成した動画を先輩に褒めてもらえたこと、先輩の絵コンテや原画を見せてもらえたことがとても良かったです。ここで”仕上げ”も覚えましたね。

大学3年の春から夏にかけては、「ポプカル」という名古屋が企画していたイベントの広告CMで、私は1カット18コマのサーカス作画と背景を担当し、その時に作画に手応えを感じました。時間の都合上、全て自分の手で制作するというわけにはいかず、ミサイルと仕上げは他のメンバーに手伝ってもらいました。
講師の方に教えてもらった動画を研究して、見よう見まねで人物の作画をしました。初めて周りにも褒めてもらい、動かすことに自信が一つつきました。

ポートフォリオ制作に取り掛かる時、本のポーズ集の模写を見た教授から、身近の人の描写を勧めてもらいました。
私は親や犬など実際にクロッキーしてポートフォリオに入れました。自然に仕草やクセが分かるので、感情移入しやすく、よく観察できたと思います。

ぽぷかる4”愛知ぽぷかる聖地化計画第4弾”

仕事について教えてください。楽しいところ、大変なところ、やりがいは何ですか?

現在、デジタルでアニメーションの動画をしています。イキイキと弾むように描かれてる原画を割る時が1番楽しいです。

初めはデッサン割の経験が少なく時間がかかりましたが、4年目の今はどう割るかが身についてきたので、できると信じて作業できます。時間がない時や、じわ割という中枚数が多く、動きの幅の少ない線割は、時間もかかり単一な作業なので、眠さと飽きの戦いになり大変です。

割るのが楽しかったカットを、色と声と撮影がついて放送されたものを観たり、記録に残して見返したり、親や知人にも見てもらうことで、やりがいを感じます。

様々な作品に参加されていますね。
劇場作品とテレビ放映のアニメーションで表現などの違いはありますか?

劇場作品は、作業的に、大体は線数やパーツが増え、作品の見栄えが増します。なので作画の作業時間や労力がかかります。

最近だと、途切れ線の表現として、アウトラインを細かく赤などの色トレスでつなげる作業があり、繊細な絵に仕上がっていますし、演技も芝居がより豊かになります。
2年前の映画ですと、髪や服のなびきがテレビより細やかに、多くありました。

テレビは常時行う仕事なので一定のクオリティを上げつつ、日常芝居やアクションに挑戦して経験を積んでいきます。

アニメに関わる仕事をしたいと思ったのはなぜですか?

2歳の頃、録画したアンパンマンを夜中の2時まで観ていたようで、絵も描くことが好きだったんです。
そんな小さい頃の自分を信じて、アニメの仕事なら心から好きで続けられると思いました。

仕事中にスランプになったりすることはありますか?
また、うまく描けない場合の改善のコツはあったりしますか?

うまくいかない時は突然来ます。そんな時は、自分でシミュレーションしたり、それを動画に撮ったりします。

さらに、自分が信頼の置ける動画検査の人に割り方を聞きます。

それでも難しいときは、一旦離れてリフレッシュ。
話したり、休んだり、お菓子を食べる。

あとは、自分が落ち着いて集中できる作業空間を作ることが大切です。

アニメーションに関わる仕事をしたい場合、学生の間にやっておいた方がいいと思うことはありますか?

自分を好きになってください。
いっぱい挑戦して、分析して、自分を知ってください。
社会に出る前に、挨拶とありがとうとごめんねを言える人になって欲しいです。

身の回りの人や動物、風景を観察したり、図書館もふらっと行くと発見がありました。
インプットとアウトプットを愚直にくり返してください。

やってみたい作品作り、やったことなかったら特に経験してください。
何より若さを楽しんでくださいね。
無意識の好きや、すごい!と感銘を受けたことや人の背中が後々自分を作っていると思います。

最後に、高校生にメッセージをお願いします!

”動画”は”原画”にも使える技術です。動画だと、様々な方のレイアウトからラフの原画、タイムシートも観れるので、原画になりたい人はそこからシートの付け方や原画に必要なタイミングの場所についても学び、知識として吸収することができます。
他の人より吸収に時間がかかる自分ですが、気持ちのいい動きが掴めてきている実感が楽しいです。周りと比べず、自分の実力を認めて、教えてもらったことを吸収しながら自分のやりたいやり方を実現していくと続くと思います。


会社によっては、社会保障、厚生年金もなく、歩合制であり、描く量が少ないと給料が減ります。
私も、正直まだギリギリの生活です。

昨年引越しを機に長く休む時間があり、環境の変化はチャンスでした。休む時、当時の私の場合は楽しい絵しか描かないと決めました。

休み明けはかなり新鮮で、同じ仕事でもこんなに満たされて描けるのかと驚きました。充実した仕事ができて本当によかったなと思います。

今後は月500枚を安定に制作するのが目標です。

自分のやりたいことは、諦めないで続けて下さい!