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伊藤 豊嗣学長からのメッセージ


伊藤 豊嗣学長からのメッセージ


問いかける意志

LIVING TOGETHER


 名古屋造形大学は、2020年から領域制という教育体系を始めました。理念に基づく各領域ではいくつかの分野が複合していて、幅広い体験を経ながら専門を究めていく教育内容が組まれています。2025年春には、この体系で2期目の卒業生を送り出しました。
 上の写真は、その卒業生による卒業制作展の会場でのものです。私の前に展開している作品を制作した学生は、生活空間全体に関わるデザインの領域に所属し、その中で製品のデザイン分野を専攻しました。そして、卒業制作では切り絵の手法で紙に様々な動物を表わし、照明の効果も活かしながら、生命が連なりあうような様を表現しました。この作品は、立体的につくられたアートであり、空間を構成するディスプレイデザインであり、メッセージを送ろうとする環境グラフィックでもあります。それまでに経験してきた種類に囚われることなく、意志を持って違った視点で内容を考え表現し、来場者に問いかける。こうした作品が見られるようになったのも、領域制を始めた成果の一つであるならば、喜ばしい限りです。学生の中に培われた思考や表現が、いずれ社会の中で活かされることを強く願います。

 名古屋造形大学では、建学の精神を「同朋和敬(どうぼうわきょう)」としています。そして、それを「共なるいのちを生きる」というわかりやすい言葉に置き換え、機会あるごとに学内外に発信しています。人は一人では生きられず、他の人との関係の中でこそ生きることができる。他の人が思い感じることへの眼差しを持ち、人がよりよく生きていく道を求めていく。そんな意味になります。
 アートには、人の心を広げ、人を勇気づける力があります。デザインには、暮らしの中の問題を解決してより良い方向へ向ける力があります。エンタテインメントには、人をワクワクさせ、没頭させる力があります。そのいずれの力も、自己を越え他者とどう関わっていくかを思考していく、まさに「人間力」を育むことで、より強いものになります。本学は、名古屋市内の名城公園キャンパスに移転して4年目に入りましたが、この地の利を活かし、芸術各分野のものづくりを究めるだけではなく、社会へ発信し、社会とつなぐ役割を担える人を世に送り出していきたいと考えています。

名古屋造形大学 学長 伊藤 豊嗣