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伊藤 豊嗣学長からのメッセージ


伊藤 豊嗣学長からのメッセージ


人間力を育む

LIVING TOGETHER


 名古屋造形大学は、2020年から領域制という新しい教育体系をスタートしました。理念に基づく各領域ではいくつかの分野が複合し、幅広い体験を経ながら専門を究めていく教育内容が組まれました。そして、4年が経過した2024年春にこの体系での初めての卒業生を送り出しました。
 左の写真は、その卒業生による卒業制作展の会場でのものです。私の横に並んでいる作品の制作者は、日本古来の草鞋を作る方法で稲穂を編み、ヒールをつけてオリジナルの履き物を考案しました。それにネーミングしてロゴをつくり、モデルを活かした写真を撮ってポスターや冊子をデザインし、製品を見せるためのディスプレイまで手がけました。近年の卒業制作で、内容が複合した制作は見られるようになってきていましたが、この作品は取り組んだ幅の広さと次元の高さでこれまで以上に多くの注目を集めました。
 じっくりと専門を掘り下げながら、提案性のあるものづくりとそれを社会へ発信していく展開までを一貫して行う。−こうした作品が見られたことが、領域制を始めた成果の一つの現われであれば、喜ばしい限りです。本学で身につけた力が、いずれ社会の中で活かされることを強く願います。

 名古屋造形大学では、建学の精神を「同朋和敬(どうぼうわきょう)」としています。そして、それを「共なるいのちを生きる」というわかりやすい言葉に置き換え、機会あるごとに学内外に発信しています。人は一人では生きられず、他の人との関係の中でこそ生きることができる。他の人が思い感じることへの眼差しを持ち、人がよりよく生きていく道を求めていく。そんな意味になります。
 アートには、人の心を広げ、人を勇気づける力があります。デザインには、暮らしの中の問題を解消してより良い方向へ向ける力があります。エンタテインメントには、人をワクワクさせ、没頭させる力があります。そのいずれの力も、自己を越え他者とどう関わっていくかを思考していく、まさに「人間力」を育むことで、より強いものになります。本学は、名古屋市内の名城公園キャンパスに移転して3年目を迎えましたが、この地の利を活かし、芸術各分野のものづくりを究めるだけではなく、社会へ発信し、社会とつなぐ役割を担える人を世に送り出していきたいと考えています。