第1回フィールドワーク メナード美術館・豊田市美術館 9月21日(土)

まずはメナード美術館の見学。この美術館では私の大好きなマリノ・マリーニ「馬と騎手」が迎えてくれます。

今回は、江本菜穂子先生の企画で「ダブルシルエット 光と影が織りなすもの」が開催されていたので、江本先生に特別ボランティアで来ていただいて解説をお願いして鑑賞。

企画のコンセプトが江本先生の言葉で示されています。

光のゆらめきに影が幾層にもゆらめく。
刻々と変わる光に影は変化する。
あまりに強い光に目がくらんだり、深い影に光を忘れたり。
本来光と影は一対のものであるのに、
時としてどちらかを見落としてしまってはいないだろうか。

「光」と「影」はさまざまな意味を含む言葉です。
今回のメナード美術館での展覧会は、「光と影が語ったもの」というテーマで、この光と影が錯綜さくそうする人間の営みをさまざまな観点から作品を通して浮かび上がらせました。
社会の繁栄の表と裏、人間の内面に潜む心の動き、光学的な光と影…その意味するところは深く複雑です。
情報が溢あふれ、価値観が多様化し、ともすると指針を見失いがちな今だからこそ、ふと立ち止まって現代にもつながる忘れてはならないものを探しに来ていただけたらと思います。

江本菜穂子(企画)

別館では名古屋造形の卒業生水谷一子さんの「ハリガネアート」が開催されていて、これも私たちの訪問時間に合わせ水谷さんに来館いただき、解説していただきました。作品の魅力もさることながら卒業生の作品と言うこともあってみんな興味深く話に聞き入っていました。

次に向かったのが豊田市美術館。まずはお茶室の見学。

緑の中のモダン日本建築にうっとり。水琴窟の音にも耳を澄まし。

そして「クリムト展」没後100年の記念展。ウイーンでもここまで一堂に鑑賞できない作品数でした。「ベートーベン・フリーズ」はクリムトがベートーヴェンの交響曲第九番に着想を得て描いた全長34mにおよぶ壁画《ベートーヴェン・フリーズ》の精巧な原寸大複製。

複製なのに大感動。実際に現地で見てきているのですがここまで近くで見れないので、詳細がまじかに・・・・

そのあと「あいちトリエンナーレ2019」の豊田会場展の鑑賞。天井から幾つもの傘のようなものが下りてくる作品(T09a「NIMBY(Not in My Back Yard)」by 高嶺格)は皆寝転がって楽しめる人気の作品でした。高校跡地のプールの底の切り削を立てたものも迫力満点の作品。

留学生たちとお茶室で、お抹茶。

最後の最後に「喜楽亭」と呼ばれる元料理旅館の映像展示。シンガポールを拠点として活躍する映像作家ホー・ツーニエン。アジアの戦争を含めた複雑な物語を映像で紡ぎだしていました。

大変満腹の1日でした。

引率責任者 岡田憲久