1年生前期課題C「構造に挑戦」

1年生の前期課題は井村先生、阿竹先生、渡辺先生の指導です。
以下、課題C主担当の阿竹先生の課題講評詳細レポートです。

皆様 本日C課題はおかげさまで昨日までで基本的に完成していて、掃除のあと講評会となりました。ありがとうございました。
講評会に先立って、ダンボールから300角で座布団三枚と炉を切り出し、亭主と客の席と炉と床の関係をシミュレート、茶室の計画を聞きました。
 各チームにコメントと感想を聞きました。Aチームはあまりにあっさり出来てしまって拍子抜けした。とのことで、せっかく計画段階でこだわった腰壁をつければ良かったのに、と言ったのですがいまの半球状の形のほうが美しいと感じたからここでやめたとのことで、それはそれで立派な判断だと思いました。中に入ると意外に音が反響するのでびっくり、あとやはりドームにすると強度が出るのに驚いたようです。内寸はほぼ直径一間半で昨年の学祭のドームより一回り大きくなっています。
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 Bチームは最初想定外のトラブルに見舞われましたが、いろいろ工法を自分たちで工夫して面白いドームにしてくれました。こちらはほぼ直径一間ですが、二畳の茶室の感覚で大きさはちょうどいいと感じたようです。にじり口の部分を完全に切り取っても大丈夫ということを確認して切りました。最初に誤ってダンボールの曲げ剛性を殺してしまったのですが、結果的にはそれで組み立てやすかった部分もありそうです。そのせいで下端の垂直になっている部材は強度不足ということで、もう一枚足して補強したのもいい判断です。
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 Cチームはいろいろ聞くと昨日最後にどんでん返しで渡辺先生が一度当初の計画がほんとに無理だったか試してみようよということで、分解再組み立てを行い、五限が終わってから他のチームも手伝ってくれて完成したときには達成感があった、人も構造もみんなで支えあって成立することがわかり、感動した。とのことでした。二つの三角ユニットを少し内側に傾けてバランスをとることなど渡辺先生のご指導が伺われました。
 サイズ的には当初の大計画からずいぶん小さくなりましたが、主客二人だけの茶室ということで、それもありかなということです。廃物利用の軸がかかっています。
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 ということで、当初から計画していればもっとディテールを考えたきれいな仕口が出来たはずという指導をしました。今回ペラペラのコピー紙の模型からダンボールの人が入れるサイズまで作ったわけですが、スケールが大きくなればなるほど構造的な解決が重要になる。たとえば瀬戸大橋などはあれだけのスパンを飛ばそうと思ったらもうああいうやり方しかありえない。
 またドームやボールトは裾が広がろうとする力を抑えることが大事で、ブルネレスキのサンタマリアデルフィオーレの話などをしました。
 工法、工期、予算などをあらかじめ考えることの大切さなど、いろいろな意味で得るところが多かったようです。
 いろいろ反省点もありますが、さらにブラッシュアップして来年度につなげられるといいと思いました。
 

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