<第171回 CI / VI>

グラフィックデザイン3年の選択授業ではCIデザインとマニュアル制作の課題に取り組んでいます。

幾つかの実際にある分野(菓子店や病院、運輸業など)から1つを選び、その業態をとりまく環境を把握したのち、学生自身が企業や団体を設定し、その会社のビジュアルイメージを構築するというもの。

現在は企業の概要設定からシンボルマークやロゴをデザインする「ベーシックデザイン」段階がおおむね終了したところです。

CIデザインは、単に目新しく表現や奇抜で目立つ形状のマークをつくることではありません。会社や商品のマーク・ロゴは何10年にもわたって使い続けられるものもあります。「どんな会社なのか/その会社らしさ」を「何によって誰にどう印象づけるか/どう見られたいのか」「どのようなものがふさわしいのか」などをビジュアル化するということ。ひとつのシンボルに昇華するには常にそれらのことがらと照らし検証する必要があります。

学生が架空の会社を起業するように設定するというのは難しいことのようですが、その設定のなかにこそ、デザインの素がある訳です。

次段階はその会社などが使う様々なアイテムのデザイン「アプリケーションデザイン」を開発します。名刺や、ショッピングバッグ、包装紙、パッケージ、車両のグラフィック、ユニフォーム、店舗イメージ、広告…あらゆるジャンルを対象にした「らしさ」表現を完成させる総合力が要求される仕事です。

最終的にはそれら全てを運用するための一冊のマニュアルにまとめてゆきます。

教員:ひがしなか