今日は「亀山トリエンナーレ2017」の最終日。
院生の内藤君や卒業生のアーティストが出品しているので見に行こうと思いながら時間が出来ず、最終日になってしまった。
午前11時、名古屋駅からJR関西本線で亀山へ。
関西本線は浪人時代、東京から大垣行きの夜行の普通列車に乗り、名古屋で乗り換えて伊賀上野、奈良経由で神戸の自宅に帰ったことがあるが、あれ以来40数年ぶりだ。
また、小学校6年生の修学旅行で伊勢に行ったとき、東海道線の草津から亀山経由の列車に乗ったが、その時も関西本線を通った。初めてSLが牽く客車に乗ってみんな大騒ぎだった記憶がある。
さて、雨の中の亀山トリエンナーレ、旧街道筋で展開される作品展は大変ユニークで古い屋敷や大分以前に閉店した商店などを使った展示は興味深いものだった。
内藤君の作品は消臭ビーズを使ったもので、古い家具工房が展示会場となっている。
今は使われていない工房の歴史、そして、ここで働いていた家具職人の歴史を家族から聴き取り、この場の空気(内藤君はそこに色を感じると言う)を観る者に意識させる素材として消臭ビーズを使っている。
消臭ビーズは工房の床の形を縮小した形状に撒かれている。
時として作品は作者の意図を超えて広がりを見せるが、内藤君の作品も空気中の水分を吸って透明度が変化し、窓から入る外光によって色や輝きが変化してゆく。
図らずも、時間と空間との関係性について作品が語り始めたことから作家自身が気付かされたことは少なくないと思う。その意味では、彼にとってこの展示の意味は大きいと言えるだろう。
展覧会については、その場所、その空間で展示されるべき必然性を感じる(サイトスペシフィックな)作品ばかりかと言えば首をかしげたくなることも少なく無かったが、あまり固いことを言わず、日曜日の午後を楽しむことができたことを喜ぶべきだろう。
駅前のレストランにあまり期待せずに入ったが、上質の「洋食」の味がしていて懐かしかった。ランチにしたのだが、機会があればオムライスも食べていたいと思う。
少し後ろ髪を引かれる思いで名古屋に戻った。