この4月に他界した母の誕生日、そして、アメリカ合衆国の独立記念日。
実は、今だから言えるが、今日は胃カメラを飲んだ。今までも何度か飲んだことがあるが、死ぬほど苦しかった。
今日の検査の前、できるだけ”飲む”感覚を想像しないようにしていた。しかし、喉の麻酔をし、筋肉注射を受けてゆくうちに、否応無く気持ちがリアルさを帯びてくる。
「あんなもんちょろいものさ」と自分に言い聞かせながら横になると、口に”あーん”と開いたままの型枠をくわえさせられる。
そして、いよいよアレが登場。えーっ!ふ、太い、そして黒光りした硬そうなものがブラブラやって来る。えっ!こ、こんなものが入るのかーっ!
もう逃げられない。何度も餌付きながら受け入れるしかない。
そして苦悶の時間が…
看護士さんの優しい手の温もりを肩に感じながらも身体は硬直して行く。
そして七転八倒の時間(とき)が過ぎ、平穏が戻ってきた時には全身に脱力感が…
正式な検査結果が出るまでにはまだ2週間以上待たなければならないが、担当のお医者さんの言では「きれいですよー、加齢性の慢性胃炎が見られますが…」
出た、また”加齢”だ。このごろ加齢と言われることが多すぎる。それも「 加齢によるものですから心配要りませんよ!」と決まったような言い方。これがけっこうズシーンと来る。
結局、組織も採らなかったので、今日は普通通りの食事が出来るらしい。私の前の人が言われていたように「今日はアルコールと刺激物は避けてください」ということもないようだ。ヤッター!今晩の浅井慎平さんとの飲み会出られる!
ところで、内視鏡室の前のソファに座ると目の前に見慣れた作品があった。名古屋造形大学の入試広報課職員日比野靖さんの作品だ。実はこの小牧市民病院では、名古屋造形大学の高橋伸行先生が中心となって進めている医療現場との協同プロジェクト「やさしい美術」が実践されているのだ
他にも心安まる作品が随所に飾られている。患者の立場になると、あらためて、こういう何気ない心遣いが身に滲みる思いがする。
さて、大学に戻ってしばらくしたら浅井慎平さん到着、学長室で高北前学長を交えてさっそく様々な話題に花が咲く。そのままの勢いでスーパーレクチャーへ。
浅井さんのお話は、なぜ写真家になったかというところからスタート、写真家としての視点がハッキリと定まっていて、聞いている私たちも浅井さんと一緒に世界を駆け回ってシャッターを切っている感覚になる。
高北先生との掛け合いも丁々発止。プロとして仕事をするということの意味が聴衆にも響いていることだろう。
会場は大盛況、外部からのお客様も大勢いらっしゃった。
講演後の少人数での会話も非常に楽しく、写真家としての視点のみならず、あらゆることに確かな視点を持っていらっしゃることを実感し、敬服すること度々だった。長い時間お引き止めしてしまったが、また機会があればお話を伺いたい。充実した時間だった。
浅井さんお疲れ様でした。おやすみなさい!