4月30日(月)振替休日 曇り

美濃加茂文化の森で開催された「wood land gallery 2012」(2012年4月28日~30日)を観た。この展覧会では、美濃加茂市民ミュージアムに隣接する敷地内に若手を中心とするアーティストの作品が展示され、森の雰囲気を色濃く残す敷地空間と作品が渾然一体となりながらも、それぞれの作品たちが強い存在感を示している。
この展覧会はアーティストの渡辺英司さんが中心となってオーガナイズされている。

多くの優れた作品の中から印象に残った作品を数点紹介しよう。
まずは、長瀬崇裕さんの作品「表面」

四阿(あずまや)に正六面体の煉瓦が設置されていて、そこに人体らしきものの映像が投影されている。それぞれのキューブの表面に映る映像が変化しながら時には全体で一つの人体となる。人体の映像はぼやけていて常に変化しているが人体であることは明確に判る。



四阿、キューブ、人体の映像が何故か親和性を感じさせる。その中で浮かんでは消える人体の儚い映像は命のあり方の一面を示しているように感じられる。
シンプルな装置でマルチスクリーンのような効果を出しているのは見事で、このあたりの仕事の詰め方は長瀬作品の特長でもある。

作品を観て歩く途中でふとシャガに眼が行く。このあたりも野外展の魅力の一面だ。

気が付かず見過ごすところだったのが今村遼佑さんの作品。木の根方に小さな街灯が点っている。時々消えてはまた点く。そこではどうしても想像上、自分を縮小して当てはめてしまう。ただ、この作品はギャラリー空間で観るのと野外で観るのとでは印象が大きく異なるだろう。屋内で観るとどうしても縮小された自分を包む風景は単なる巨大な空間でしかない。その違和感が自分の肉体に降りかかってくるところにこの作品の面白さがあるように思うが、ここでは厳然と樹木の根や低木の葉や苔などが存在感を持ってそこにあり、縮小された自分を包むのは単なる巨大化された空間ではなく、樹木や落ち葉や低木の葉っぱや苔や時には昆虫など、生命やその残骸(新たな命に変容しつつあるもの)だということだ。そこでは自分に降りかかってくるものは全く異なるだろう。
この作品の前ではしばし色んな想像が頭を駆けめぐり、面白い体験をさせてもらった。



つぎ行きましょう!

ghost of ghost 2012 の作品は森の教室 !?

さしずめ先生は竹田尚史先生かな? ここではどうも宇宙についての授業が行われているところだったらしい、

・・・が、みんなどこに行っちゃったのだろう? 勧請縄のような土井真輝子さんの作品が幻想の世界の終わりを示すように揺れていた。