9月2日(日)晴れ ときどき 曇り 一時 雨

午前10時に犬山の旧堀部家へ、今日は明日から始まるゼミ展「寝覚月」の搬入日だ。
学生には場との繋がりを重視しなければなないと言い、何度も会場に通いながら作品の構想を練るようにと言いながら、自分はなかなか来ることもできず、しかも、旧作の展示となった。申し訳ない。
今日は作品の展示場所を決めるのに時間がかかると思っていたが、とりあえず会場に行って作品を置いた場所が展示場所となった。そこのスペースが空いていた上、作品にぴったりの場所だったのだ。

11時過ぎに一旦美濃加茂に向かった。美濃加茂市では「きそがわ日和」が行われていて今日が最終日だ。もっと早い時期に行きたかったが、最終日になってやっと時間ができた。
私は昨年の「きそがわ日和」で御代櫻の蔵で展示させていただいた。今年が第2回目、力のある作家の皆さんが出品している。

名古屋市立大学の山口良臣先生の作品は HÜTTE FURNITURE での展示。6枚の矩形の鏡が床に置かれている。見る位置によって屋根裏が映ったり外の景色が映ったりするが、立ち止まってじっと見ているとゆっくりと動いていることが判る。また、木曽川の堤防場に備え付けられた双眼鏡をのぞくと自分の後ろ姿が見える。つまり、後方のカメラで撮っているリアルタイムの映像が見えるようになっているのだ。不思議な感覚に囚われる。

旧大垣共立銀行美濃加茂支店で展示している日比野ルミさんの作品はガラス素材でできている。
「地神の晩餐」(協力佐竹ガラス株式会社)、「深海の積雪」、「植物の盛衰」と3点の作品が別々の部屋に展示されている。久々に日比野さんのインスタレーションを見たが、ガラスという素材が日比野さんの表現に非常に合っていて、少し情緒的な響きのあるタイトルもここでは作品との間で適度な距離を保つことに繋がり、それが作品の強さに結びついていると感じた。
特に「地神の晩餐」には、久々にインスタレーションのいい作品を見たと感じさせられた。

旧大垣共立銀行美濃加茂支店

駒屋邸では河村るみさんの展示が行われていた。算盤塾として使われていた部屋を使っていて、黒板(板の表面の素材感が出ている黒板)にチョークで塗られた矩形の部分に街の映像が投影されている。「今」の時間と「かつての現在であった過去」が同時に存在するような不思議な空間となっていた。二階には塾で使っていたそのままに机が配置されているが、よく見ると、全体にうっすら積もった細かい埃に指で文字や数字などが書かれた跡が見える。また、床には足跡が縦横に付けられている。塾の子供たちの声が聞こえてきそうだが、これは作家の作ったイリュージョンなのだ。

ほかにも優れた展示が沢山あったが、たまたま作家の方にお会いできて許可を得た作品だけを紹介させていただいた。

「きそがわ日和」の展示を見終わって、再び犬山の旧堀部家へ。展示はほぼ終了していたが、まだ、設置を続けている人も居た。3時半頃に会場を後にして帰宅。

昨日お隣さんにいただいた大量のバジルの葉をぬる〜いお湯に入れ、風呂場にバジルの束を活けて入浴。1時間近くバジルの香りに包まれてお湯につかっていたら不思議に疲れがとれた。自然の力はすごい!

「寝覚月」名古屋造形大学 小林ゼミ展
9月3日(月)〜9月9日(日)10:00〜17:00
場所:旧堀部家 犬山市南古券272
是非ご覧ください!