今日は朝からCBCスタジオギャラリーへ。
「第10回CBC 翔け!二十歳の記憶展」を見に行った。
11月4日のブログで紹介したように、今年は洋画コース3年生の田中香里さんの作品「夢」がグランプリを受賞した。また、日本画コース3年生の天野華恵さんがCBC賞、陶芸コース4年生の小沢慶都くんが中日新聞社賞、日本画3年生の岩嶋みゆうさんが名古屋市教育委員会賞を受賞。全部で10の賞のうち、グランプリをはじめ、4つの賞を名古屋造形大学の学生が受賞したことは大変喜ばしい。
田中香里さんの作品「夢」は大学3年生でこれだけスタイルが決まっていて完成度が高い作品を作って大丈夫か?と、逆に心配になるくらいの出来だ。画面の隅々まで神経が行き届いていて、構成力のある強い画面となっている。
日本画の天野華恵さんも大学3年生だが非常に絵としての強さがあり、基本的な画力、構成力、ある種品格を感じさせる色彩のセンス、全ての点で感心した。
同じく日本画3年生の岩嶋みゆうさんの作品は女性らしい柔らかなセンスを感じる作品。陶芸4年生の小沢慶都さんの作品は打って変わって迫力のある作風で、私は特に抽象的な表現に強い魅力を感じた。
名古屋造形大学の美術の卒業生は現代アートの分野でも若手アーティストとして活躍している人材が多く出てきているが、このような絵画や立体作品の分野でも若手がしっかりと実力を付け、今後頭角を現して来るであろうことを予感させる。本当に頼もしく嬉しく思う。
ギャラリーを後にして、名古屋キャンパスの図書館に寄った後、大学に戻った。
今日の日替わりメニューは、
やっぱり、魚介類はあまり人気が無いのか、日替わりランチの鮭フライが結構残っている(ラーメン・中華丼は売り切れなのに・・・)。
鮭フライのチャンチャン焼き風+白玉汁、抜群に美味しかった!タップリの野菜とカラッと揚がった鮭フライに甘辛い味噌だれがバッチリ!
講評していて楽しかった!
講評では、まず各人が自作について語り、その後、描いた人が他の誰かを指名し批評してもらうというパターンで行ってきたが、それぞれ批評の内容も面白く、語られる言葉も個性的で生き生きとしていた。
今回の授業は「完成させる」ことを主たる目的とせず、見えているイメージをできる限り忠実に捉えることを目的としており「紙の上に描かれるのは結果に過ぎない」という考え方に基づいている。
完成させることを目標とすること自体は決して悪いことではなく、むしろ当然だが、その意識が勝ってしまうと(特に慣れていない人は)画面上での仕事が主になってしまい「見る」ことが疎かになってしまう。見ているつもりでも、単に目を向けているだけ、ということになってしまいがちで、その結果、頭の中にある「思い込み」が腕を動かし絵を描かせてしまうことになる。
今日の講評で、この授業を受けてから「電車の中でも、周りの人が今までと違って見えてくるようになった」という感想があり、非常に嬉しかった。心の中で「やった!」と思った。まさにそのことを望んでいたのだ。
自分が見ている世界の「見方」がわかると、急に世界が今までとは異なる様相を見せ始める。そのとき空間が「わかる」。これは訓練しないと身につかないことであり、視覚表現者にとって強力な武器となる。
今回「楽しかった!」と言う感想も多かったが、これは決して「楽にやった」と同一ではない。むしろ、今まで経験しなかったほど「楽でなかった」と思う。ただ、その「楽でない壁」を乗り越えたことで、今まで体験しなかった”見え方”が得られたことが「楽しかった」のだと思う。これが本当のクリエイターの「楽しさ」だと確信する。
今後も、対象をしっかり見る目を維持し、さらにクリアに”見える”ようになってもらいたい。
学長室で執務の後、午後7時前に大学を出た。