雨が降り続いた一日。
午前中は学長室で執務。
午後は美術1年生の人体デッサン授業の指導。
人体は非常に面白いモティーフだが、プロボーションを正確に捉えるのは決して簡単ではない。正確であっても無機質の素材と同じように扱うことはできない難しいモティーフだ。
1年生は静かに集中して描いている。
「そつなく手際よく描く」ことをとりあえず脇に置いといて、対象を真摯に見てほしい。そこからすべてが始まる。見ているようで見えていないところが見えてくれば、そこにこの授業の大きな意義があったと言える。
作者がそこに存在したことの証明がリアリティを持ってなされるこことが表現の基本であり、その大本のところを学ぶのがデッサンだと思う。決して「受験ための手段」などと捉えてはならない。
暖房の効いたアトリエから外に”涼み”に出ると、雨の中、新緑が鮮やかだった。
授業後は会議。
遅くに帰宅。