11月9日(日)曇り ときどき 雨

ベルリンの壁が崩壊することは自分が生きている間には無いだろうと思っていたが、ある日、テレビを点けると群衆が壁の上に立ち、ハンマーやツルハシで壁を壊しながら気勢を上げている姿が映っていた。自分の目を疑った。25年前、ドイツ・デュッセルドルフに住んでいたときのことだ。

それから2ヶ月後、ベルリンに行ってみた。
かつてはチェックポイントで射貫かれるような眼差しを投げかけられた東独の警備兵がニコニコと微笑んでいたのに驚いた。一人の警備兵がまだ幼かった息子を抱いた妻に寄り添って写真を撮らせてくれた。

ゴルバチョフとレーガンの信頼関係がこのような急な展開に直接的に影響したという話を聞いたことがあるが、当時の東西冷戦とは異なる様相での難しい対立構造が生じている現代においても、まずは首脳間の信頼関係の醸成が急務であることは論を待たないだろう。

困難は必ず打開されるものだということをベルリンの壁の崩壊から学んだ。