朝9時すぎに大学へ、その後、10時半に名古屋のギャラリー”ガレリアフィナルテ”のオーナー福田久美子さんのご自宅へ。実は今日は福田さんのご主人秀二さんの一周忌だ。
福田秀二さんは久美子さんが金沢の高校3年生の時に知り合った。そのとき秀二さんは大学3年生、理科系ながら小林秀雄を読み、モオツァルトの交響曲第40番を愛する青年だったという。
久美子さんは愛情を込めて秀二さんを”ほのぼのさん”と呼ぶ。私の知っている秀二さんはいつもギャラリーの小さな机でコンピュータを前に大人しく座っていらっしゃった。時折コーヒーを淹れてくださったり、それとなく世話を焼いてくださる方で、優しい表情が印象的だった。
ご主人の急逝から1年が経ち、久美子さんの悲しみも少しは和らいだかに見えたが、墓碑の前で”ほのぼのさん”への言葉を読み上げる表情は、やはり寂しさを禁じ得ないご様子だった。強い愛情でむずばれていたご夫婦だったのだなとあらためて感じた。
福田さんは敢えて墓碑と呼ばず記念碑と呼んでいらっしゃる。彫刻家の石原則和氏、三村力氏、そしてタイルは岡崎乾二郎氏の作品だ。
参列された方の多くが「私もこんな墓碑がいい!」とおっしゃっていたが、私も同感だ。こんなにすばらしい墓碑は見たことがない。
今日は福田さんの”ほのぼのさん”との思い出話を沢山伺うことが出来て本当によかった。
午後、大学に戻り、穴窯焼成から1週間後の窯出しに立ち会う… つもりだったが、すでに終了し、作品が並べられていた。窯出しの様子は大橋学部長が撮影されていたものを拝借。
陶芸コース1年生の出崎杏奈さんの作品。「みんなに色々言ってもらえることが嬉しい」とのこと。
隣のアトリエを覗くと「造形交流演習」で1年生のフィギュア制作が行われていた。
学長室に戻って山田先生からいただいた杯をしみじみ眺める。以前いただいた馬上杯は自宅で愛用している。この杯で飲む酒も美味そうだ。
その後、学長室での打ち合わせや先生方との話が続き、午後8時過ぎに大学を出て帰宅。
おつかれさま!