11月29日(日)曇り

今日も曇りがちの一日だった。
午前中は先延ばしにしていた用件を幾つか済まして終了。

午後からは半田市に向かった。
旧中埜半六邸での高北幸矢インスタレーション個展「落花、入れ籠入る。」を観た。

この辺りは醸造蔵が運河沿いに立ち並び、美しい風景を醸し出している。
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江戸から明治にかけて、この辺りには豪商の邸宅が建ち並んでいたということだが、近年、主を失った邸宅は朽ちてゆく一方だった。この旧中埜半六邸もその一つだったが、NPO法人半六コラボが立ち上がり、修復が行われ維持管理されている。多大なご苦労があったことと思う。
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建物は本当に綺麗に修復がなされている。
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玄関を入って2階に上がると、
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高北さんの個展会場があった。

ここがインスタレーションのスペース。
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畳が取られて小石が敷き詰められているところは運河を表し、箪笥類が藏や邸宅を表している。つまり、入れ籠(いれこ)のように空間が表現されている。

五百にも及ぶ椿の花が鏤められているが、花びらを一枚ずつ作家が削り出し着色したものだ。
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高北さんは名古屋の古川美術館分館為三郎記念館や松本浅間温泉ギャラリーなど、和の空間でのインスタレーションを続けていらっしゃるが、この椿を置くことで、空間と調和した高北さんの世界が立ち現れている。
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他の部屋では版画作品が展示されているが、グラフィックデザイナーとしての高北さんとアーティストとしての高北さんの両方の感性が感じられ、観ていて楽しい。
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高北さんの作品を観ていると、今時珍しい洒落な感性を感じるし、何より「達者だなー」と感心する。
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高北さんは私の前の名古屋造形大学学長で、久し振りにお目にかかったが、少しお話ししている間にもエネルギーをもらえたような気がする。また(実は)内面に少年のような瑞々しい感覚を持っていらっしゃる方だ。

次に作品を拝見できる日を楽しみにしている。