どきどき卒制タイムアタック
選択肢によってストーリーが変化するアドベンチャーゲームを二人で制作しました。
あらすじ とある美大生ポチ子は卒業制作の締め切り当日、己のミスにより魂を込めてつくりあげた作品を台無しにしてしまう。その現場に遭遇したのは「人助け」がライフワークだと語る謎の天使ソツエル。果たしてソツエルは、己の力で迷えるポチ子を「救い」、彼女の作品を無事完成まで導くことができるのか……
本作は、感想が浮かぶよりも先に思わず笑ってしまうような楽しい作品を目指して制作しました。肩の力を抜いて遊んで貰えるように、ストーリーを試行錯誤しました。
映像文学領域 林 あかり Hayshi Akari、水野 愛梨 Airi Mizuno
担当教員コメント
本作は、昭和から平成初期のお笑い要素を血肉とした二人の制作者が、その独特なセンスをビジュアルノベルへと昇華させたエンターテインメント作品。 テーマは、表現者が避けて通れない「締め切り」という事象。誰もが苦しめられる資本主義の宿命を、卒業制作という節目に、自らの切迫した立場をメタ的に俯瞰する構造は一見自虐的だが、あえてこのテーマに立ち向う姿勢に、「表現者として生きていく」の覚悟が横たわっている。
特筆すべきは、自らが生み出したキャラクター造形に対する絶対的な自信と、それをエンターテインメントへと着地させる卓越したバランス感覚である。深刻な人間性の危機をあえて「軽薄」なまでのポップさで包み込み、笑うに笑えない現実をカリカチュアライズする。 混沌とした制作状況すらも作品の一部として呑み込み、力業でまとめ上げる彼女たちの豪胆さ。この「鏡面対称性」がもたらすカタルシスこそが、本作の真骨頂である。

