link travel


主人公が様々な国を旅し、その場所で暮らしているキャラクターたちとの新しい出会いをテーマにした物語『link travel』というオリジナルのアドベンチャーゲームを想定してイラストレーション、グッズ展開を行いました。
現代のゲームやアニメーションはより美しく、リアルに表現できるかが重要視されていると思います。しかし1970 ~ 90 年代のビデオゲームにおけるグラフィックの主流であったドットは、今と比べて細かいデザインはできませんが、その分簡略化された装飾やコミカルなキャラクターの表情など3D とはまた違った良さがあります。古いというイメージを持っている人や馴染みのない人に、ピクセルアートでしか表現できない世界観を知ってもらい、今回の作品を通して興味を持つきっかけになれば幸いです。
映像文学領域 鈴木 千瑛 Chie Suzuki
担当教員コメント
鈴木さんの作品はゲームの世界をベースにしていますが、そこから展開される独自の造形スタイルに大きな魅力を感じます。
一つはピクセルアートの技法を使いながらも空間や光の透明感を表現しています。これによりゲーム世界の広大なスケール感を生み出すことに成功しています。もう一つは、ストーリーの中の様々な国のデザインが、どことなく中東風であったり、未来風であったりしながらも作者ならではのアレンジが加えられている点です。この造形性の高さがゲームの世界観を豊かに演出し、観る人をどんどん引き込んでいきます。また、ポスターだけでなく、プロモーションムービーやグッズ、CDジャケットなど多彩な展開を考えており、非常に見ごたえのある作品となっています。