EUTHEOS

この作品は、私が創造した物語の世界観を表現したものです。原型は、中学3年生の頃から組み上がっていき、高校、大学という時間を経て変化し続け現在の形になりました。
物語は3章から成り、それぞれ時代も登場人物も異なっています。1章〜2章までに1000年、2章〜3章までに約1万年という時間が経過しています。その長い時間を掛け、複数の人物達が人類の滅亡を阻止すべく旅に出るといった内容になっています。その物語の中で繰り広げられる多くの悲劇と立ち向かいながら、必死に希望を掴もうと足掻く彼らの生き様を視覚的に表現し、彼らが生きた証として残そうと思いました。

映像文学領域　　栗田 羅奈　Kurita Rana

担当教員コメント

本作品は作家自身が3つの世代で起きた人物たちに起きた運命を１つの物語として繋ぎ、丁寧にまとめ上げた大学4年間の集大成というに申し分ない作品です。 キャラクターの置かれた運命を効果的かつ高度なカメラワークで演出し、緻密な暗色の幅でほの暗い世界観を登場人物たちをデザインし、細やかな表情や動作が叙情的な表現で巧みに映し出されています。独特の場の雰囲気を安定した描写力で描き上げており、展示媒体でも人物が辿った運命を客観的かつ抽象的に伝えるためのアクリル素材を使った細やかな工夫に合わせ、時代の流れを視覚的に表現する長尺のタペストリー演出など作品全体のバランスを最後まで考慮しています。一つ一つの表現媒体もクオリティ高く、観覧者を深く物語へ引き込む魅力に富んでいます。