思い描く


「思い描く」は3DCGで制作した映像作品です。「変化し続ける時代の中でも、創造する心を忘れず、大切にしたい」という想いを込めて制作しました。制作のきっかけは、AI技術の発展による創作の変化に対する不安を感じる中で、創る楽しさや意欲を忘れたくないと強く感じたことです。私は世界観を想像することが好きで、3DCGの映像制作に興味があったため、4つの異なる世界を創り、「創造する心を忘れないでほしい」というコンセプトを、キャラクターが絵を描く姿を通して表現しました。絵を描くことをテーマにしたのは、小さい頃から絵を描くのが好きで、一番親しみのある創作の形だったからです。制作を通して創作する難しさを感じると同時にその楽しさ、完成した時の達成感を改めて実感しました。これからも「創りたい」という気持ちを大切にし、さまざまな作品を制作していきたいと思います。
情報表現領域 水野 仁美 Mizuno Hitomi
担当教員コメント
様々な世界の絵描きを通して描かれるのは、自分の創造した世界を描きたいというクリエイターの純粋無垢な想い。その“想い”は試行錯誤を繰り返しながら形あるものにする“思い”でもある。作者の創りたいという想いから始まり、試行錯誤を繰り返しながら表現力を磨き、その世界を作って行く。3DCGアニメーションという手法もまた、登場する人物の姿や動きや表情、それらが住んでいる世界にある一つ一つのオブジェクトに至るまでその膨大な作業を作者自らが形と色を考え、丁寧に作って行く。絵描きたちを通して創造の喜びと、その行為の尊さが描かれており、根気強く作り上げた映像に登場するキャラクターたちはクリエイターを志す者たちの姿であり、作者本人の姿でもあります。創りたいという想いを、作りたいという思いにし、創造の喜びを忘れずに、たくましく生きて行って欲しいと思います。