ロスフラワーの新たなアップサイクルの提案


美しく咲いていても規格外になってしまったり、店頭で売れ残って廃棄されてしまう花をロスフラワーといいます。廃棄されるはずの花弁や茎、葉、腐敗したものなど全てを材料に和紙を制作。この和紙の風合いとお花の繊細な美しさを融合させた現代ならではのサスティナブル紙を「うるわ紙」と名づけ、新しい命を吹き込みました。私たちには大切な日に花を贈る素敵な文化があり、それはかけがえのない記憶になります。 廃棄される花にもスポットを当て、同様にかけがえのない記憶に残るような私たちに深く関係する商品をロスフラワーと組み合わせて展開をしました。 廃棄されている現状を体感してほしいのと、お花屋さんに入ったかのような展示形態を心掛けました。 また、廃棄を減らしたい願いを込めて、ご覧いただいた方へドライフラワーに加工したロスフラワーのプレゼントを贈りました。 今回の展示で、お花の現状を知るきっかけになったら嬉しいです。
情報表現領域 松村 光起 Kouki Matsumura
担当教員コメント
この作品は消費社会のひずみに注目した意義のあるテーマを取り上げている。
サステナビリティ意識が高まる中で解決すべき課題のひとつに「フラワーロス」がある。
フラワーロスとは、花の生産・流通・販売の過程でまだ美しく咲いている花が廃棄されてしまうことを指す言葉で、花き農家や生花店にとって大きな経済損失であると同時に、廃棄にともなうCO2排出など環境負荷も大きい。
改善策を見つけるべく生花店へのリサーチ、現状を把握・分析し、問題を見つけていく過程で、デザインやアイデアといった新たな付加価値を持たせ、別の新しい製品に生まれ変わらせるアップサイクルへと思考を展開させていく。
和紙の制作、和紙を使った親しみやすい文具への展開など、本来であれば捨てられるはずの廃棄物に新しい命を吹き込んだ。ひとつひとつのクオリティはもちろん、魅力ある展示レイアウト、取り組む姿勢において他の学生の模範となる優れた作品である。