晴レのちクジラ

「今日の天気は晴れのちクジラです。明日の天気は…」 この世界ではクジラが空を浮遊する天気が存在する。 生涯をかけても解けきれない謎があるように、この世界は知らないこと、わからないことが溢れている。私たちが知らないだけで、もしかすると存在するかもしれない世界。絶対に無いと言い切る事もできない世界。夢と現実の狭間にあるような世界。

美術表現領域　　西岡 詩奈　Nishioka Utana

担当教員コメント

この作品は、やさしく穏やかな時間で包まれた空想の世界と現実の世界をひとつに包み込むような、包容力のある豊な表現で描かれています。確かな描写力と積み重ねられた丁寧な描法が、穏やかでありながら未知の時間との往来へと鑑賞者を導いてくれているようです。 岩絵具の質感の重なる表情は、作者が作品と真摯に向き合い、制作したということを語っているかのように感じます。