フィクション


創作活動をする中で、いつも中心にあったテーマは「学ランと少年性」、それによる「創作物での自己実現」でした。4年間これを追求していると、自分で生み出した少年たちの性格や感情がだんだんわかって来るようになり、キャラ作りの面白さを実感できました。その中でも特に付き合いの長いキャラを主人公に、自分自身を振り返る意味も込めて、制作に至りました。舞台は夢の中、『アイツ』の身体を手にした『私』が思い出の中を歩く。その景色の数々は、今まで制作した作品にまつわるものたちです。過去の作品に関わった方々への感謝と、もう過去の文化になりつつある学ランと共に、創作(フィクション)と現実、自分なりの作品への向き合い方を描きました。
映像文学領域 大島 茉莉 Mari Oshima
担当教員コメント
カテゴリとしては所謂ミュージックビデオの制作ですが、既存の楽曲を題材にするのではなく、自ら知人のミュージシャンに依頼し、テーマを伝え、共同でオリジナル曲の制作から行った点が最も特徴的且つ意欲的だと感じます。その取り組み方により、最終的には曲の持つメッセージをよりリアルに映像化する事に成功していると思います。卒業制作展の会期中に行われたVJ演出を取り入れた生ライブも、ミュージックビデオと同様、曲のプロモーションの一貫として効果的だと感じました。中心となるのはあくまでミュージックビデオですが、ポスターなど紙媒体の広告物、写真集、グッズなど、自身が4年間貫いてきた創作テーマの集大成であるという点にも着目して頂けたらと思います。